ひざまずけ、礼
第1章16話 さぁ行け我らのRC
スマホから着信音が流れる。僕達はすぐさま応答をタップした。
レア「もしもs」
2人「紅き街の出現!?」
レア「うわうるさっ!?その通りやけど・・・なんでそんなにやる気満々なん自分ら。」
佐和「いやぁ?別に理由はないけどね?」
比影「そうそう、別に理由はないよ?」
レア「そか?ほんならええけど・・・というか自分ら、一緒におるんか。仲のいいこってまぁ・・・。とにかく頼むで、場所は送っとくから。」
そういって、レア様は通話を切った。そう経たないうちに、場所の地図が送られてきた。
佐和「よし・・・比影くん準備はいい?」
比影「いつでもOKだよ。」
佐和「よし、しゅっぱーつ!」
僕達は準備しておいたブツを持ち、現場へと急行するのだった。
十数分後、発生場所に到着した。近場とはいえ、やはり結構かかる。欲を言えば、折りたたみ自転車くらい欲しいものだが、お小遣いでは買えそうにない。バイトすべきかなぁ・・・。
比影「えっと・・・レア様の情報だと、あの辺りから紅き街みたいだね。」
佐和「了解、さっそく例のやつを使う時が来たようね・・・!」
比影「だね、やったりますか。」
そういって、先程から抱えていたものを取り出し、そしておもむろに装着する。
内容としては、ラジコンとロープ、ベルトの3点。カメラ付きのラジコンを1人が持ち、ラジコンを持つ者にベルトを巻く。そのベルトにはロープが装着されており、そのロープをもう1人が範囲外から持つ、という感じだ。
この説明で大体察してるだろうが、今回に関しては、敵の撃退はあまり考えていない。ようはこいつは、安全に偵察するための道具である。
この画期的な装置は、「ご安全に1号」と名付けられた。・・・ネーミングが絶妙にダサい?コンセプトのまんますぎる?僕に言わないでくれ、これは佐和さんがつけた名前だ。
もちろんやべぇと思ったよ?でもね、佐和さんにさすがにそれは・・・と意見しようとしたら、すごい形相で睨まれたんだから、仕方ないのだ。そういうものだと思う他ない。
僕と佐和さんが、悩みに悩みぬき導き出した結果、生み出された発明品・・・というにはいささかアナログ臭が強いが、それはこの際目をつぶっていただきたい。とにかく機能が大事なので。
比影「・・・よし、こっちは準備完了だよ。ラジコンもちゃんと動くし、ベルトもバッチリ。」
佐和「こっちも大丈夫!ちゃんとロープの端は持ってるよ!」
比影「よし・・・突入!」
僕はラジコンを片手に、単騎で紅き街へと入っていった。
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