ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜
51話 王都防衛戦は近い
俺とアナベルはノエルたちよりも先に旧・宿舎へと戻ってきた。普段ならまだ眠っている時間だが、どうやらすでに目が覚めていて眠れない様子らしい。
まあ俺もまだ一睡もしていないが、眠気なんてまるで感じていなかった。
しかし、どこから話したものか。
……そうだな。まずはどうして女、子どもが攫われていたのかを説明しようか。
「まず、俺が連れ帰ってきた人たちも一部に過ぎない。とある情報筋では今日だけじゃなく前から行方不明者が出ていたらしい」
「それは本当なのか? そんな情報、まったく出回っていなかったが……」
「出回っていないのではなく、意図的に流していないんじゃないかな。俺は邪龍教と接触してそう思ったよ」
「……キミはどうしてそう思った?」
「次期国王の後継者が、今回の事件を利用するためだ」
もちろん、まだ確証があるわけではない。
単純に知らなかったってことも可能性としては低いが、ないわけではないだろう。
だが。
「襲撃を前倒しにできれば俺たちが準備を終える前に王都を攻められるからな。そして被害が大きければ大きいほど、国民を導く勇者や次期国王の後継者が現れれば求心力は跳ね上がる」
「それでは邪龍教と手を組んでいるのと同じではないか!」
「ああ。そうだ。俺はもう絶滅したはずの魔族と遭遇し、いかにこの国の王家が腐っているのを知った」
「おい待て。どうしてここで魔族が出てくる。キミも知っている通り、魔族は滅んだはずだぞ!」
「そうだな。俺たちはそのように記憶している。だが魔族はアルトリア王国によって消されただけで生きている。どうしてそんなことをするか? そんなもの、魔族すらも利用するクズの集まりだからだ、アルトリア王国の上層部は」
思い出しただけでも腹が立つ。何百万人もの被害者を出した魔族を自分たちの権威を示すために利用する。
そんな奴らのどこが国王だ。守るべき対象の国民を犠牲にする奴は人の上に立てるような器じゃない。
「もう分かったはずだ。この国は信じられない。それはシャルロッテも同じだ。俺が勇者だと嗅ぎつけた人間が、行方不明者が出ていることを知らないわけがない。シャルロッテも自分が王となるために俺たちを利用している。……少なからず、今はそう思っている」
「……そうか。たしかにシャルロッテ様が行方不明者の件を知らないわけがない。それに王都襲撃のことも知っているだろう。それでもシャルロッテ様を私は信じたい」
「別にそれでいいと思うよ。シャルロッテと何度か話したアナベルが言うんだ。何も知らない俺の戯言を信じるより、そっちの方がいい」
ただ、覚悟はしておいた方がいいだろう。
本当にシャルロッテが信じるに値する人物なのか分からない以上。いつ裏切られるか分からない。
「……まあそのことは置いておいてだな。魔族の話では、もう襲撃の準備はできているらしい。だから最悪、明日……いや今日中に攻めてきてもおかしくない」
「何だと? ミストの話では明後日だったはずだぞ?」
「それは順当に行けば……の話だろう。今回の事件は邪龍教が引き起こしたもので、みんな魔力を吸い尽くされていた。ここまで言えば分かるだろう?」
「……そうだったのか。これは、マズいな……」
アナベルが頭を抱えた。俺もそうしたい。
だが、そうしたところで何も変わらない以上、俺たちにできることは限られている。
「アナベル。そうしたい気持ちは分かる。でも、こうなった以上は俺たちだけでも朝を迎える前に準備を終えておこう。何もなかったらそれでいいし、本当に襲撃があったら準備をしていてよかったってなるだろ」
「……そうだな。何も起こらないように願いつつ、できることをするしかないか」
「ああ、それしかない」
そう、それしかないのだ。
仮に何事もなく明日を迎えることができても、敵に魔族がいる以上、並みの騎士では役に立たない。
それに忘れてはならないが、聖獣も敵だ。
こう言ってはなんだが、もう詰みかけている。
……もうこうなったら、やるしかない。
何としてでも新必殺技を完成させるんだ……!
こうして全ての準備をアナベルに任せて、俺は新必殺技の訓練へと向かうのだった。
「ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
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