ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜
50話 抜け出していたことがバレました
どうやら邪龍教徒はシャロに始末されていたようで、俺が襲われるようなことはなかった。
のだが――
「――シャロ。少し手加減というものを知らないのか?」
「何のことでしょうか?」
「……あのなぁ」
何のことか分からないといった表情のシャロを前に、俺は頭を抱えた。
というのも、シャロに追いつくまでの道中、いくつもの邪龍教徒の死体が転がっていた。
もちろん、邪龍教徒は悪いことをしたのだから、別に殺されても何も思わない。
思わないのだが、その殺され方ってのが酷かった。
端的に言うとバラバラ。何をどうしたらあんなに体がバラバラになるのか分からなかったぐらいだ。
流石にあのまま放置するのはマズいだろうと思い、『暴食』でスライムの糧になってもらったけど……。
「……それに一人ぐらいさ、生捕りにできなかったのか? そうすれば情報を聞き出せたかもしれないのに」
「失念していました」
「……まあいいか。とりあえず王都に戻って、子どもたちを病院へ運ぼう」
「分かりました」
こうして俺たちは王都へ戻る。
まずは生きている子どもたちのこと、死んでしまった人たちへの対応を急がないとな。
後、アナベルたちに知らせたいこともできた。
これは一睡もできないまま、朝を迎えそうだ。
そんなことを思いながら、シャロしか知らない抜け道を通って王都に戻ってきたのだが……
「おかえりアルト。キミは王都を抜け出して何をしていたのかな?」
「げっ」
何でここにアナベルが? 後ろにはノエルやオルガたち全員いるし……。
これ、もしかして怒られるパターンか?
「げっ、ではない。一体どこへ行っていたのだキミは!」
「いやぁ、別に大したところじゃないよ。なっ、シャロ」
そう言って後ろに振り返り、シャロに同意を求めようとした。
しかし……
「ん? 後ろには誰もいないぞ? シャロとは一体誰のことだ?」
シャロは逃げていた。俺だけを残して……
……いや、まあ分かるよ? シャロはシャルロッテの偽者だから顔を見せるわけにはいかないだろうし。
でもさ、俺だけに罪を被せるのは違くない? ねぇ。
そうここにはいないシャロに心の中で文句を言っていると、子どもの声が耳に届いた。
「……ぁれ? お姉ちゃんは……?」
ああそうだ。今やるべきことは、子どもたちを病気へ連れて行くことだった。
何を呑気に話している。一刻も早く、子どもたちに適切な治療を施すべきだろう。
「……大丈夫だよ、もう安心してくれ。王都に戻ってきたから」
……というかこの子、魔力回復ポーションを飲ませられなかった子じゃないか?
まさか、もう目を覚ますとは……。
「アナベル。魔力回復ポーションを持ってないか?」
「持っているが、この子……いや、この子たちは……?」
「話は後だ。とりあえず子どもたちは病院へ連れて行ってくれ。邪龍教の奴らに無理やり魔力を使われて魔力欠乏症になってる」
俺はアナベルからポーションを受け取って、飲ませられなかった女の子に飲ませながら言った。
アナベルは話を聞いてすぐにカレンやテレシアに命令を下し、子どもたちを病院へと連れて行く。
そして――
「おいアルト。あの人たちは……?」
もうすでに事切れて一時間以上経過してしまっている人たちの死体を見られてしまう。
「……もう、死んでいる。俺たちが来たときにはすでに……な」
「そうか……」
「ああ……」
「……ノエル、オルガ。この人たちを死体安置所へ」
「分かった」
そう言って、ノエルとオルガは死体を安置所へ運ぶ。
「アルト。キミが見聞きしたことすべて、私に教えてくれ」
「ああ、元々そのつもりだ」
こうして俺たちは重苦しい雰囲気に包まれながら、月に照らされた夜道を歩く。
話は宿舎に戻ってから……ということになったのだ。
「ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
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