ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜
49話 交渉決裂
誰がそんなことをするか。俺にはもう守りたい人たちがいる。だから、そんな裏切るような真似はできない。
だが、たしかにこいつの言っていることも分からなくもないかった。俺もアルトリア王国の王族は気に入らない。
人を道具扱いするような奴らだからな。そしていつか俺は殺されるかもしれない。
でも、俺はアルトリア王国を憎んでいるわけでも、嫌っているわけでもない。
あくまでも俺は王族を始末したい。ただそれだけだ。
もし、魔族側がそれに乗ってくれるのであれば、協力したいところではある。
というのは理想で、魔族側はアルトリア王国そのものを潰したいはずだ。
誰だって嫌だからな。自分を権威を示すための道具として扱われて、死んだことにされるのは。
そしてそれは、王国を潰さない限り続くだろう。
「で、どうだ? オレたちにつく気はあるか? お前にとっても悪い話ではないと思うだが?」
「はあ? これのどこが悪い話じゃないんだよ。俺、あいつらと敵対したくない。あいつらとも再会したばかりだし」
「あいつらって誰だ。お前の仲間か? そいつらがいるせいで、お前はオレたちにつかないっていうのか?」
「ああそうだ。あいつらがいる限り、俺は魔族側に協力するつもりはない」
「なら、その仲間を消せばお前はオレたちの仲間になるって言うんだな?」
「さぁどうだろう」
それは俺にも分からない。人間側につくこともなければ、魔族側につくこともないかもしれない。
俺はあいつら――アナベルたちがいなくなったら、また引きこもりそうな気がするよ。
守れなかった罪悪感からさ。
「……はぁ、萎えた。せっかく仲間にしてやろうと思ってたのによ」
「そりゃ残念だったな。あいつらよりも早く俺を見つけれなかったらお前らが悪い」
「何だそれ。……まあいいさ。ロンドの街で使えそうな奴らを見つけたしな」
「あっそ。それで? 俺的にはこのまま退いてくれると嬉しいんだけど?」
多分、シャロもいい感じに逃げられたところだろうし。
俺もさっさとこいつから逃げたい。
「お前の言うことを聞くようで癪だがそうするつもりさ。もう準備は整ったからな」
「……あっそ。それじゃあまたな。お前とはすぐに戦うことになる気がする」
「危惧だな。オレもそう思っていた」
――思うなよ。俺はお前と会いたくないし、戦いたくもない。お前、強そうだもん。
……はぁ。嫌になる。俺はスライムを作り出して、すでにこと切れている者たちを乗せていく。
この人たち、どう説明したらいいんだろう?
……アナベルに丸投げでいいか。
「なあ、聞いてもいいか?」
「何だよ。まだ何かあるのか?」
「……いや、やっぱりいいわ。その代わりに名前を教えろ」
「……アルトだ。お前は?」
「グレン」
「そっ、覚えておく。……次会うときは敵同士だ。今みたいにお前の話なんか聞いてやらないからな。じゃあな」
俺はグレンと名乗った魔族に背を向けて、階段を上る。
もちろん、スライムも一緒だ。
あ、そういやシャロはどうなってるんだろう?
何事もなく行っていたら小屋から出て森を歩いている頃のはず。
俺はシャロと一緒にいるスライムと感覚を共有する。
「……大丈夫みたいだな」
邪龍教の襲撃に遭ってしまっているが、流石なシャロだ。余裕で撃退している。スライムの出番がまるでない。
これは急がないと追いつかないな。
俺は階段を一気に駆け上がり、小屋から出るのだった。
「ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
追放《クビ》から始まる吸血ライフ!~剣も支援も全てが中途半端なコウモリヤローとクビにされたが、実際は底の見えない神スキルだった件~
-
9
-
-
元SSSランク冒険者だった咎人は脱走して人生をやり直す! ~幽閉された10年で鍛えた魔力は最強魔導士に~ 若返った俺を捕まえようとしてももう遅い!
-
22
-
-
え? パーティに支援魔法をかけまくっていた俺を追放? 〜若くてかわいい有望パーティに拾われたので、今さら戻ってこいと言われても、もう遅い〜
-
12
-
-
風使い練成術師、防御重視は時代遅れとパーティ追放(10か月ぶり9度目)される~路頭に迷いかけたけど、最強火力をもつ魔女にスカウトされた。守備が崩壊したと言われてももう遅い。今は最高の相棒がいるので~
-
5
-
-
【完結】努力の怪物が指パッチンを極めたら世界最強に〜スキル【収納】の発動を指パッチンに″限定″したら無限の可能性が待っていた〜
-
9
-
-
雷霆の英雄と聖王子 〜謀略により追放された口下手な雷は、家族思いで不器用な王子を影から助ける〜
-
6
-
-
転生したから田舎でまったりしよう!
-
12
-
-
勇者パーティーから追放された召喚士~2000年間攻略されなかったダンジョンを攻略して、伝説の武器や生き物と契約して楽しくやってます。懇願してもパーティには戻りません
-
14
-
-
無能と呼ばれパーティーを追放された俺だが、「無能とはいったい何のことですか?」 俺は、精霊たちの力を使い無双し自分だけのハーレムを作り上げる!
-
8
-
-
異世界で魔王の配下になった件
-
17
-
-
【完結】平凡クラス【槍使い】だった俺は、深海20,000mの世界で鍛えまくって異世界無双する
-
13
-
-
【完結】ロリコンなせいで追放された魔術師、可愛い愛弟子をとって隣国で自由気ままに成りあがるスローライフ!
-
15
-
-
パーティー追放された者同士で組んだら、全員魔剣士だったけど割と万能で強かった件
-
26
-
-
勇者の出番ねぇからっ!!~異世界転生するけど俺は脇役と言われました~
-
36
-
-
勇者として神からもらった武器が傘だった俺は一人追い出された。えっ?なにこの傘軽く見積もって最高じゃん
-
15
-
-
太陽の申し子〜竜に選ばれた少年の旅物語〜
-
17
-
-
みんな大好き10連ガチャ!だけど・・・・どうやってそのアイテム用意してるか知ってる?
-
20
-
-
全ての魔法を極めた勇者が魔王学園の保健室で働くワケ
-
29
-
-
3Rの魔法師〜魔力零の異端児は今日も誰かの魔力を糧にする〜
-
17
-
-
受験生でしたが転生したので異世界で念願の教師やります -B級教師はS級生徒に囲まれて努力の成果を見せつける-
-
7
-
コメント