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ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜

霜月琥珀

46話 第二王女(偽者)と王都を抜け出します

 ラインハルトとの決闘、そして姉妹との再会があったその日の夜。俺は旧・宿舎を抜け出していた。

 アナベルたちには何も言わずに。

 だが、恐らくそう時間が経たないうちにカレンが俺の部屋に忍び込み、俺が不在であることが知られるだろう。

 まあ、知られても知られなくてもどっちでもいいけど。

「……で? いつまで隠れてるつもりだ?」

 俺はまったく隠しきれてない気配の方向に視線を向ける。
 というかこれ、隠す気ゼロだな。

「マスター。気づいていたのですか?」
「気づくも何も、気づいてほしかったんだろ?」
「それは少し自意識過剰が過ぎます」
「あ、そう。……それで? 俺の前に姿を現したということは何かあったのか?」
「はい。あります」

 やっぱりか。しかも大体は察しがついている。
 恐らく、邪龍教が関係している。
 詳しいことまでは分からないけど。

「何があったんだ?」
「それが最近、女、子どもの行方不明者が増えているみたいなのです」
「行方不明?」
「はい。それに居なくなるのはいつも日が暮れてからだそうです」

 ……何かおかしいなとは思っていたのだ。

 俺の見立てでは、一ヶ月かけて空気中の魔力をかき集めても魔物五万匹を召喚するのは難しいはず。
 たしか、俺がアナベルとノエルに無理やり連れ出された日に倒した魔物の数は千にも満たなかった。

 だからどうやって魔物五万匹を用意するのか分からなかったのだ。

 だが、シャロが言うことが邪龍教の仕業なら、五万匹の魔物を用意するのは難しくない。
 連れ去った人たちの魔力を使えばいいだけだからな。

「……行こう。多分、邪龍教は近くにいる」
「いいのですか? もう、連れ去られた人たちは……」
「分かっている。でも、まだ助けられる人がいるかもしれない」
「分かりました。ではマスター、私について来てください」

 そう言って、シャロは俺を先導するように前を歩き始めた。
 だが、シャロが向かっている場所は明らかに門がある方向じゃない。

「一体、どこに向かっているんだ?」
「抜け道です」
「抜け道?」
「はい。私が王都から抜け出すときに使っていて、私以外に知る人はいません」

 へぇ。そりゃあいい。

 門には門番がいるからな。こんな夜遅くに堂々と王都の外に出るのは怪しまれるだろう。
 それは何としてでも避けたかった。面倒なことになりそうだし。

「それにしても王都から抜け出しているのか。一体、抜け出して何をしているんだ?」
「主に情報収集と護衛です」
「情報収集……は、まあ何となく分かる。カインについて教えてもらったしな。でも護衛ってのはよく分からないな。誰を守ってるんだ?」
「マスターです」
「……え?」
「ですからマスターです。私はいつもマスターの護衛をしています」

 ……マスターって、俺のことだよな?

 ということは。

「ロンドに向かったときもついて来てたの?」
「はい。ついて行きました」
「もしかして今日も?」
「はい。マスターいるところに私あり、です」

 あらやだ健気。でも、それって大丈夫? 

「本物のシャルロッテは守らなくてもいいのか?」
「大丈夫です。私以外にも私はいます。それに私が第一に優先したいのはマスターです」
「えっ、シャロ以外にもシャルロッテの偽者がいるのか?」
「はい。私以外にも四人います」
「へぇ。しかし不思議だな。お前だけなんだろ? シャルロッテ以外を守ろうとしてるのって。何で?」
「それは、マスターが私の初めてを奪った方だからです」
「……え?」

 まったくこれっぽっちも意味が分からない。
 今、シャロは何て言った? 私の初めてを奪った……? 誰が? もしかして俺が? いつ?

 ……俺がシャロにしたことって、名前を付けたぐらいで……ってああ、そういうことか。

「俺が初めて名前を付けたからってことか」
「それ以外に何があるんですか?」
「いや、言い方的にほかのことを思い浮かべるじゃん?」
「……最低ですね」
「俺が悪いの? どう考えてもシャロじゃんか」
「近づかないでください。私はまだ純粋でいたいです」

 そう言って、シャロはあからさまに俺から距離を取る。
 俺はその後ろを寂しくついて行くのだった。

 ……はあ。やっぱり女心って分からねぇ……。

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