ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜
44話 王都壊滅について
実際にはたった数分しか経っていなかったが、早く終わってほしいという想いが強すぎるあまり、体内時計がめちゃくちゃに狂っていたらしい。
そして今現在、俺は実の妹であるアイリスに詰め寄られていたのだった……。
「――どうしてお兄ちゃんがここにいるの! カインさんと冒険者になったはずでしょ!?」
「どうして俺がここにいるのかは姉貴とラインハルトにだけ話す。お前はここにいなくていい。それに冒険者はやめた」
「冒険者をやめた……? 何で! お兄ちゃんはカインさんと一緒に有名になって……」
「どうでもいいだろ、あいつのことは。それに言ったはずだ。お前はここにいなくていい。邪魔だ」
「どうでもよくない! それにまた仲間外れ! いつも私は邪魔者扱い!」
……はぁ。アイリスも相変わらず頑固だな。
まだ子どものお前に王都壊滅の話をしても仕方ないし、カインの話をお前にはしたくない。
お前の初恋の相手が犯罪者で、ましてや俺をパーティーから追い出すような薄情者だとは流石にな……。
それに。
「俺はお前を邪魔者扱いしていない。ただ、もうみんな教室に帰ったのにお前だけいるのはおかしいだろ」
「それはそうかもしれないけど! それとこれとは別なの! それで、お姉ちゃんとラインハルトさんに話そうとしていることは何なの!」
「……聞いて後悔しないか?」
「しない!」
「……はぁ。仕方ないなぁ」
俺は諦めてアイリスにも話すことにした。
まあ今のうちに聞いておけば、いざそれが起きたとき、冷静に動けるかもしれない。
そう自分を説得していると、ノエルが俺の方を見ていた。
「アルトさんは妹さんに甘いですね」
「うるせぇ。別に俺は甘くない」
そう俺は甘くはない。
本当に俺がアイリスに対して甘いなら、今すぐにでもここから遠ざけようとするだろう。
だが、俺はそうしない。時間的にできないのもあるが、勇者としての責務を全うするためにしないのだ。
だからアイリスには王都壊滅の現場にいてもらう。
俺はアイリスの兄だが、今は勇者だ。アイリスだけを守るなんてことはできない。
そう……たとえ死ぬかもしれないとしてもな。
「それでアルト。俺に話したいことってのは何だ?」
ラインハルトが本題について聞いてきた。
「本当は姉貴に聞いてほしくはなかったが……まあいいか。……王都は50時間後に壊滅する。信じられない話かもしれないが、事実だ。俺が最も信頼する冒険者が言っていた」
「王都が壊滅だと?」
「ああ。敵は五万を超える魔物と聖獣四体だ」
「……聖獣だと?」
「そうだ。白虎を除く四体の聖獣が王都を襲う」
「そうか……」
そう言うラインハルトは……笑っていた。
何故だかは分からない。だが、オルガの言っていたことが何となく分かった。
恐らく、ラインハルトは聖獣と何らかの因縁がある。
「だが、申し訳ないがそれだけじゃない」
「……ぇ? まだ、何かあるの……?」
「後悔しないんじゃなかったのか? アイリス」
「こ、後悔なんて、別にしてないし!」
俺は強がるアイリスの頭をポンポンと叩いた後、話を続け――ようとしたとき、姉貴が遮ってきた。
「女?」
「え? 何?」
「だから女? その信頼する冒険者って……」
「そうだけど、それが何だ?」
「そんなぁ……。お姉ちゃんっ子だったアルトちゃんが、私以外の女と仲良くなってるなんて……っ。……渡すもんかっ! アルトちゃんは私のなんだから! いい? アルトちゃんは私の!」
「は、はぁ……」
えっ、そっち? 心配するところ間違ってない?
さっきまで妙に静かだなと思っていたけど、まさか魔物と聖獣じゃなくて、ミストを敵対視してたの?
しかもノエルにも流れ弾が飛んでいったぞ。
流石は姉貴だ。後、俺はお姉ちゃんっ子でも何でもない。勝手に記憶を改竄するな。
俺は姉貴にべったりだったことは一度もない。むしろ、姉貴の方がべったりだった。
暑苦しいぐらいに……。
いや、そうじゃなくて。俺はこんな話をしたいわけじゃない。
俺は再び本題に入る。
「ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
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