ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜
43話 再会
俺は自分の勝利を確信した。
「――――ッ?」
しかし次の瞬間、何者かに横槍を入れられる。これでは決着がつかないじゃないか。
それにマズいな。ラインハルトを庇ったということは、もしかしなくてもアルトリア騎士団・第一部隊のメンバーだ。
……逃げるか? いや、俺たちは何としてもラインハルトには協力してもらわなければならない。
じゃあどうする。どうすればこの局面を切り抜けられて、ラインハルトに協力を取り付けることができる……。
……くそ、何も思いつかない。
もう正直に話すしかないのか?
「…………」
本当はラインハルトにだけ話したかったが……仕方ない。
俺は『セイント・メテオレイン』を強制的に終わらせて、ラインハルトと横槍を入れた奴が姿を見せるのを待つ。
というのも、そいつらは何かに覆われてる。
あれは、何だ?
黒くて、ドラゴンの翼のような……。
俺には何か分からなかった。
しかし、ノエルは何か知っているらしい。
「アルトさん! ここは逃げましょう!」
避難した子どもたちと一緒にいたはずのノエルが俺の方へ走ってきていた。
「ノエル。あれが何か分かるのか?」
「いいえ、詳しくはありません。ですが、もしラインハルトさんを助けたのがアルトリア騎士団の団員なら、あの人以外にありえない……と思います」
「あの人……?」
そうノエルに聞き返した瞬間のことだった。何とも懐かしい声が俺の耳に届く。
「もう! 急に走らないでよ、お姉ちゃん!」
俺はその声の方向に視線を向けた。
「…………っ!」
どうしてお前がここに……。
学校に通っているって話は知っていたけど、何でよりにもよって騎士学校なんかに……。
じゃあ、まさか……。
まさかまさかまさか……ッ!
「ごめんごめん。大事な団員が死ぬところだったからね」
……この声も聞き覚えがある。
じゃあやっぱり、ラインハルトを助けたのは……。
「――アメリア」
俺は姉の名前を口にした。
まさか、こんな場所で二人と再会するとは思わなかった。何でよりにもよって、今……ここでなんだ。
王都は戦場になるというのに……。
「アルトさん?」
「……ん? 何だ?」
「アメリアさんを知っているんですか?」
「知っているも何も、アメリアは俺の姉だ」
「えぇ!? アメリアさんの弟!?」
……ノエル。大声で言い過ぎだ。
これじゃあまるで、弟の俺はここにいますよって、姉貴に伝えているようなものじゃないか。
嫌だなぁそれ。何か、恥ずかしくない?
「何で教えてくれなかったんですか!? アルトさん!」
だからそれやめろって。
あー、嫌だ嫌だ。この場から今すぐ立ち去りたい。立ち去って部屋に引きこもりたい。
だって、みんなの視線が俺に集まっている。
そして、話題の当人――アメリアも俺の方を見ていて……。
「あ、アルトちゃん……。本物のアルトちゃん……。はあ、はあはあはあ……すぐそこに最愛のアルトちゃんが……」
やべぇ。相変わらずやべぇ。その過呼吸みたいな呼吸も、俺しか見ようとしない目も、何もかも……。
「もう我慢できない。我慢なんかできっこない! アルトちゃん成分が足りないぃぃぃいいいいいぃぃ!」
「こ、こっち来るな! や、やめっ――、ぎゃああぁぁぁぁぁあああああ――ッッッ!」
こうして、俺は数年ぶりに再会した姉に『アルトちゃん成分』を補給されまくるのだった……。
もういやぁ。
「――――ッ?」
しかし次の瞬間、何者かに横槍を入れられる。これでは決着がつかないじゃないか。
それにマズいな。ラインハルトを庇ったということは、もしかしなくてもアルトリア騎士団・第一部隊のメンバーだ。
……逃げるか? いや、俺たちは何としてもラインハルトには協力してもらわなければならない。
じゃあどうする。どうすればこの局面を切り抜けられて、ラインハルトに協力を取り付けることができる……。
……くそ、何も思いつかない。
もう正直に話すしかないのか?
「…………」
本当はラインハルトにだけ話したかったが……仕方ない。
俺は『セイント・メテオレイン』を強制的に終わらせて、ラインハルトと横槍を入れた奴が姿を見せるのを待つ。
というのも、そいつらは何かに覆われてる。
あれは、何だ?
黒くて、ドラゴンの翼のような……。
俺には何か分からなかった。
しかし、ノエルは何か知っているらしい。
「アルトさん! ここは逃げましょう!」
避難した子どもたちと一緒にいたはずのノエルが俺の方へ走ってきていた。
「ノエル。あれが何か分かるのか?」
「いいえ、詳しくはありません。ですが、もしラインハルトさんを助けたのがアルトリア騎士団の団員なら、あの人以外にありえない……と思います」
「あの人……?」
そうノエルに聞き返した瞬間のことだった。何とも懐かしい声が俺の耳に届く。
「もう! 急に走らないでよ、お姉ちゃん!」
俺はその声の方向に視線を向けた。
「…………っ!」
どうしてお前がここに……。
学校に通っているって話は知っていたけど、何でよりにもよって騎士学校なんかに……。
じゃあ、まさか……。
まさかまさかまさか……ッ!
「ごめんごめん。大事な団員が死ぬところだったからね」
……この声も聞き覚えがある。
じゃあやっぱり、ラインハルトを助けたのは……。
「――アメリア」
俺は姉の名前を口にした。
まさか、こんな場所で二人と再会するとは思わなかった。何でよりにもよって、今……ここでなんだ。
王都は戦場になるというのに……。
「アルトさん?」
「……ん? 何だ?」
「アメリアさんを知っているんですか?」
「知っているも何も、アメリアは俺の姉だ」
「えぇ!? アメリアさんの弟!?」
……ノエル。大声で言い過ぎだ。
これじゃあまるで、弟の俺はここにいますよって、姉貴に伝えているようなものじゃないか。
嫌だなぁそれ。何か、恥ずかしくない?
「何で教えてくれなかったんですか!? アルトさん!」
だからそれやめろって。
あー、嫌だ嫌だ。この場から今すぐ立ち去りたい。立ち去って部屋に引きこもりたい。
だって、みんなの視線が俺に集まっている。
そして、話題の当人――アメリアも俺の方を見ていて……。
「あ、アルトちゃん……。本物のアルトちゃん……。はあ、はあはあはあ……すぐそこに最愛のアルトちゃんが……」
やべぇ。相変わらずやべぇ。その過呼吸みたいな呼吸も、俺しか見ようとしない目も、何もかも……。
「もう我慢できない。我慢なんかできっこない! アルトちゃん成分が足りないぃぃぃいいいいいぃぃ!」
「こ、こっち来るな! や、やめっ――、ぎゃああぁぁぁぁぁあああああ――ッッッ!」
こうして、俺は数年ぶりに再会した姉に『アルトちゃん成分』を補給されまくるのだった……。
もういやぁ。
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