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ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜

霜月琥珀

41話 アルトリア騎士団・序列二位の実力 その1

「分かった。やろう」
「お前ならそう言ってくれると思っていた」

 これが男と男の友情か。
 まだ出会って数分の間柄だが、俺のことを理解してくれているらしい。

 俺はこれっぽっちも分からないが。

 それでも分かっているのは中途半端な戦いはできないということ。
 ラインハルトは必ず本気で来る。なら、俺もその本気に応えて俺の本気をぶつけるだけ。

「ちょ、ちょっと待ってください!」

 しかし、ノエルには男の友情というものが分からなかったみたいだ。

「どうして戦う必要があるんですか! アルトさんも分かっているでしょう? もう時間がないんです。また大怪我をしたら間に合いませんよ!」

 ……たしかに、ノエルの言う通りだ。

 俺はオルガとの決闘で大怪我を負った。
 今回もそうなるかもしれない。オルガは序列十位だったが、ラインハルトはそれよりも強い序列二位。

 だが、一度戦うと決めた以上は曲げられない。

「ノエル。お前の言うことは正しいが、ラインハルトがそれを望んでいる以上、そうするしかない。それに大丈夫だ。もう大怪我は負わない。怪我をしても骨折程度に済ませるよ」
「何をカッコよく言ってるんですか。骨折は大怪我ですよ! 分かってますか!」

 うるさいなぁ、ノエルは。骨折ぐらいでワーワーと。
 俺は二週間ぐらい前に大火傷と粉砕骨折、筋肉繊維ズタボロというエグい怪我を負った。
 それと比べれば骨折など痛くも痒くもない。

「じゃあやろうか」
「いいのか? 俺が言うのもおかしな話だが、ノエルはアルトを心配しているみたいだが……」
「ほっとけほっとけ」

 俺はノエルを無視してラインハルトと話を進める。

 ノエルはと言うと、

「ちょっと、アルトさん! 私の話、聞いてますよね? 無視しないでください!」

 何やら騒いでいた。

「……それで、どうする? 勝敗の決め方は」
「ああ、それなら……俺の体に傷を一つでも付けられたらアルトの勝ち。制限時間内に付けられなかったら俺の勝ち。これでどうだ?」
「分かった。制限時間は十分でいいか?」
「問題ない」

 流石はアルトリア騎士団・序列二位。自分に絶対的な自信があるみたいだ。
 だが、調子に乗っているわけじゃない。本気でそう思っているんだろう。

 なら、俺はラインハルトの想定を超えてやる。
 絶対に傷を一つ……いや、やっぱりムカつくから追加で三つ傷をつけてやる……。

 ……顔面に。

 ラインハルトはイケメンだから、ちょっと鼻につく。

「ノエル。戦闘開始の合図を頼む。後、子どもたちの避難も」
「……分かりました。その代わり、決着がついたら一発叩かせてくださいね」
「え? 何で?」
「…………」

 ノエルからの返答はなし。どうやら俺はノエルに一発叩かれてしまうらしい。

 俺、何かした?

 ……まあいい。ノエルは俺が言ったように、子どもたちを壁際に避難させている。

「アルト。お前は少し女心というものを理解した方がいいぞ?」
「何でだ?」
「……いや、何も言うまい。ただ、ちょっと可哀想だと思っただけだ」
「……?」

 俺にはラインハルトの言っていることを理解することができなかった。
 そもそも女心ってなんだろう? どうして今そんな話をしたんだろう?

 俺、余計なことを言わないようにしてるんだけどなぁ。
 例えば、胸の話とか。
 これだけじゃ女心を理解したとは言わないのかな。

「アルトさん。準備はいいですか?」

 どうやら子どもたちの避難は完了したらしい。

「いいよ」
「分かりました。それでは――始め!」

 ――先手必勝。

 俺は【魔力纏い】で身体を強化。
 そして、踏み込みと同時に火属性魔法をあえて爆発させる。それによって推進力は増し、その勢いのままラインハルトに接近。

 ――『ファイア・スパイラル』。

 俺は現状三番目に強力な技を発動する。
 二番目は言うまでもなく『ファイアインパクト・廻』。
 一番目はまだ披露したことはないが、恐らく倒せない相手は今後出てこない最強の矛。

 ゆえに使えない。まだコントロールが上手くいっておらず、暴走してしまったら俺までも消滅する。
 そんな技をラインハルト相手には使えない。

 だから、『ファイア・スパイラル』で傷をつけるまではいかなくても、通用してほしい。

「……ほう? 面白いことをする。アルト、まさかお前、身体強化魔法が使えないのか? それにその技、初級火属性魔法の応用だな。そんなことをするってことは、中級の魔法は使えないってことか」
「ああそうだ。俺にはどうしても身体強化魔法が使えなかった。だからその真似事として【魔力纏い】を編み出した。中級以上の魔法が使えないってことは本当だ。だがな……」

 それでも俺にはこれがある。

「――来たれ、スライム!」

 俺は自分の進行方向にスライムを作り出し、さらにラインハルトの斜め後ろにも作り出した。

「スライム? お前はテイマーなのか?」
「まあそんなところだ」

 そして俺はあえてそのままスライムを素通り。
 その瞬間、スライムは爆発し、進行方向がズレる。
 これは計算済み。だからそこにスライムを作り出している。

 再度スライムにぶつかり、またまた爆風で進行方向をズラして、ラインハルトの背後を取った。

 そして。

「――喰らえ。『ファイア・スパイラル』!」

 俺はラインハルトの背中に乱回転している『ファイア・ボール』をぶつけた。

「ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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