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ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜

霜月琥珀

40話 アルトリア騎士団・第一部隊の副隊長

「……話し込んでいるところ申し訳ない。お前がアルトリア騎士団・第一部隊の副隊長――ラインハルトか?」

 俺は単刀直入に聞いた。

 もうなりふり構っている暇はない。俺たちにはラインハルトに協力を取り付ける以外にもやることはあるからな。
 それにラインハルトは副隊長という話だ。どんな不敬な態度でも許してくれるだろう。

 しかし、

「何だ貴様は」

 普通に機嫌を悪くさせてしまった。
 さっきまであんなに柔らかな表情で話していたのに。

 どうやら第一印象は最悪だな。
 まあそれはどうでもいい。
 今は俺たちのやるべきことをやるだけだ。

「俺はアルトリア騎士団・第十二部隊のアルトだ。お前に話したいことがあってここに来た」
「アルトリア騎士団だぁ? 帰れ帰れ。俺はアルトリア騎士団が大嫌いなんだ」

 ? それは一体どういう意味だろうか。

 副隊長がアルトリア騎士団を嫌っている?
 というか本当に最悪だな。第一印象も良くないのにアルトリア騎士団そのものを大嫌いと言っている。

 これは協力を取り付けるのは難しそうだ。

 そう思っていると……。

「……あの、もしかしてあのときのお兄さんですか?」

 という声が耳に届いた。

 声が聞こえた方向に視線を向けると、そこには騎士学校の女子生徒が一人立っていて、俺のことを見ていた。

「覚えてますか? 私、昔お兄さんに助けてもらったアニスです」

 ……昔ってことは冒険者時代だよな。
 それでいて俺に助けてもらった……ということは。

「もしかして、あのときの……。無事に逃げられたんだな。よかった……」

 そうあれは……俺が冒険者になって一年も経っていない頃……。

 俺は一人でとある森にクエストで立ち寄っていた。
 そのときに運悪く魔物の群れと遭遇してしまったのだ。
 しかし、まだ俺には気づいておらず、そこから立ち去ることもできたのだが、女の子が魔物に囲まれていた。

 非力な少女だ。戦える力はない。
 でも、何もできない俺にあの子を助けることができるのか。いや、できない。

 そう頭では考えていた。

 だが、体は勝手に動いていた。
 あのときの俺は冒険者に夢と希望を抱いていて、自分もカッコいい冒険者になりたかった。

 だから、考えるよりも先に体が動いていた。

 それからのことはあまり覚えていない。
 自分が囮になって女の子を逃したところまでは微かに記憶に残っているが、そのあと俺はどうやって生き延びることができたのかは分からない。

 そう過去話に思いを馳せていると、不意に両肩に手を置かれて掴まれた。

 ――ラインハルトに。

 そして。

「アルトといったか? 妹を助けてくれたこと、感謝する」
「え?」

 俺には何がなんだか分からなかった。が、話の流れで言うと、つまるところ。

「ラインハルトはアニスの兄なのか?」
「ああそうだ。アニスは俺が愛してやまない妹……! だから、ありがとう。お前は命の恩人だ……」

 機嫌の悪かったラインハルトはどこにいったのか。
 俺は今、めちゃくちゃ感謝されている。

 ……あれ? ということは。

「もしかしてあのとき俺を助けてくれたのはラインハルトだったりする? 流石にあの状況を一人で打破できるような力、俺にはなかったし」

 そうあのときの俺は死んでいてもおかしくはなかった。
 でも、こうして生きている。

 だから、俺はこう考えることにした。

 俺が囮になったことでアニスは無事に逃げることができたが、残された俺のことが心配だった。
 だから兄であるラインハルトに助けを求め……俺は彼に助けられた……と。

 もはや、これしか俺が助かる方法はなかった……と思う。
 あんな場所に人が偶然通りかかるなんてこと、滅多にないだろうしな。

 つまり、俺にとってラインハルトは命の恩人ということになるのか……。

 そのラインハルトはと言うと……。

「そうらしいな。まさかこうして再会できるとは思わなかったし、見違えるほどに成長していたなんてな」

 どうやら心当たりがあったらしい。
 なら俺の考えたシナリオは当たらずとも遠からず……といった感じかな。

 でも、そんな昔のこと今はどうでもいいか。
 俺たちにはラインハルトに王都壊滅のことを話して、協力を取り付ける必要がある。

「なあ、ラインハルト。俺たちは――」
「――知っている。さっき聞いた。俺に話があって来たんだろう?」
「ああ、その通りだ。俺たちの話を聞いてくれるか?」
「それはできない」

 予想外にもラインハルトは首を横に振った。

「理由を聞いてもいいか?」
「勘違いしないでもらいたいが、俺はお前と友好関係を築きたいと思っている。アニスを助けてくれた恩人だからな」
「なら、どうしてだ?」
「特に深い理由はない。俺に話があるということは、何かしらと戦ってほしいのだろう? 違うか?」
「違わない……」
「なら俺と戦うがいい。戦って、俺の横に並び立てる男であると証明しろ。それができれば俺はお前を騎士として認め、全面的に協力する」

 どうやらラインハルトにも譲れないものがあるらしい。

 なら、俺にできることはラインハルトと戦って、認めてもらうことだけだ。

「ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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