ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜
37話 アルトリア騎士団、新・宿舎までの道のり
だが、帰ってきたときにはすでに日が落ちており、アルトリア騎士団の新・宿舎に向かうのは明日となって……。
……夜が明けた。
本当はやりたいことがあったが、カインとの決着やミストとの再会などがあって疲れていたのかすぐに眠ってしまったので一瞬のことだった。
そして、今から騎士団の新しい方の宿舎に向かうのだが、カレンやシノア、テレシアは留守番ということになった。
ほかにもアナベルとオルガは新・宿舎に向かうとは言っても、俺とは別行動を取ることになった。
目的はアルトリア騎士団・第一部隊のラインハルトだが、他の部隊にも協力を仰ぐことにしたのだ。
そして今回、俺と行動をともにするのはノエル。
人選はよく分からないが、そう決まっていた。
まあ俺からしてみれば誰でもいいんだけど。
あ、そういえば。
「新しい制服、いい感じだな。お前らまで俺に合わせることなかったのに」
「いえ、いいんです。私たち第十二部隊はアルトリア騎士団の中であぶれている存在ですから。それに私はアルトさんとお揃いがよかったんです」
「ふ~ん、そういうものか」
それにしてもあのいかにも女騎士って感じのアナベルが、俺のワガママを聞いてくれたのには驚いた。
ダメだと拒否されるかと思ったら、すんなり受け入れてくれて、彼女も俺と同じ制服を纏っている。
少し変な感じだけど。
というのも、これまでの制服は全体的に白く、ところどころに赤いラインが入っているというものだった。
だが、俺が考案した制服はそれの真逆。全体的に黒く、ラインが入っているところが青くなっている。
だから、アナベルが着ると違和感がある。
ずっと白い制服姿を見てきたからかな。
「でも、本当によかったのか? ただでさえあぶれているのに拍車がかかるようなことして」
「二度同じことを言わせないでください。それに制服を変えたぐらいじゃ変わりませんよ。私たち第十二部隊は曰くつきな方が多いですから」
「へぇ、そうなのか。そこら辺詳しく知らないから、この騒動が終わったらみんなに聞いてみようかな」
そんなことを話しながら歩いていたら、かなり王都の中心から外れてたところに来ていた。
旧・宿舎から少し離れた場所にあったから、その近辺かなと思っていたんだけど……。
どうやらあてが外れたらしい。
「そういえばさ、第一部隊の副隊長がラインハルトだって話は聞いたけど、隊長はどんな人なんだ?」
「うーん、そうですね……私、一度も会ったことがありませんから風の噂程度の話で申し訳ないのですが、かなりの美人さんだそうですよ」
「……美人ねぇ。俺の周りにいる人みんな可愛いから美人って言われても想像できないなぁ」
と、ふと思ったことを口に出してみた。
アルトリア騎士団の女騎士、本当にレベルが高いと思う。
まあシオンやリリアも可愛くはあったけど、性格がゴミクソだったから総評はマイナスだった。
でも、アナベルは顔可愛いしスタイルもいいし、料理も上手いという、マジでマイナスな部分がなかった。
ノエルももちろん……じゃないな。料理が壊滅的にできないこと以外は完璧だ。
昔のノエルは少し遠慮がちな部分があって距離を感じていたけど、今はちゃんと俺たちの前でも笑うようになったし、よく相談するようにもなってくれたからな。
オルガは……うん。女要素ゼロ。炊事洗濯はもちろんのこと、掃除もやらない。一日中ずっと特訓している。
でも、時折りなぜか恥じらいを見せることがあって……オルガを目で追うことが多い。
ほかのみんなもいい子ばかりだ。
シノアは俺が苦手だった回復魔法を人並み以上に使えるようになるまでつきっきりで指導してくれたし。
テレシアも訓練に行き詰まったら俺が考えつかないようなアイデアを出したりしてくれた。
ただしカレン、お前はダメだ。
お前のせいで俺は何度アナベルに怒られたことか。
勝手に俺の部屋に忍び込んで一緒に寝やがるから、変な勘違いされるし、オルガに無言の腹パン喰らわされるし散々な目にしか遭っていない。
まあ世話になってた部分はあったから……ギリプラス。
と、勝手に評価してみたけど、何か申し訳なくなった。
俺、人のことを評価できるほど、いい人間じゃないしな。顔は平均ぐらいだし、身体能力も高くない。
それに友達もいない。うん、いいとこ無いな。
俺は自分のことを思い返して、少し悲しくなった。
「……で? さっきから何でノエルは黙ってるんだ?」
「……な、何でもないですけど? そ、それより第一部隊の隊長は序列一位って話を聞いたことがあるような、ないような……あれ?」
……何かノエルの様子が変なんだけど。
ノエルってこんなキャラだったっけ?
そう疑問に思ったが、俺は何も見てないことにした。
また変に自爆されて帰るなんて言われたら嫌だし。
うん。そっとしておこう。
そんなこんなで妙に居心地の悪い無言が続くことになって……。
しばらく歩いた頃、
「つ、着きましたよアルトさん。ここがアルトリア騎士団の新・宿舎の一つ、第一部隊専用のホームです」
俺の目の前に大きくて立派な教会が建っていた。
「ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
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