ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜
33話 冒険者ギルドにて情報屋と再会しました
カインとの決着をつけた俺はロンドに戻った。
ようやく清々しい思いでかつての拠点を堪能できるようにはなったが、まだ俺にはやることがある。
ロンドの門を出ると草原が広がっているのだが、そこに全裸のカインを置いてきたのだ。
だから兵士に変態がいると通報しなければならない。
これを済ませたらやっと街の人たちや冒険者ギルドの職員に顔合わせできるってものだ。
まあどんな顔をして会えばいいのか分からないが、それでも一度顔を見たい、声を聞いておきたい。
それを楽しみにしながら俺は兵士と話をつけた。
どうやら街中に多かった兵士は脱獄したカインたちを探していたらしい。
俺たちが探していた三人組とは別件だった。
まあその三人組は恐らくカインたちのことだったのだろう。つまりとんだ無駄足だったということだ。
俺はカインたちに本当の意味で決別できたからよかったが、アナベルたちからしてみれば無意味もいいところ。
さて、このことをどう話をすればいいのか。
そんなことを考えながらロンドの街を行き、冒険者ギルドに戻ってきた。
アナベルたちが移動していなければここにいるはずだろう。
それに、多分だけどミストもいる。
俺にはそんな気がしてならない。
もしそうなら気をつけないとな。
ミストはすぐに意識の外側から抱きついてくるから。
……嫌な気はしないけど。
そう思ってしまうことに苦笑しながら、俺は本日二度目の冒険者ギルドに足を踏み入れた。
すると、予想していた通りのことが起きる。
「ア・ル・ト・きゅ~んっ! 会いたかったよぉ~っ!」
意識外からの奇襲という名のハグ、または抱擁。
そしていつものように顔を擦りつけてくる。
ミストは猫獣人だからな。猫獣人は心を許している相手には顔を擦り付け、マーキングするのが挨拶らしい。
本当かどうかは定かじゃないけど……。
だって俺以外にしているところ見たことがない。
まあミストの言っていることが本当なら信頼してくれているってことだろう。
というのはさておき。
俺は猫の首を掴むようにミストを引き離した。
「相変わらずだな、ミストは」
「ボクはボクのままだからね。アルトきゅんは……少し太ったかな?」
「マジ?」
「少しお腹がぷにってるだけだよ。でもボク的にはもう少し太ってもらった方が好みかな~」
「どうせその方が抱きつきがいがあるとかそんな理由だろ? お前の魂胆は見え見えだ」
「キャ~! アルトきゅんったらボクのこと好きすぎ~!」
……意味が分からない。
魂胆見え見えからどういう思考をすれば、俺がミストを好いていることになるんだ。
でもよかった。ミストはミストのままだ。何も変わってない。
だから安心した。俺は嫌われてもおかしくないことをミストにしてしまったからな。
ほんと、黙っていなくなったことに怒ってなくてよかった。
引きこもるようになってからもこのことだけは気がかりだったのだ。
「ごめんなミスト。何も言わずにいなくなってしまって……。冒険者を辞める前に言いに行けばよかったよ」
「ううん、ボクの方こそアルトきゅんに謝らないといけないんだ」
ん? どうしてミストが謝る必要があるんだろう?
俺は疑問に思っていると、ミストがその答えを口にする。
「ボクはアルトきゅんがパーティーから追放されることを前もって知ってた。でも、ボクはアルトきゅんに言えなかった。もし、ボクがあのとき追放されることを言ってたら、アルトきゅんは勇者にならなくてもよかったかもしれない。ボクはアルトきゅんに取り返しのつかないことをしてしまった。ボクはどうアルトきゅんに償いをしたらいいのか、分からない……」
そっか。ミストが知らないわけがないもんな。
ミストの情報収集能力は異常だ。まだ表に出ていないような情報さえも手に入れる。
だが、取り返しのつかないこととは何だ?
どうしてミストが俺に償おうとする?
追放されたことに関して、ミストはまったくの無関係なのに。
だから、
「じゃあお互い謝ることがあったってことで。この話はもう終わりな」
無理やり話を終わらせようとした。
だが、ミストはそれを良しとしなかった。
「ダメだ! ダメなんだ……ボクは頭を下げたぐらいじゃ許されないことをしてしまったんだ……!」
「どうしたんだよミスト。さっきから……」
「アルトきゅん、心して聞いてほしい」
そう言うミストの表情は真剣そのものだ。
どうやら彼女はとんでもない情報を掴んでいるらしい。それが俺には分かった。
そしてそれは俺に関わりのあることなのだろう。
「分かった」
俺は頷いてミストの続きの言葉を待つ。
そしてミストは告げた。
「今から66時間後にアルトリア王国の王都――ベルゼルグは壊滅する」
――と。
ようやく清々しい思いでかつての拠点を堪能できるようにはなったが、まだ俺にはやることがある。
ロンドの門を出ると草原が広がっているのだが、そこに全裸のカインを置いてきたのだ。
だから兵士に変態がいると通報しなければならない。
これを済ませたらやっと街の人たちや冒険者ギルドの職員に顔合わせできるってものだ。
まあどんな顔をして会えばいいのか分からないが、それでも一度顔を見たい、声を聞いておきたい。
それを楽しみにしながら俺は兵士と話をつけた。
どうやら街中に多かった兵士は脱獄したカインたちを探していたらしい。
俺たちが探していた三人組とは別件だった。
まあその三人組は恐らくカインたちのことだったのだろう。つまりとんだ無駄足だったということだ。
俺はカインたちに本当の意味で決別できたからよかったが、アナベルたちからしてみれば無意味もいいところ。
さて、このことをどう話をすればいいのか。
そんなことを考えながらロンドの街を行き、冒険者ギルドに戻ってきた。
アナベルたちが移動していなければここにいるはずだろう。
それに、多分だけどミストもいる。
俺にはそんな気がしてならない。
もしそうなら気をつけないとな。
ミストはすぐに意識の外側から抱きついてくるから。
……嫌な気はしないけど。
そう思ってしまうことに苦笑しながら、俺は本日二度目の冒険者ギルドに足を踏み入れた。
すると、予想していた通りのことが起きる。
「ア・ル・ト・きゅ~んっ! 会いたかったよぉ~っ!」
意識外からの奇襲という名のハグ、または抱擁。
そしていつものように顔を擦りつけてくる。
ミストは猫獣人だからな。猫獣人は心を許している相手には顔を擦り付け、マーキングするのが挨拶らしい。
本当かどうかは定かじゃないけど……。
だって俺以外にしているところ見たことがない。
まあミストの言っていることが本当なら信頼してくれているってことだろう。
というのはさておき。
俺は猫の首を掴むようにミストを引き離した。
「相変わらずだな、ミストは」
「ボクはボクのままだからね。アルトきゅんは……少し太ったかな?」
「マジ?」
「少しお腹がぷにってるだけだよ。でもボク的にはもう少し太ってもらった方が好みかな~」
「どうせその方が抱きつきがいがあるとかそんな理由だろ? お前の魂胆は見え見えだ」
「キャ~! アルトきゅんったらボクのこと好きすぎ~!」
……意味が分からない。
魂胆見え見えからどういう思考をすれば、俺がミストを好いていることになるんだ。
でもよかった。ミストはミストのままだ。何も変わってない。
だから安心した。俺は嫌われてもおかしくないことをミストにしてしまったからな。
ほんと、黙っていなくなったことに怒ってなくてよかった。
引きこもるようになってからもこのことだけは気がかりだったのだ。
「ごめんなミスト。何も言わずにいなくなってしまって……。冒険者を辞める前に言いに行けばよかったよ」
「ううん、ボクの方こそアルトきゅんに謝らないといけないんだ」
ん? どうしてミストが謝る必要があるんだろう?
俺は疑問に思っていると、ミストがその答えを口にする。
「ボクはアルトきゅんがパーティーから追放されることを前もって知ってた。でも、ボクはアルトきゅんに言えなかった。もし、ボクがあのとき追放されることを言ってたら、アルトきゅんは勇者にならなくてもよかったかもしれない。ボクはアルトきゅんに取り返しのつかないことをしてしまった。ボクはどうアルトきゅんに償いをしたらいいのか、分からない……」
そっか。ミストが知らないわけがないもんな。
ミストの情報収集能力は異常だ。まだ表に出ていないような情報さえも手に入れる。
だが、取り返しのつかないこととは何だ?
どうしてミストが俺に償おうとする?
追放されたことに関して、ミストはまったくの無関係なのに。
だから、
「じゃあお互い謝ることがあったってことで。この話はもう終わりな」
無理やり話を終わらせようとした。
だが、ミストはそれを良しとしなかった。
「ダメだ! ダメなんだ……ボクは頭を下げたぐらいじゃ許されないことをしてしまったんだ……!」
「どうしたんだよミスト。さっきから……」
「アルトきゅん、心して聞いてほしい」
そう言うミストの表情は真剣そのものだ。
どうやら彼女はとんでもない情報を掴んでいるらしい。それが俺には分かった。
そしてそれは俺に関わりのあることなのだろう。
「分かった」
俺は頷いてミストの続きの言葉を待つ。
そしてミストは告げた。
「今から66時間後にアルトリア王国の王都――ベルゼルグは壊滅する」
――と。
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