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ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜

霜月琥珀

29話 元仲間たちと戦うことになりました その1

 俺は一瞬カインが何を言ったのか理解できなかった。

 だが、それを体で理解する。

 カインは本気で俺を半殺しにしようとしているらしい。何の迷いもなく斬りつけてきた。

「――――ッ」

 しかし、ここで暴れたら関係のない人たちまで巻き込んでしまうだろう。

 俺はカインの攻撃をスライムで受け止めた。

 チッ、攻撃が早い。

 こいつも俺と同じように強くなっている。

 オルガとの訓練でスライムを生産する速度を上げていなければ、もう俺は一太刀浴びていた。

「?」

 ここで俺は一つ疑問に思った。

 俺の知っているカインなら、攻撃を真っ正面で受け止められたら喚くはずなのだ。

 しかし、そうしなかった理由を今、悟った。

「――死ね」

 そう言うと、カインの剣が猛々しく燃え上がる。

 まさかこれは――魔剣か!?

 俺の知るカインはそんな高価な武器を持っていなかった。

 一体、どこで手に入れた……?

 いや、今はそれを考える時間すら惜しい。
 流石に強化されたスライムでも、魔剣による攻撃を長時間防ぎ切ることはできないみたいだ。
 強化したとは言っても、少し魔法を吸収する速度が早くなったに過ぎない。

 クソッ。仕方ない。

 これは奥の手に取っておきたかったのだが……。

「――#暴食__グラトニー__#ッ!」

 俺はスライムに魔力を注ぎ込む。するとスライムは禍々しいオーラを放ち始め、青黒く変色した。

 俺はこの状態のスライムをグラトニーと名付けた。
 グラトニーは暴食という意味があり、この状態のスライムは文字通り何でも食べてしまう。

 そう、暴食の名に恥じないようにな。

 もはやこのスライムには魔法攻撃は効かない。あらゆる攻撃を喰らい尽くしてしまうからだ。

 それは魔力を帯びた魔剣と言えども例外ではない。
 たった一瞬で魔剣はこの世から消え去った。

「は?」

 ここにきて初めてカインの表情が歪む。

 そこで俺は一つ、カインに提案する。

「なあカイン。こんな狭いところだとお前は本気を出せない。だってそうだろう? お前の攻撃は辺り一帯を吹き飛ばしてしまうぐらい、威力が高いんだからな。俺がさっき魔剣の攻撃を止められたのは、お前が手加減していたからなんだよ。だから、広い場所で戦おう。そうすればお前は本気を出すことができる」

 勿論、全くそんなことは思っていない。

 さっきの攻撃でカインの底は知れた。

 こいつは俺に勝つことはできない。それどころか攻撃を当てることすら難しいだろう。

 だが、ここは冒険者ギルドの中。
 こんな場所で戦ったらギルド職員に被害が及んでしまうかもしれない。

 だから俺はカインのご機嫌を取って、戦う場所の変更を提案したのだ。

「クッ。クハハハハッ! よく分かってるじゃないか! 流石は無能のアルトだ! 俺の凄さが身に染みているらしい。魔剣が消えてしまったのも俺が不良品を掴まされていただけだろうな」

 煽ててやっただけなのに気分を良くするカイン。
 こいつってこんなにアホだったかな。
 物事を自分の都合よく考えすぎだ。

 俺は内心で小馬鹿にしながら話を続ける。

「それで、場所は移動するのか?」
「ああ。こんな狭い場所じゃあ本気は出せねぇしな。それに、シオンもリリアも魔法を撃てない」
「そうか。ならいい」

 カインの奴、シオンとリリアも戦わせる気らしいな。

 まあ、あいつらにも仕返ししたかったところだ。
 それに一人を相手にするのも、三人を相手にするのも大して変わらないだろう。

 確かにシオンは魔法の適性が高く、高威力の魔法を撃つことができるが、今の俺には通用しない。
 リリアの奴は主にサポートに特化していて、恐らくカインに攻撃力を増加させるバフを使ってくるだろう。

 勿論、これも無意味だ。

 だが、油断はしない。あいつらは腐ってもSランクの冒険者だからな。

「それじゃあアルト、こっちに来い」
「何でだ?」
「なに、不意打ちしようというわけじゃない。広い場所に転移するからせっかくと思ってな」
「気が利くじゃないか」
「だがその代わり、後ろの女どもを連れて行くのは無しだ。これは俺たちの問題だからな」

 ふむ。これには同意見だな。

 これは俺とカインたちの問題だ。
 アナベルやノエルたちの手をわずらわせたくない。
 それにオルガが参加したら一瞬で勝負がついてしまうだろうしな。

 つまるところ、これは情けだ。
 これだけ調子に乗っている奴らが、一方的にボコられるのは流石に可哀想だからな。

 俺は後ろに振り返る。

「みんな、行ってくるよ。すぐに帰ってくるから心配しなくてもいいよ」

 そう言って、返事も待たずにカインたちの元へ。

 そして。

「――ワープ・ゲート!」

 シオンの詠唱とともに、視界が白に染まった。

「ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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