ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜
27話 冒険者だった頃の拠点に到着しました
空を見上げてみると太陽が若干東に傾いている。
つまりは昼過ぎだ。
本当は昼ご飯を食べたい時間帯だが、俺たちは任務中。悠長にご飯を食べている時間はない。
しかし、腹が空いては何とやら。
俺は屋台で売られている肉の串焼きやハム・チーズが挟まれているサンドイッチを買い食いしつつ街を散策する。
ちなみにアナベルもお腹が空いているのか、食べ物を買っては食べ、買っては食べを繰り返していた。
わざわざ立ち止まらなくてもいいのに……。
そういうわけで、辺りをじっくり観察する時間ができたのだが、早くも俺の中で引っかかることがあった。
「何か兵士の数が多くないか? 数ヶ月前はこんなにいなかったはずだけど」
「確かに多いな。何かあったのだろうか?」
「兵士たちも例の三人組を探しているんじゃないか?」
「確かにその可能性はある。しかし協力はしない。シャルロッテ様からは内密にと言われているのだ」
「もしかして他の勇者たちに手柄を奪われないようにするためか?」
「恐らくそうだろう。国民のためを思うと強力した方がいいのだが……」
アナベルはそう言って、肩をすくめた。
正直、俺もアナベルと同意見だ。絶対に力を合わせて解決した方がいいに決まっている。
だから。
「話ぐらいは聞いてもいいんじゃないか?」
と提案してみたが案の定、却下された。
正義感の強いアナベルでも、主君の命令には逆らえないということか。
なら。
「兵士以外はどうだ?」
「兵士以外……?」
「ああ。兵士以外ならまず国と関わっているような奴ではない限り、他の勇者たちの耳には入らないだろ?」
「確かにその通りかもしれない。だが、三人組の情報を知る一般人などそうはいないだろう」
それに関してはアナベルの言う通りだ。
兵士でも見つけられない奴らの情報を一般人が掴んでいるわけがない。
だが。
「俺に心当たりがある。この街の情報ならあいつが一番知っているはずだ」
「ほう? 言ってみてくれ」
「そいつの名前はミスト。情報屋という二つ名で冒険者の間では広まっていて――」
その後も俺はアナベルにミストのことをこと細かに話した。
まずミストはあらゆる情報を集めることを生業としている変わった冒険者だが、ランクはSと超一級。
しかし彼女は隠密に長けているがゆえに攻撃力に乏しく決定打を持っていない。
だが、彼女を一度見失ったら一貫の終わりだ。自身の特技を活かして一方的に攻撃され続ける。
それだけじゃない。
機動性も抜群で、特にヒット&アウェイで繰り出される神速の攻撃は目で追うことができないほど。
しかしそれだけの力を持っていながら、俺を馬鹿にはしなかった。
むしろ、【魔物生産】の可能性を信じてくれた人の一人だ。
まあ、ミストにお別れも言わずに消えてしまったから嫌われたかもしれないけど。
といってもミストは情報屋だ。お金を渡せば情報を教えてくれるだろう。
「それでそのミストとやらはどこにいるのだ?」
「さあ?」
「まさか知らないのか?」
「うん。知らない。というか分からない。でも」
あいつなら必ずあそこに現れる。
俺がそこに向かったという情報を聞きつければな。
だから。
「冒険者ギルドに向かおう。そいつはそこに現れるはずだ」
「分かった。手がかりが無くては探せるものも探せないからな」
こうして俺はアナベルに許可をもらい、かつての職場である冒険者ギルドへ向かうことになった。
――元気にしているだろうか。
俺を嘲笑った最低最悪の冒険者たちは……。
「ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
追放《クビ》から始まる吸血ライフ!~剣も支援も全てが中途半端なコウモリヤローとクビにされたが、実際は底の見えない神スキルだった件~
-
9
-
-
元SSSランク冒険者だった咎人は脱走して人生をやり直す! ~幽閉された10年で鍛えた魔力は最強魔導士に~ 若返った俺を捕まえようとしてももう遅い!
-
22
-
-
え? パーティに支援魔法をかけまくっていた俺を追放? 〜若くてかわいい有望パーティに拾われたので、今さら戻ってこいと言われても、もう遅い〜
-
12
-
-
風使い練成術師、防御重視は時代遅れとパーティ追放(10か月ぶり9度目)される~路頭に迷いかけたけど、最強火力をもつ魔女にスカウトされた。守備が崩壊したと言われてももう遅い。今は最高の相棒がいるので~
-
5
-
-
【完結】努力の怪物が指パッチンを極めたら世界最強に〜スキル【収納】の発動を指パッチンに″限定″したら無限の可能性が待っていた〜
-
9
-
-
雷霆の英雄と聖王子 〜謀略により追放された口下手な雷は、家族思いで不器用な王子を影から助ける〜
-
6
-
-
転生したから田舎でまったりしよう!
-
12
-
-
勇者パーティーから追放された召喚士~2000年間攻略されなかったダンジョンを攻略して、伝説の武器や生き物と契約して楽しくやってます。懇願してもパーティには戻りません
-
14
-
-
無能と呼ばれパーティーを追放された俺だが、「無能とはいったい何のことですか?」 俺は、精霊たちの力を使い無双し自分だけのハーレムを作り上げる!
-
8
-
-
異世界で魔王の配下になった件
-
17
-
-
【完結】平凡クラス【槍使い】だった俺は、深海20,000mの世界で鍛えまくって異世界無双する
-
13
-
-
【完結】ロリコンなせいで追放された魔術師、可愛い愛弟子をとって隣国で自由気ままに成りあがるスローライフ!
-
15
-
-
パーティー追放された者同士で組んだら、全員魔剣士だったけど割と万能で強かった件
-
26
-
-
勇者の出番ねぇからっ!!~異世界転生するけど俺は脇役と言われました~
-
36
-
-
勇者として神からもらった武器が傘だった俺は一人追い出された。えっ?なにこの傘軽く見積もって最高じゃん
-
15
-
-
太陽の申し子〜竜に選ばれた少年の旅物語〜
-
17
-
-
みんな大好き10連ガチャ!だけど・・・・どうやってそのアイテム用意してるか知ってる?
-
20
-
-
全ての魔法を極めた勇者が魔王学園の保健室で働くワケ
-
29
-
-
3Rの魔法師〜魔力零の異端児は今日も誰かの魔力を糧にする〜
-
17
-
-
受験生でしたが転生したので異世界で念願の教師やります -B級教師はS級生徒に囲まれて努力の成果を見せつける-
-
7
-
コメント