ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜
26話 聖剣について話すことにしました
「えっ、知らないの?」
「ああ、知らない。というのも聖剣は使用者によって能力が変化するらしいのだ。だから聖剣の能力を知るには使っていくほかないな」
「なら別に知らないままでいいや。一つだけ能力に心当たりはあるし、それだけあれば他の能力はいらないような気もするし」
「アルトがそう言うのならそれで構わない。個人的にあまり聖剣は好ましくないのでな。それで? その心当たりのある能力って?」
「ああ、それはな……」
俺はアナベルに一週間以上前のできごとであるオルガ戦で起きたことを話した。
そうあれは……セイント・メテオレインを使用したときのこと。
あのとき俺は確かにほぼ全ての魔力を使い切ったはずだったのに、魔力が大幅に回復していた。
それも少ない量じゃない。結構な魔力がかなりの速度で回復していったのを覚えている。
当時はオルガとの戦闘が優先だったから深くは考えなかったが、魔力が回復したのは聖剣を装備していたからではないかと俺は考えている。
しかし、聖剣が回復させる魔力は微々たるものだと推測する。
聖剣とはいってもそこまで強力な魔力回復能力を有しているとは思えないからだ。
なら何故、急速に魔力が回復したのか。
という話だが、俺は千を超えるスライムにも聖剣を複製して装備させていたのが原因だろう。
「なるほど。そんなことが起きていたのか。魔力欠乏症を一瞬で治すほどの魔力回復か……。恐ろしいな」
「まあ俺の見立てが正しければ、スライムにも装備させないといけないから、あまり使い勝手はよくないな」
「ふむ……そうみたいだな」
「で? 聖剣を好ましくないと言っていたがそれはどういう意味だ?」
俺は疑問に思ったので聞いてみた。
すると。
「私も気になります」
ノエルも追随してきた。
やっぱり気になるよな。
聖剣に対して好ましく思わないのは、何かしらの重要な何かがあるからだろう。
俺はアナベルが応えてくれるのを待つ。
「……そうだな。いずれ話さなければならないことだ。ここで話しても問題はないだろう」
「やっぱり何かあるのか?」
「あるにはある。だがそうであると確証はない。だから今は知っているだけでいい」
「分かった」
「これはシャルロッテ様が言っていたことなのだが……どうやらこの世に聖剣は三本あるらしい。それに伴い勇者も三人いるということになる。だが、いつの世も語り継がれるのは一人だけ。この意味が二人には分かるか?」
そう真剣な表情でアナベルは問うてきた。
俺は何となく分かったような気がする。
アナベルの隣に座るノエルは首を傾げていたが。
つまり、アナベルが何を言いたいのか。
それは。
「語り継がれる勇者以外は殺される……ってことか? たしか英雄譚でも似たような感じの話が書かれていたな」
「ああ、その通りだ。英雄譚の主人公として描かれる勇者以外は作中で殺された。反逆者としてな」
「でも、あれは作り話のはずだろ?」
「アルトリア王国。この国名に見覚えは?」
「……ある! 英雄譚の主な舞台がその名前だった……!
「なら、もう分かるだろう」
「まさか、俺たちは英雄譚のシナリオをなぞっている?」
だとすれば、分かった。分かったぞ!
シャロの話を聞いたときからおかしいと思っていた。
魔法陣を対処するためだけに勇者を探すなんてって。
あのときから何かほかの目的があるのではないかと思っていたが、まさか英雄譚に答えがあったとは……!
でも、もしそれが本当なのだとしたら、勇者は次期国王の後継者の道具ということになる。
それは英雄譚でもそうだった。
確かに英雄譚の主人公は勇者だが、もう一人だけ重要人物がいる。
次期国王の後継者だ。
英雄譚は勇者の視点で描かれてはいるが、その中身は国王になりたい後継者の足の引っ張りあいがほとんどだ。
著者によって上手い具合に編集されて、勇者の英雄譚に落とし込まれてはいたが……。
「え? じゃあ俺殺されるの?」
他人事のように考えていたが、俺がその勇者だった。
だが、アナベルがとても力強いことを言ってくれる。
「安心してもらっていい。キミは殺されない。私がキミを守る――騎士として。それにシャルロッテ様はここで終わらせるおつもりだ」
「どういうこと?」
「勇者の英雄譚はキミで完結させるということだ」
「へぇ……」
あまり期待しないでおこう。
シャルロッテは信用できないし。
……はぁ。これからどうなるんだろう……。
俺は心の中で溜め息を吐いて、馬車に揺られるのだった。
俺ってばほんとにツイてない……。
「ああ、知らない。というのも聖剣は使用者によって能力が変化するらしいのだ。だから聖剣の能力を知るには使っていくほかないな」
「なら別に知らないままでいいや。一つだけ能力に心当たりはあるし、それだけあれば他の能力はいらないような気もするし」
「アルトがそう言うのならそれで構わない。個人的にあまり聖剣は好ましくないのでな。それで? その心当たりのある能力って?」
「ああ、それはな……」
俺はアナベルに一週間以上前のできごとであるオルガ戦で起きたことを話した。
そうあれは……セイント・メテオレインを使用したときのこと。
あのとき俺は確かにほぼ全ての魔力を使い切ったはずだったのに、魔力が大幅に回復していた。
それも少ない量じゃない。結構な魔力がかなりの速度で回復していったのを覚えている。
当時はオルガとの戦闘が優先だったから深くは考えなかったが、魔力が回復したのは聖剣を装備していたからではないかと俺は考えている。
しかし、聖剣が回復させる魔力は微々たるものだと推測する。
聖剣とはいってもそこまで強力な魔力回復能力を有しているとは思えないからだ。
なら何故、急速に魔力が回復したのか。
という話だが、俺は千を超えるスライムにも聖剣を複製して装備させていたのが原因だろう。
「なるほど。そんなことが起きていたのか。魔力欠乏症を一瞬で治すほどの魔力回復か……。恐ろしいな」
「まあ俺の見立てが正しければ、スライムにも装備させないといけないから、あまり使い勝手はよくないな」
「ふむ……そうみたいだな」
「で? 聖剣を好ましくないと言っていたがそれはどういう意味だ?」
俺は疑問に思ったので聞いてみた。
すると。
「私も気になります」
ノエルも追随してきた。
やっぱり気になるよな。
聖剣に対して好ましく思わないのは、何かしらの重要な何かがあるからだろう。
俺はアナベルが応えてくれるのを待つ。
「……そうだな。いずれ話さなければならないことだ。ここで話しても問題はないだろう」
「やっぱり何かあるのか?」
「あるにはある。だがそうであると確証はない。だから今は知っているだけでいい」
「分かった」
「これはシャルロッテ様が言っていたことなのだが……どうやらこの世に聖剣は三本あるらしい。それに伴い勇者も三人いるということになる。だが、いつの世も語り継がれるのは一人だけ。この意味が二人には分かるか?」
そう真剣な表情でアナベルは問うてきた。
俺は何となく分かったような気がする。
アナベルの隣に座るノエルは首を傾げていたが。
つまり、アナベルが何を言いたいのか。
それは。
「語り継がれる勇者以外は殺される……ってことか? たしか英雄譚でも似たような感じの話が書かれていたな」
「ああ、その通りだ。英雄譚の主人公として描かれる勇者以外は作中で殺された。反逆者としてな」
「でも、あれは作り話のはずだろ?」
「アルトリア王国。この国名に見覚えは?」
「……ある! 英雄譚の主な舞台がその名前だった……!
「なら、もう分かるだろう」
「まさか、俺たちは英雄譚のシナリオをなぞっている?」
だとすれば、分かった。分かったぞ!
シャロの話を聞いたときからおかしいと思っていた。
魔法陣を対処するためだけに勇者を探すなんてって。
あのときから何かほかの目的があるのではないかと思っていたが、まさか英雄譚に答えがあったとは……!
でも、もしそれが本当なのだとしたら、勇者は次期国王の後継者の道具ということになる。
それは英雄譚でもそうだった。
確かに英雄譚の主人公は勇者だが、もう一人だけ重要人物がいる。
次期国王の後継者だ。
英雄譚は勇者の視点で描かれてはいるが、その中身は国王になりたい後継者の足の引っ張りあいがほとんどだ。
著者によって上手い具合に編集されて、勇者の英雄譚に落とし込まれてはいたが……。
「え? じゃあ俺殺されるの?」
他人事のように考えていたが、俺がその勇者だった。
だが、アナベルがとても力強いことを言ってくれる。
「安心してもらっていい。キミは殺されない。私がキミを守る――騎士として。それにシャルロッテ様はここで終わらせるおつもりだ」
「どういうこと?」
「勇者の英雄譚はキミで完結させるということだ」
「へぇ……」
あまり期待しないでおこう。
シャルロッテは信用できないし。
……はぁ。これからどうなるんだろう……。
俺は心の中で溜め息を吐いて、馬車に揺られるのだった。
俺ってばほんとにツイてない……。
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