ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜
25話 初めての任務に行くことになりました
というのもこの二日間、ずっとバタバタしていた。アナベルが受けてきた任務のせいだ。
その任務がどういったものなのかというと。
怪しげな行動を取る三人組がロンドという街で確認できたから捕らえろ……というもの。
実にシンプルな任務ではあるのだが、シャルロッテの見立てではその三人組というのが各地で散見されている魔法陣を設置している奴らである可能性があるとのこと。
そう見立てた理由として三人のうち二人からかなりの魔力反応があったからだそうだ。
ふざけるな。そんなしょうもない理由だけで任務を出すな。アナベルもまったく確証のない依頼を受けるな。
そのせいで俺たちはこの二日間、ずっと準備に追われる羽目になったんだから。
反省しろ、マジで。
本当この二日間は大変だった……。
もし万が一にそいつらと敵対することになった場合のことを考えて、急ピッチで新必殺技の開発を進めることになったのだ。
結局、完成に至ることななかったが、副産物として面白い収穫があったからプラマイ0と言ったところか。
後はノエルの魔道具を王都中からかき集めて、一つずつ効果を試していたぐらいか。
これがまあとてつもない時間を要した。
一つ一つの魔道具の能力とか効果を覚えておかなきゃいけなかったし、頭が疲れすぎた。
本当はノエルの魔法の特訓もしたかったが、流石にそこまで早く習得できるものじゃない。
何とか魔力を使う……ぐらいのことはできるようにはなったけど……。
ノエルが魔法を使えるようになるにはまだまだ時間を要するみたいだな。
……とまあこれが休む時間もなかった二日間の話。
そして現在、俺たちは馬車でロンドに向かっている。
といっても王都ベルゼルグへ移動しているときみたいなワクワク感はない。
別に新天地というわけでもないからな。
というのもロンドは冒険者時代に拠点としていた街。
かれこれ二年ぐらいはいたんじゃないだろうか。
まあカインにパーティーを追い出されて泣く泣くロンドを出たわけだけど……今回、その街に任務で訪れるというのだから不思議な気持ちにもなった。
もし任務が無くても一度行こうとは思っていたけどな。
そういえばこの馬車で移動する感覚、アナベルとノエルに出会った日のことを思い出す。
あれももう……二週間も前のことになるのか。
時が経つのも早いものだな。
あの日、もしアナベルたちと出会わなければ、俺はまだ家に引きこもっていた。
本当にあの一日が、俺の運命を大きく変えた。
それがいいか悪いかはさておき、な。
しかし、どうやらそれはアナベルも思っていたようで。
「私とノエル、そしてアルトの三人でまたこうやって馬車に乗れていることに、とても幸せを感じている。正直に言うと、アルトがいなければ今みたいに皆と笑い合っている日常は訪れていなかっただろう。だからアルト。キミが私たちの勇者でよかった。本当にありがとう」
謎に感謝を述べられてしまった。
や、やめろよな。恥ずかしくなるだろ。
俺、別に何もしてないし。
初めからアナベルたちの仲は悪くなかった。
あ、オルガは別な。
まあでも、仲は深まったのかもしれない。
ノエルがみんなに頼るようになったし、よく話しかけているのを見かけるようなったからな。
そもそもの話。
「アナベルがノエルのことをもっと気にかけていれば、俺がいなくても今みたいな騎士団にはなれてたはずだが? お前はもっと団員のことを見ろよな。それがリーダーであるお前の責務だろ」
「……ぐっ。それを言われてしまうと何も言えなくなるな。私は隊長失格だ」
アナベルはガックリと肩を落として、あからさまに落ち込む態度を見せた。
まあアナベルもノエルの抱えている悩みには気付いていたとは思う。ただ、言い出せなかっただけだろう。
あれはそれぐらいデリケートな問題だった。
正直、仲間に頼るという形でノエルが立ち直ってくれたからよかったものの、下手すれば関係そのものが崩壊していてもおかしくはなかった。
我ながらとんでもない賭けをしたものだ。
と、ノエルに視線を向けたのだが、どうやらノエルも俺を見ていたようで目が合った。
……のは束の間、すぐに逸らされてしまう。
「何だよノエル」
「な、何でもないです」
うん、絶対何かあるな。はぐらかすの下手すぎるだろ。
別に詮索するつもりはないけど……。
あ、そういえば。
「これずっと聞くの忘れてたんだけどさ、聖剣ってどんな能力があるの?」
ふと思い出したことをアナベルに聞いてみた。
今後、聖剣を戦闘に使っていくかは分からないが、何も知らないよりは知っておいた方がいいだろう。
便利な能力があったりするかもしれないし。
そう思っていたのだが。
「私は何も知らないぞ?」
と、まさかの返答が返ってきた。
「ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
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