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ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜

霜月琥珀

21話 元仲間の『今』を聞きました

 新しい必殺技の開発に取り掛かってから、早くも一週間が経過していた。
 しかしなかなかイメージしている形にはならず、時間だけが過ぎていっている。

 ただ、魔力制御の方は順調である。
 今まで見よう見真似で魔法を使ってきていたが、やはり誰かに教えられると上達が早い。

 というより、オルガの教え方が上手いのかな?

 そして、他の騎士団員たちもそれなりに戦えるようになり始めた。
 まだスライムに押し負けてはいるものの、見違えるように成長している。

 だが、全員が全員うまくいっているわけじゃない。
 みんなが成長していっていることに焦りを感じ始めたのか、動きが悪くなる一方な奴もいた。

 ――ノエルだ。

 あいつは元々、俺と同じように戦闘の才能がない。
 ただ努力の才能は俺よりあった。だから訓練を始めたばかりの頃は、まだ少し劣っていた程度だった。
 だがどれだけ努力の才能があっても、戦闘の才能があるみんなより成長速度が著しく遅い。

 ノエルには別の訓練方法を教えてあげた方がいいんじゃないかと、俺は思い始めている。
 まあそれを決めるのはあくまでもノエルだ。
 そして、そのことをノエルに進言するのはリーダーであるアナベル。

 俺の出る幕じゃない。

 とはいっても相談ぐらいには乗ってあげるべきかなと思い始めた頃、珍しい人が俺の部屋を訪ねてきた。

 ――シャロだ。

 シャロとはあれ以来会っていなかったため、一週間ぶりに顔を合わせたことになる。

 だがおかしいな。

 旧・宿舎に俺の部屋が用意されてからまだ数日しか経っていないのに、どうやって見つけ出した。

 それに何で深夜。夜這いでも仕掛けに来たのか?

 ……ないな。そもそもシャロは人間じゃない。

 それなら何の用だろうか。まだ他に話さなければならないことがあったのか?
 いや、本物のシャルロッテとの面会が無くなってからというもの、何の連絡もないみたいだった。

 まさか、俺と話したいがために来てくれたというのか? 

 もしそうだったら何て可愛い奴め。
 撫で撫でしてやりたい。
 
 そう一人で思っていると、シャロはズカズカと俺の部屋に入ってきて、椅子に座るのだった。

 そして。

「お久しぶりです、マスター」

 いきなり会話を始めてきた。

「あぁ、久しぶりだな。シャロは元気にしていたか?」
「はい。私はいつでも元気です」
「そうか。……それで? 急に押しかけてきてどうしたんだ? 何かあったのか?」
「いいえ。取り急ぎお伝えしなければならないことはありません。ただ……」
「ただ? どうしたんだよ」
「マスターについて調べている途中で面白いことを聞いたので、それを話そうと思いまして」

 ……え? シャロってば俺について調べてるの? 何か気恥ずかしいな。
 別に知られちゃいけない秘密なんてないから自由に調べてもらって構わないけど。

 しかし、面白いこととは何だろう。
 俺は気になったので、話の続きを促した。

「マスターは数ヶ月前――正確には五ヶ月と十八日前まで、とあるSランクパーティーに所属していたという話を冒険者ギルドの職員に聞きました。それは本当のことですか?」
「あぁ。まあ……ずっと底辺のFランクだったけどな。だから俺は――」
「――パーティーから追放された。ですよね、マスター」
「あ、あぁ……」

 もしかして面白い話って俺が友達だと思っていたカインにパーティーから追放されたって話?
 だったら嫌だな。このことはあまり蒸し返してほしくない話だから。

 そう思っていたのだが。

「ここからが本題なのですが、マスターを追放したカイン、並びに他二名は――どうやらかなりマズイ状況に陥っているようなのです」

 どうやら追放された俺の話ではなく、追放した側であるカインとその仲間――シオンとリリアの話がメインのようだった。

 それにしても、マズイ状況に陥ったって何をやらかしたのだろう?

 先が気になるな。

「それで?」
「はい。話を続けます。どうして彼らがマズイ状況に陥ったたのか、ですが。それはマスター、あなたがパーティーからいなくなってしまったことが原因のようです」
「ん? どういうこと?」
「そのことについては一つずつ説明していきますので、少しお待ちください。それでですね、マスター。彼らは街の人たち、そして冒険者ギルドの職員に嫌われていましたか?」
「あー、嫌われてたな。当時は勢いがあったから僻みとか妬みから嫌われてるのかなと思っていたんだけど……。もしかして――」

 俺は何となく察しがついた。
 どうしてあいつらがマズイ状況に陥ったのか。
 だが、それでもあいつらは凄腕の冒険者であることには変わらない。そんな簡単に見捨てられるのだろうか。

 そこは少し疑問だな。

「――はい。マスターの想像している通り、彼らは一目置かれる冒険者になってからというもの、横暴な態度を取り続けていたみたいなのです。それでも彼らがまだマズイ状況に陥っていなかったのはマスターがいたからだとみんなは言っていました」
「そうだったのか……」
「はい。みんな、マスターのことは好きだったみたいです。だからポーションを安くしたり、装備品の修理をなるべく安価で引き受けたりしてくれていたそうですよ」
「……知らなかったな。まさかそんな風に思ってくれていたなんて……」

 少し涙が出そうになってしまった。
 だがシャロの手前、泣くわけにもいかない。
 それに、この話にはまだ続きがあるようだ。

 俺はシャロに話の続きを促す。

「ここから、マスターが追放された後のお話になります。彼らはマスターを追放したその後も、街の人たちやギルドの職員に横暴な態度を取り続けていました。しかし、マスターがいなくなった後のパーティーには存在価値がなく、優しくする理由も無くなってしまいました」
「……それで?」
「それでポーションを定価に戻し、装備品の修理も定価で引き受けるようになったのです。そのことで彼らは怒り狂い、マスターを贔屓目に見ていた街の人たちを襲ってしまいました。なぜ今までの金額でポーションを売らないのか。なぜ今までの代金で装備品を修理しないのかを理由に。しかしどんな理由を並べ立てたとしても人を襲っては犯罪で、彼らは檻の中に入れられました。その結果、冒険者資格を剥奪され、マズイ状況に陥った……というわけです」

 ……なるほど。そんなことがあったのか。

 でも話を聞く限り、あいつらの自業自得だな。街の人たちにもギルド職員にも非はない。

 しばらくは檻の中で反省してもらおう。

 ……そういえば。

「話には出て来なかったけど、俺の後任として入った人はどうなったんだ?」
「……誰のことでしょうか? わたくしが聞いた話にそのような人は出てきませんでした」

 ……ということは、パーティに加入するという話がそもそも無かったのか。
 はたまたパーティーに加入したものの、すぐに辞めてしまったか。

 このうちのどちらかだな。

 何にせよ、あいつらの話が聞けてよかった。何だかんだ気にはなっていたからな。
 まあ、こんな話をされるとは思わなかったけど。

 そう内心一人で苦笑いして。

 俺とシャロはここから数時間にも及ぶ長話に興じるのだった。

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