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ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜

霜月琥珀

15話 女騎士との決闘には決着がつきましたがやり過ぎてました

 しかしこれ、マズくない?

 勝利の余韻に浸る間もなく俺は思った。

 オルガはこれだけタフで強くても女の子だ。
 俺はオルガとの決闘に勝利してそれを証明した。

 そんな彼女の腹部には一生残り続けるかもしれない大火傷ができてしまっていた。
 というよりこれは皮膚が爛れている。しかも爛れた皮膚の奥に白い物が見えてて……もしかしてこれ、肋骨?

 ヤバい……! これはすぐに治療しないと手遅れに……!

 俺はアナベルたちを呼ぼうと振り返ろうとした。

 しかし。

「カレンとシノア。後テレシアはオルガの治療を頼む」

 すでにアナベルたちは駆けつけていた。
 流石は騎士といったところか。やることが早い。

 でも、それではダメだ。
 俺はそのことを訴える。

「俺のことは後回しでいいから、アナベルとノエルもオルガの治療に回ってくれ」

 俺はオルガの治療がすべて終わった後でいい。
 俺には意識があるからだ。まだ耐えようと思えば耐えられるからだ。

 それなのに。

「何を言っているのだ! キミは! どちらかを優先することなどできないだろう。二人とも重傷者なのだからな」
「そうですよ。アルトさんは黙って治療されていてください。それに……」
「オルガはキミが心配するような柔な奴じゃない。オルガと戦ったキミが一番そのことを分かっているはずだろう?」

 ……違う。

 そうじゃない。二人とも何も分かってない。

 確かにオルガは強かった。異常なまでに。今まで出会ってきた冒険者の中でも一番強かった。
 多分、次戦ったら俺は負けてしまうだろう。俺にはあれ以上の攻撃はない。
 しかもまだ未完成で、簡単に避けられてしまうだろうから。

 だが、そんなことは関係ない。

 だってオルガは。

「女の子だから」
「何だ?」
「オルガは女の子だ。そして俺は男。どっちを先に助けるかなんて、言わなくても分かるはずだ」
「だが、オルガは強い。だからキミはこんな無茶をしたのだろう?」
「あぁ、その通りだ。勇敢に戦う騎士だったから半端な戦いはできなかった。でも戦いが終わればオルガは女騎士じゃない。普通の女の子だ。だから先に助けてほしいと言っている」

 俺はそう恥ずかしげもなく言い切った。
 もしこんな危機的状況じゃなければ、赤面ものだ。
 でも、俺は本当にそう思っている。

「そうか。キミから見れば、あのオルガも女の子か。やはり、キミには勇者の素質があるようだな」
「そういうのはいいから、オルガを……」
「大丈夫だ。そう心配しなくてもいい。オルガには傷一つ残らないよう、徹底的に治療するつもりだ」
「だから、アルトさんは安心して眠っていてもらってもいいんですよ」

 そう彼女たちに優しく諭された。

 だからなのか、俺の瞼は閉じていく。
 眠るつもりはなかったのに。俺にはオルガを傷つけてしまった責任がある。
 せめて治療が完了するまでは起きているはずだった。

 でもこれは、抗えない。酷い眠気だ。

 この眠気は一睡もせず、ダンジョンを踏破したときに匹敵するかもしれない。
 いや、もしかしたらそれ以上かもしれないな。

 そう俺は思いながら。

「……なら、そうさせてもらう。後は頼んだ……」

 と、オルガのことをアナベルとノエルに託した。

 どうやら、人間は疲れには敵わないらしい。

 俺は気を失ったかのように、眠りにつくのだった。
 




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