ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜
14話 女騎士との決闘に決着がつきました
もしこれでオルガが倒れなければ、俺の負けということになるだろう。
だが、これで決着をつけてやる。
「来やがれ。――セイント・メテオレインッ!」
あらかじめ掌握していた座標――今回はオルガの真上に、全ての魔力を注ぎ作り出したスライムを展開。
そして今まで出番の無かった聖剣を複製し、全てのスライムに装備し――天高くからの急降下。
これは言わば聖なる剣の雨といったところか。
正直、聖剣がどれほどの物かは分からないが、勇者にしか託されない剣が弱いはずもない。
余裕でオルガの防御力を貫通する。というかしてもらわないと困る。
しかし。
「ククッ、面白い。面白いぞ、アルトッ! ここまでオレ様を楽しませてくれたのはお前で二人目だッ! これは誇ってもいいッ! だが、勝負に勝つのはこのオレ様だッ!」
オルガは俺を認めながらも、余裕でいなしやがるのだ。
一体どういう反射神経をしている?
本当に人間か?
そう疑問に思わざるを得ない。
何せ、セイント・メテオレインは間違いなく人間が目で追える速度を超えている。
そのはずなのに、避けられている?
何故、的確に聖剣を弾き粉砕できる?
もう訳が分からなかった。
それに比べて俺は、魔力欠乏症で意識を保つだけで精一杯で……って、あれ?
魔力が、回復している? しかもかなりの速度だ。
これは一体、どういう……。
まさか、聖剣の能力か?
いや、今はそんなことを考える余裕はない。
オルガに勝つことだけを考えるんだ。
正直、これで勝負が決まらなければ俺の負けだと思い込んでいたが、魔力があるなら話が別だ。
俺は再び魔力纏いで身体能力を強化する。
そして、手のひらにいるスライムを十匹に分裂させた。
これで単純計算だが、さっきのファイア・インパクトの十倍の威力が出せるようになる。
というのも、【魔物生産】の副次能力で全てのスライムと感覚・情報を共有することができ、ファイアボールの使用を命令することができるのだ。
しかし、それでもオルガは倒れない可能性が高い。
オルガの防御力が異常であることはすでに痛いほど分かっている。
そんな圧倒的な防御力を突破するためには貫通力だ。
一応、頭にイメージはあるけど、今まで試したことがないから一か八かの賭けになる。
だが、早々に勝負を決めなければジリ貧になって負けてしまう。
だから、もうこれで終わらせてやる。絶対に!
「行くぞオルガ! これが正真正銘、最後の一撃だ!」
俺はセイント・メテオレインに飛び込んだ。
だが、座標を掌握している俺には聖剣の雨がどこに降ってくるのかが手にするように分かった。
それらを容易に潜り抜けてオルガの懐に入り込む。
「来たかアルトッ! 次の攻撃も耐え切って、オレ様がお前に引導を渡してやるッ!」
しかし、オルガに構える様子はない。
今も聖剣による攻撃が続いているからだろうか。
だが、俺にとっては好都合だ。防御の構えに入られてはどうしようもないからな。
「喰らいやがれッ! ――ファイアインパクト・廻ッ!」
これがたった今、編み出した現状最強の攻撃だ。
基本は通常のファイア・インパクトと変わらない。
だが、ファイアボールが標的に着弾すると同時に手首を捻ることでわずかながらに回転させて貫通力を増している……と思う。
それに加えてファイアボール十発分の衝撃が、一気にやってくるから爆発力が通常のファイア・インパクトとは桁違いになっている。
それゆえに俺の右腕は爆発に巻き込まれて大火傷を負った。流石に分裂して小さくなったスライムでは全ての衝撃・炎を吸収できなかった。
だが、右腕が灰になろうとも俺は最後まで技を止めることはせず、腕を振り切った。
すると流石のオルガも耐えられなかったのか、後ろに吹き飛ばされて壁に衝突し、砂埃が舞う。
これで……終わってくれ。
俺はそう強く願った。もう一歩も動けそうもない。
右腕からは肉が焼けるような匂いとともに激痛が走って、全身を蝕み始めた。
この痛みは火傷のせいだけじゃない。間違いなく骨が折れてしまっている。
筋肉もただでは済んでいないだろう。
だからどのみち決闘はこれでお終いだ。
これで決着がついていたら俺の勝ちで、オルガの防御力が上回っていたら俺の負けということになる。
俺は壁に激突したオルガの方まで歩いた。
そして、砂埃が晴れた先にいたのは。
「俺の……勝ちみたいだな」
全身を脱力させ、気絶しているオルガだった。
「ハズレスキル【魔物生産】は倒した魔物を無限に作り出せて勝手に成長するチートスキルでした!〜友達だった男にパーティー追放されたけど女だらけの騎士団に雇われたのでストレスフリーなスライム無双を始めます!〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
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