ほおずきの花

きゅも

プロローグ

 
 この世界は美しさがすべて。美しくない者は枯れてゆく。
美しさとは見た目や生存能力、繁殖力等の優秀さを指す言葉である。
そんな世界で生き残り、さらに上位に立っている者は間違いなく美しい。

これはそんな世界で生きる、ほおずきの少女の物語。




明日は待ちに待った入学式。私が明日から通うのは名門校であるフロス学園。私ははやる気持ちを抑え支度を進める。
「明日必要なものは……」
カバン、制服、筆記用具。そして……
「とびっきりの笑顔!」
鏡に向かって笑って見せる。


友達を作るうえで第一印象はとても大切だ。これが違うだけで友達の人数はかなり変わってくる。ファーストコンタクトと言われるものだ。
数年前、私はそれに失敗してしまい今いるところでは友達があまりできずに孤立してしまった。そのせいもあってかあまり人付き合いは得意ではない。
それを克服できるよう明日から頑張るのだ。


「ふぅ……よし!」
明日の準備は完璧にできた。あとは布団に入って寝るだけ。
お気に入りの赤い頭巾を机に置いて、電気を消す。
ああ、今日は眠れる気がしない。明日が楽しみだ。

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