9月9日11時

みゆたろ

心理学で人を殺せるか?

「なんかね、フシチョウは危険な組織だって言ってたよ」

「ーーキケン?どんなふうに?」

おそらく俺の目は今とても好奇心で溢れていて、目が輝いているだろう。

「知ってるところだけだけど、フシチョウは9月5日、年に一回だけ集まるみたいなの。その日にそのグループの中で、ターゲットが決まって」

ーーターゲット?

「え?フシチョウは心理学を追及してるんでしょ?」

俺は再び聞いた。

「表面上は...ね!」

「え?どーゆーこと?」

「あのフシチョウってグループは、ジッケンをしてるみたいなんだ」

「ジッケン??」

「うん。心理学でヒトを殺せるか?ーーそんなキケンなジッケンをしてる」

「いわゆる殺人グループがフシチョウってこと?」

「そう言うこと。私もそのグループにいたからーー」

ーーなん...だってぇ?

「どんなふうに人を殺すの?」

俺は聞いた。

「そこまでは分からない。私、すぐにやめちゃったから」

「そっか。ありがとう!ーーじゃ、どんなふうにターゲットを決めるの?」

「それは......」

とても言いにくそうな顔で、俺を見るとカノジョは続けようとした。

ーーそれは??

「それは...クジ」

ーーはい?

「ーーまさか、くじ引きで実験のターゲットになっちゃうの?」

彼女は黙ってうつむいた。


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