僕を拾ってくれた義姉さんが王太子に婚約破棄を言い渡されています、呪っていいですよね。
第1話:婚約破棄追放
「アリア、もう我慢の限界だ、お前との婚約は解消する。
いや、婚約解消ではない、婚約破棄だ。
高貴なる貴族の栄光を穢し、下賤な平民と接触するなど許し難い。
一度や二度の事なら、田舎の辺境伯家の事だから、しかたがないと許してやる事もできたが、何十回同じ注意をさせたと思っている。
それどころか、今度は下賤な孤児を辺境伯家の養子にするだと。
気でも狂ったのか、アリア。
お前の義弟になるという事は、私の義弟になるという事だぞ。
いずれは王となる私を孤児の義兄にしようとしたのだ。
言っているうちに更に腹が立ってきたぞ。
婚約破棄だけではこの怒りは収まらん、追放だ、この国から追放してやる」
王太子だと言って偉そうにしている奴がお義姉ちゃんを虐めている。
僕を養子にする事が許せないようだけど、何故なのだろう。
お義姉ちゃんもご領主様も奥様も、領地と国にために働いてくれと言った。
それなのに王太子という奴は僕の事などいらないと言っている。
僕は今まで通り孤児院で暮らせればいい。
ひもじくて寒くて痛い思いをしなくてすむのなら、それで幸せだ。
だけど、お義姉ちゃんとご領主様と奥様からは一緒にいて欲しいと言われた。
僕には王太子とかいう奴よりお義姉ちゃんとご領主様と奥様が大切だ。
だから王太子とかいう奴の言う事よりも、お義姉ちゃんとご領主様と奥様の言う通りにする。
でも、言う通りにするだけで、お義姉ちゃんが虐められるのを見ているだけなのは嫌だから、お義姉ちゃんにあまりに酷い事を言うようなら、呪ってもいいよね。
神様も精霊達もお義姉ちゃんを護るように言っていたし、もう呪おうかな。
「フラヴィオ王太子殿下、恐れながらその考えは間違っておられます。
王侯貴族は民の父母と同じなのです。
飢えている民に食事を与え、働く場所のない民には仕事を与え、才能があるのに学ぶ機会のない民に教育を施し、国や領地の役に立てるようにする事は、王侯貴族が神から与えられた、とても大切な役目です。
ウォルムニウス・ルッソ辺境伯家はその役目を果たしているだけです」
「愚かな、愚かすぎてこれ以上話す気にもならんわ。
だがこの場にいる他の者たちが同じ間違いを犯す事のないように、教え聞かせてやるから、よく覚えておけ。
我ら高貴な王侯貴族は、愚かな民を支配するために存在するのだ。
神から民を支配する役目を与えられているのだ、分かったか、覚えておけ」
「そうよ、王太子殿下の申される通りよ。
私たち貴族は、神から王権を授けられた王家の元、民を厳しく支配しなければいけないのよ。
ルッソ辺境伯家のように民を甘やかすのは貴族ではないわ。
いえ、甘やかすどころか、薄汚い孤児を高貴で輝かしいフラヴィオ王太子殿下の義弟にしようとまでしたのよ。
絶対に許させる事ではないわ、皆様もそう思われますわよね。
これはアリア嬢の婚約破棄追放だけで済ませていい問題ではありませんわ。
ルッソ辺境伯家に厳しい処分をすべき問題だとわたくしは思います」
神様、精霊たち、この女を呪っていいよね。
王太子とかいう奴と一緒に呪っていいよね。
神様が以前言っていた、神罰の時期というのは今の事なの。
だったら僕が始めてもいいよね、神様。
いや、婚約解消ではない、婚約破棄だ。
高貴なる貴族の栄光を穢し、下賤な平民と接触するなど許し難い。
一度や二度の事なら、田舎の辺境伯家の事だから、しかたがないと許してやる事もできたが、何十回同じ注意をさせたと思っている。
それどころか、今度は下賤な孤児を辺境伯家の養子にするだと。
気でも狂ったのか、アリア。
お前の義弟になるという事は、私の義弟になるという事だぞ。
いずれは王となる私を孤児の義兄にしようとしたのだ。
言っているうちに更に腹が立ってきたぞ。
婚約破棄だけではこの怒りは収まらん、追放だ、この国から追放してやる」
王太子だと言って偉そうにしている奴がお義姉ちゃんを虐めている。
僕を養子にする事が許せないようだけど、何故なのだろう。
お義姉ちゃんもご領主様も奥様も、領地と国にために働いてくれと言った。
それなのに王太子という奴は僕の事などいらないと言っている。
僕は今まで通り孤児院で暮らせればいい。
ひもじくて寒くて痛い思いをしなくてすむのなら、それで幸せだ。
だけど、お義姉ちゃんとご領主様と奥様からは一緒にいて欲しいと言われた。
僕には王太子とかいう奴よりお義姉ちゃんとご領主様と奥様が大切だ。
だから王太子とかいう奴の言う事よりも、お義姉ちゃんとご領主様と奥様の言う通りにする。
でも、言う通りにするだけで、お義姉ちゃんが虐められるのを見ているだけなのは嫌だから、お義姉ちゃんにあまりに酷い事を言うようなら、呪ってもいいよね。
神様も精霊達もお義姉ちゃんを護るように言っていたし、もう呪おうかな。
「フラヴィオ王太子殿下、恐れながらその考えは間違っておられます。
王侯貴族は民の父母と同じなのです。
飢えている民に食事を与え、働く場所のない民には仕事を与え、才能があるのに学ぶ機会のない民に教育を施し、国や領地の役に立てるようにする事は、王侯貴族が神から与えられた、とても大切な役目です。
ウォルムニウス・ルッソ辺境伯家はその役目を果たしているだけです」
「愚かな、愚かすぎてこれ以上話す気にもならんわ。
だがこの場にいる他の者たちが同じ間違いを犯す事のないように、教え聞かせてやるから、よく覚えておけ。
我ら高貴な王侯貴族は、愚かな民を支配するために存在するのだ。
神から民を支配する役目を与えられているのだ、分かったか、覚えておけ」
「そうよ、王太子殿下の申される通りよ。
私たち貴族は、神から王権を授けられた王家の元、民を厳しく支配しなければいけないのよ。
ルッソ辺境伯家のように民を甘やかすのは貴族ではないわ。
いえ、甘やかすどころか、薄汚い孤児を高貴で輝かしいフラヴィオ王太子殿下の義弟にしようとまでしたのよ。
絶対に許させる事ではないわ、皆様もそう思われますわよね。
これはアリア嬢の婚約破棄追放だけで済ませていい問題ではありませんわ。
ルッソ辺境伯家に厳しい処分をすべき問題だとわたくしは思います」
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