転機に気付け!風に乗れ!

風乃音羽

第6話 今を楽しむ

ドイツステイでは、わたしにとってたくさんの刺激がありました。
新しい人生の見方が備わりました。


マークは歯科衛生士、カーラは看護師、マークのパパはガソリンスタンド経営、その他、建築家や体操教室の運営者の友だちと日常を共にする中で、新しい概念が入ってきたのです。

わたしの出会ったドイツ人たちは、家族や仲間を大切にしていました。
クリスマスイブは家族と過ごし、共に幸せであることに感謝してお祈りをする日。
だから、その日は都市のお店は、ほぼ午後から全てクローズです。
ニューイヤーイブは大切な人たちと過ごし、happy new year ️でhugし合う。


日頃も、仕事は定時に終わり、アフターファイブを楽しみます。
有意義な自分のための時間、残業なんてしません。
友だちとクラブへ行ったり、カフェやバーで語ったり、夜の街を散歩したり、わたしにとって、キラキラした日々の連続でした。
ある日、マークに聞いてみました。
「みんな明日も朝から仕事なのに、こんなに遅くまで遊んでて、大丈夫?」
するとマークは、
「明日のことを気にして、今を楽しまないなんて、ナンセンスさ!」

今を楽しむ!

そう、この出来そうで、多くの日本人が出来てないのがこの感覚なんです。


多くの日本人は、先の心配をして、手を打つために、何をするかを選択する。
また、過去の過ちを悔やみ、二度と失敗しないようにと、安全策で、今の行動を決めている。

わたしが出会ったドイツ人はこれとは違っていました。

例えば、マークはこんな話をしてくれました。
「歯科衛生士という仕事と今の人生は楽しんでいる。
でもさらに、将来、父のように家族との時間をたくさん持てる状態にするには、歯科クリニックの店舗付き住宅に住みながら経営出来るとすごく幸せだと思う。
そのために、歯科医になるための勉強を通信教育でしているんだ。」

これは、わたしが言うところの多くの日本人の選択の仕方とは大きく違います。
先を心配して手を打つというのは、うまくいかない可能性が前提にあり、そのために今の行動を決めることになる。
マークの場合は、今の幸せを噛み締め、それが続くように、もしくは発展させるために今の行動を決めている。

人は今しか感知出来ないのに、今が楽しめなかったり、
心配や懐疑心に満たされた心で、何かを今やってるなら、生きるっていうこと自体が苦しみになります。

ドイツのホストファミリーは、わたしのその後の人生の方向性を変えるkey personsでした。

マークの姉、カーラはナースをしていました。ドイツは医療先進国です。
カーラはその中で看護師としての仕事に誇りを持っていました。
そして、彼女がその時点で決めてたことは、半年後にニュージーランドに行くことでした。
ドイツでの看護経験を大好きな国で活かしたいと彼女は言っていました。

志しと使命感をハッキリと発言できる素敵な女性でした。

ただ、なんとなく皆んなが始めた就活時期に、皆んなに合わせて自分も就活をはじめ、
なんとなく好きそうな職種を選び、
雰囲気だけで就職先を決めたわたしとは大違いです。

マークとカーラのパパはガソリンスダンドの経営者です。
当時、日本ではセルフのスタンドはありませんでしたが、欧米ではセルフしかありません。
ガスステーションを構えていれば、人も雇わず、自動販売機のようにお金を落としてもらえるシステムです。
マークのパパ、ママは本当に24時間自由で、老後の心配もなく、豊かな心で子どもたちを見守ってました。
彼らにとって、一番大切なことは健康管理。
幸せな人生を出来るだけ永く送るためには健康であり続けることが第1の重要項目なのです。

ママも、国営のジムは月500円でいつ行ってもいいからとほぼ毎日午前中は出かけて行ってました。

この家族のみんなの共通点は、人生の豊かさを謳歌し、それに感謝し、未来を明るいもので満たすためのチョイスで今を愉しんでいる。


この時のドイツ滞在で、人生に対して全く違う考え方が出来ました。
というより、子どもの時の思考パターンに戻ったのだと思います。

to be continued

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