魔女伝〜天才魔女ヨキのリアルはちゃめちゃ人生

風乃音羽

第9話 ヨキのリーディング

ヨキは、嬉しそうな顔で、カードを並べている。
主人のリーディングが始まる。
スプレッドしたカードを読み解いていく。

「瑛司さんは、今までに、インスピレーション、行動力を使い、既に、山も越え、ある結果を出してますね。
そして人生を謳歌して来た。
それが一旦終了した場所に、ご本人のカードが出てる。
ということは、、、これからまた、真新しい、次の段階が展開されます。
さらに上の次元、面白いことになりますね。

ん、、、でも、一枚、モヤがありますね。何か、悩んでます?」

「んー、実は、悩みってほどでもないんだけど、昔のように、動けない自分がいて、それに対して何でかな?って、思ってるとこがあるかな。」

「では、まず、瑛司さんのことを、周りがどう見てるか、カード引きましょう。」
と言って、ヨキは、幾種類かのカードを手に取り、カードに尋ねるようにしながら、触っている。
あっ、次はこの子が教えてくれるみたい。

そして、3枚のカードをひいた。
「成功してて、賢くて、何でも問題解決してくれて、幸せに導いてくれる人。
これが、他人から見た、瑛司さんね。

わたしにも、そう見えます。

で、次に、ご本人の現在の潜在意識は、、、と、」

と言いながら、また、別の種類のカードをシャッフルして、3枚引いた。

「もう、瑛司さん、面白い!魔法使いのカードと、ヒーリングのカード!
魔法使いの助言を待ってたのね。わたしのことだね。それで、安堵するって、、、
ふふふっ、、魔法使いが現れて、心のモヤが晴れて、それもただの幻の、アハハハハハハ、、、、
あっごめんなさい。
で、安堵して、爆進が始まる
って出てるよ。ふふふ、、、

誰から見ても、成功者で、賢くて、みんなを幸せに導く人なのにっ!
本人は、、、、、内心、、、、何か、面白い!
あっ、笑ってごめんなさい。
でも、悩むことないですよ。
わたし、今日、呼ばれたのね。瑛司さんに。」

瑛司も大笑いしていた。

「さらに、深掘りしますね。
過去と比べて、今の自分が、ちょっと違うんじゃないか?と思われてたって事だから、、、、
過去のとこ見てみますね。」

ヨキはまた、さらに新しい種類のカードをシャッフルしている。

「あーっ、そういうことかー。
ハイアーセルフが、あらゆる上の次元の方たちが、大勢で、あなたを助けていた。
動かされてたんですね。
短期間で成功されましたよね。
瑛司さんが、一気に影響力を持って欲しい人だったから、思い切り上の次元の方々が働いてくれてました。
なので、休憩されてたんですよ。
どのくらいの期間、ゆっくりされてた感じですか?」

「だいたい、15年ぐらいかなぁ。」と言いながら、主人も笑っている。

「この休憩が長ければ長いほど、再スタートからは、また、さらに大きな力で、働いてくださいます。
今、新たな扉を開けて、スタートラインに来てるって言いましたよね。
ここから、また、すごいことになりますよ。

と、いうことで、瑛司さんのリーディングは、まとめると、
悩みでもない悩みを、悩むことないって、わたしが知らせに来た。て、ことでした。」

ヨキは、えらく楽しそうだ。
瑛司も、嬉しそうだ。

音羽は、リーディングしてるヨキも、してもらった瑛司も2人ともが、スッキリしてるのを感じた。

「ヨキのリーディング、めちゃくちゃ面白い!
こんなにたくさんのカードを使うのは、見たことがないし、今日のリーディング中、笑いがいっぱいだったのもいい。
ところで、しんどいって言ってたけど、今ははどうなの?
リーディング、人のためにして、何か変化あった?」

ヨキは、にっこり笑って、
「めちゃくちゃ、スッキリした。すごい!瑛司さんのおかげ。
あーお腹すいた。
瑛司さん、どうだった?」

「オレも、めちゃくちゃスッキリして、気分がいいし、ワクワクしてきた。
こんな気持ちになるなら、みんな喜んで、次の一歩を出せると思う。
だから、ヨキが、この力を人のために使うことは、きっと使命だから、絶対、やっていけばいいよ。
音羽も手伝うから、やっていきなよ。」

ヨキは、覚悟を決めたようにうなづいた。


音羽は、その後、フライヤーを作り、何人か、友だちに声をかけた。

そして、ヨキのリーディングをする場所を、3拠点にすることを決めた。

一つは、音羽の自宅オフィス。ここでは、音羽の友だちとその家族のリーディングを行う。

あと、カフェの経営をしている知り合いの顔が2人思い浮かんだ。
連絡を取り、フライヤーを置かせてもらうことと、スペースをレンタルする約束を交わした。

音羽が、テキパキと段取りを整えている間に、リーディングのアポもどんどん入り出した。

そして、いよいよ、カードリーディング初日、ヨキは、可愛い服を着て、メイクも綺麗にして、キラキラした状態で、音羽のオフィスにやって来た。

「わたし、生まれ変わって来たから。
ちゃんと、全て断捨離して来た。
人間関係も全て、スッキリと整理した。
こうちゃんのLINEも電話もブロックした。

他人のリーディングをするのに、自分がモヤモヤしてては、全然ダメだから、
もう、わたし、今、激熱だから。
パワーがみなぎってる。」
と言うヨキは、確かに力強い後ろ姿でオフィスに入って行った。

1人目のお客様が、先に来て待っていたのだけれど、ヨキが来た瞬間、
「うわっ、何か揺れました?何かクラっとするくらいの、、、ヨキさんのパワー??凄そう!」と
言った。

そして、スタートした、ヨキの新しいライフワークは、人に笑顔とやる気を与え、新しい一歩を踏み出すきっかけとなった。
口コミで、徐々に、リーディングを受けたいと希望する人が増えていった。

音羽は、タイトに詰まっていくヨキのリーディングスケジュールを見て、少し心配があった。
ヨキには、本業もあるから、あまりスケジュールが入りすぎて、無理が祟らないかと、思ったのだ。
ヨキに尋ねると、
「えっ、全然大丈夫!逆にリフレッシュ出来るから、どんどんアポ入れていいよ。
だって楽しいもん。」

音羽は、これは、ヨキのレジャーなんだと分かったので、遠慮なく、予定を組んでいった。

音羽とヨキは、一緒に過ごす時間が、凝縮されるように増え、色々なことを語り合うようになった。

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