誇り高い義妹が悪役令嬢呼ばわりされて国外追放となった、俺が黙っているとでも思ったのか、糞王太子。
第43話:自己研鑽・マリア視点
「マリア、そんなに根を詰めては身体に悪い。
もうそれくらいにして休みなさい」
「ですがお父様、これくらいの事が出来なくては、エドアルドお兄様に相応しい妻にはなれません」
「何を言っているのだ、マリアはもう十分に政務を見る事もできるし、慈愛の心も持っている、エドアルドと並び立つには十分な力を持っている」
「いえ、この程度の書類を決裁するのに、こんなにも長時間がかかっていては、とてもエドアルドお兄様と並び立つ事などできません」
「そうですわね、政務や軍務では、まだまだエドアルドには及びませんね。
いえ、一生エドアルドには追いつけないでしょう」
「マルティナ、何と言う事を言うのだ。
そのような事を口にしたら、それでなくても無理をしているマリアが、これまで以上に無理をしてしまうではないか」
「貴男は黙っていてください、これは王侯貴族の妻となる女の話です。
マリア、よく考えなければいけませんよ。
エドアルドはマリアに自分と同じ事をして欲しいと言ったことがありますか。
戦場に立てとか、政務を見ろと言いましたか」
「いえ、そのような事は一度たりとも申されませんでした。
わたくしが王太子の代わりに政務をしている時も、そのような事は自分がするから、わたくしには家臣領民を慈しむ事をして欲しいと申されていました」
「そうでしょ、エドアルドなら、そう言っていたはずです。
政務や軍務は、不正が行われていないか確かめるだけでいいのです。
ですが、家臣領民を慈しむ事は、当主一族にしかできませんよ」
「はい、お母様、その通りだと思います。
ですが、不正を見抜く力を身につけるためには、ある程度は政務の経験が必要ですし、常に書類を確認しておかないといけないと思います」
「そうですね、それは間違いありませんが、マリアにはもっと大切な事がありますよ、それを忘れてしまっていますね」
「もっと大切な事ですか、何の事でしょう」
「貴族の夫人には、健康な後継者を生むという、他の者には絶対にできない役目があるのを忘れたのですか。
まして今の貴女は公爵令嬢ではなく、公王家の公太女なのですよ。
次期公王、いえ、次期国王を生む身なのですよ。
常に健康であらねばならないのです、寝不足など以ての外ですよ」
「申し訳ありませんでした、お母様。
一番大切な事を失念しておりました」
「今言ったことが分かったのなら、更に言って聞かせておくことがあります。
家臣国民を慈しむ事も、政務の力をつける事も普通に大切ですが、何よりエドアルドにとって魅力的であることが大切です。
エドアルドには大陸中の美姫が集まり、婚約しました。
これからもエドアルドと関係を結ぼうと、美女を養女にした貴族士族が側室を送り込んで来る事でしょう。
マリアはそのような美女達に打ち勝たねばならないのですよ」
「お母様……」
「だからこそ、エドアルドが理想とする女性であり続けなければいけないのです。
慈愛の心と政務能力だけではいけないのです。
容姿も立ち振る舞いも美しくなければいけないのです。
政務の時間は大切ですが、それ以上にしっかりと寝る事も大切なのですよ」
「はい、よく分かりました、今直ぐ休ませていただきます」
もうそれくらいにして休みなさい」
「ですがお父様、これくらいの事が出来なくては、エドアルドお兄様に相応しい妻にはなれません」
「何を言っているのだ、マリアはもう十分に政務を見る事もできるし、慈愛の心も持っている、エドアルドと並び立つには十分な力を持っている」
「いえ、この程度の書類を決裁するのに、こんなにも長時間がかかっていては、とてもエドアルドお兄様と並び立つ事などできません」
「そうですわね、政務や軍務では、まだまだエドアルドには及びませんね。
いえ、一生エドアルドには追いつけないでしょう」
「マルティナ、何と言う事を言うのだ。
そのような事を口にしたら、それでなくても無理をしているマリアが、これまで以上に無理をしてしまうではないか」
「貴男は黙っていてください、これは王侯貴族の妻となる女の話です。
マリア、よく考えなければいけませんよ。
エドアルドはマリアに自分と同じ事をして欲しいと言ったことがありますか。
戦場に立てとか、政務を見ろと言いましたか」
「いえ、そのような事は一度たりとも申されませんでした。
わたくしが王太子の代わりに政務をしている時も、そのような事は自分がするから、わたくしには家臣領民を慈しむ事をして欲しいと申されていました」
「そうでしょ、エドアルドなら、そう言っていたはずです。
政務や軍務は、不正が行われていないか確かめるだけでいいのです。
ですが、家臣領民を慈しむ事は、当主一族にしかできませんよ」
「はい、お母様、その通りだと思います。
ですが、不正を見抜く力を身につけるためには、ある程度は政務の経験が必要ですし、常に書類を確認しておかないといけないと思います」
「そうですね、それは間違いありませんが、マリアにはもっと大切な事がありますよ、それを忘れてしまっていますね」
「もっと大切な事ですか、何の事でしょう」
「貴族の夫人には、健康な後継者を生むという、他の者には絶対にできない役目があるのを忘れたのですか。
まして今の貴女は公爵令嬢ではなく、公王家の公太女なのですよ。
次期公王、いえ、次期国王を生む身なのですよ。
常に健康であらねばならないのです、寝不足など以ての外ですよ」
「申し訳ありませんでした、お母様。
一番大切な事を失念しておりました」
「今言ったことが分かったのなら、更に言って聞かせておくことがあります。
家臣国民を慈しむ事も、政務の力をつける事も普通に大切ですが、何よりエドアルドにとって魅力的であることが大切です。
エドアルドには大陸中の美姫が集まり、婚約しました。
これからもエドアルドと関係を結ぼうと、美女を養女にした貴族士族が側室を送り込んで来る事でしょう。
マリアはそのような美女達に打ち勝たねばならないのですよ」
「お母様……」
「だからこそ、エドアルドが理想とする女性であり続けなければいけないのです。
慈愛の心と政務能力だけではいけないのです。
容姿も立ち振る舞いも美しくなければいけないのです。
政務の時間は大切ですが、それ以上にしっかりと寝る事も大切なのですよ」
「はい、よく分かりました、今直ぐ休ませていただきます」
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