風使い練成術師、防御重視は時代遅れとパーティ追放(10か月ぶり9度目)される~路頭に迷いかけたけど、最強火力をもつ魔女にスカウトされた。守備が崩壊したと言われてももう遅い。今は最高の相棒がいるので~
休暇の過ごし方について
「そういえば、魔族についての新情報はあるのか?カタリーナ」
テレーザがカタリーナに聞いた。
なんでも、アレクトール魔法学園の研究室でも今回の魔族の出没に関する研究はしているらしい。
「いずれは師団にも報告が行くと思うけど……この間の魔族の名はフォロカルというらしいわ。
土の中に結界を作り出してその中を移動することができる魔族よ。
一応古い記録が残っていたわ。前に出た時は一晩で騎士団50人近くを飲み込んだそうよ」
カタリーナが言う。
確かにそのくらいにはなりそうだ。
あれは能力の正体が分からなければ恐らく対応しようがない。それに結界の中への攻撃ができなければ倒しようがない
「次はどこに出そうとか分かるのか?」
「儀式魔法で探っているけど、今のところは特に探知には掛かっていないようね」
カタリーナが答えてくれる。
前のフォロカルは儀式魔法で場所を探ってカモンリスに遠征して、その帰路で遭遇した。
と考えると、儀式魔法による探知はそれなりに当てになるってことだろう。
そして、今はそれに反応が無いってことらしい。団長から招集が掛からないのはそれが理由か。
まああんな戦いが続いていては命がいくつあっても足りないし、魔族がそんなにゾロゾロと現れても困る。
それに、つかの間の平穏のおかげでオードリーたちとの時間も取れている。
平和なのは良い事だ。
冒険者としては戦い続けていないと稼ぎが無くて不安になったりするが。
今はそう言うのがないのは助かるな
「発生の理由とかは少しは分かったのか?結構な数の魔族のライフコアがそっちにいってるはずだが」
「さあ……知らないわ」
カタリーナが首を傾げて答える
「そうなのか?」
「ええ。むしろあたしが聞きたいわよ。魔族について研究したいけど、碌な素材も回ってこないのよね。困るのよ」
「戦闘が終わるたびに、研究用に魔族のライフコアを回収するようにって言われてるんだが」
前の戦いの時もフォロカルなる魔族のライフコアは団長が持って行ったはずだ。
多分ルーヴェン副団長経由でアレクト―ル魔法学園かどこかの研究施設にでも行ってるのかと思ったが。
「私は聞いていないわね……まあ他にも研究しているところはあるのかもしれないから、そっちに行っているんじゃないかしら」
カタリーナが答えてくれる。
「どこが抱えているのかしらないけど、こっちにも資料を回してほしいわ。何もなしじゃ、このあたしであっても能力の発揮のしようがないからね」
不満げな口調でカタリーナが言って、お茶を一口飲んだ。
◆
その後はしばらくとりとめもない話をしてお開きになった。
いつも通りカタリーナがアステルを引っ張るように歩き去っていく。
カタリーナの話を聞く限り暫くは遠征は無さそうだな。
さて、どうやって過ごすか。ギルドかどこかの訓練施設を使わせてもらって訛らない程度に体を動かして。
あとはオードリー達を連れて小旅行でもいくのもいいかもしれない。
ヴァルメーロもまだ行っていない場所は山ほどあるしな。
「ライエル」
考えていたところでテレーザが声を掛けてきた。
「なんだ?」
「少し時間がありそうだから、私は父上のお見舞いに行こうと思う」
「ああ、いいんじゃないか?」
確か魔獣との戦いで大きな怪我を負って今は領地で療養中なんだっけか。
治癒術である程度の怪我は治せるが、万能じゃない。
強力な恩恵を持つ治癒術師は切断された四肢を再生させたりグチャグチャに損傷した体を傷一つなくもとに戻したというが。
普通の治癒術師はそこまでできない。
それに傷を埋めれても、体の気力を立て直すのは、最終的には本人の生命力次第だ。
「何を他人事のように言っている。お前も来るのだぞ」
「……なぜ?」
「魔導士団の団員であると同時に、お前は私の護衛だろう。来なくてどうする」
当たり前だろって感じの口調でテレーザが言う。
「それに、どうせお前のことだ。時間があるからオードリー達と過ごそうと思っていたのだろう?」
「ああ……まあな」
何やら行動を読み切られているな
「我が領土は湖に近く、美しい場所だ。気温も温暖で過ごしやすい。
オードリーとメイも喜ぶだろう」
「そうなのか?」
そういうことならいいかもしれないが。
「よし。では決まりだな。準備をしておけ。2日後に使いをやる。2日ほどの旅だ。いいな?」
そう言ってテレーザが駅に向かって歩き去っていった。
相変わらず強引なやつだな。
テレーザがカタリーナに聞いた。
なんでも、アレクトール魔法学園の研究室でも今回の魔族の出没に関する研究はしているらしい。
「いずれは師団にも報告が行くと思うけど……この間の魔族の名はフォロカルというらしいわ。
土の中に結界を作り出してその中を移動することができる魔族よ。
一応古い記録が残っていたわ。前に出た時は一晩で騎士団50人近くを飲み込んだそうよ」
カタリーナが言う。
確かにそのくらいにはなりそうだ。
あれは能力の正体が分からなければ恐らく対応しようがない。それに結界の中への攻撃ができなければ倒しようがない
「次はどこに出そうとか分かるのか?」
「儀式魔法で探っているけど、今のところは特に探知には掛かっていないようね」
カタリーナが答えてくれる。
前のフォロカルは儀式魔法で場所を探ってカモンリスに遠征して、その帰路で遭遇した。
と考えると、儀式魔法による探知はそれなりに当てになるってことだろう。
そして、今はそれに反応が無いってことらしい。団長から招集が掛からないのはそれが理由か。
まああんな戦いが続いていては命がいくつあっても足りないし、魔族がそんなにゾロゾロと現れても困る。
それに、つかの間の平穏のおかげでオードリーたちとの時間も取れている。
平和なのは良い事だ。
冒険者としては戦い続けていないと稼ぎが無くて不安になったりするが。
今はそう言うのがないのは助かるな
「発生の理由とかは少しは分かったのか?結構な数の魔族のライフコアがそっちにいってるはずだが」
「さあ……知らないわ」
カタリーナが首を傾げて答える
「そうなのか?」
「ええ。むしろあたしが聞きたいわよ。魔族について研究したいけど、碌な素材も回ってこないのよね。困るのよ」
「戦闘が終わるたびに、研究用に魔族のライフコアを回収するようにって言われてるんだが」
前の戦いの時もフォロカルなる魔族のライフコアは団長が持って行ったはずだ。
多分ルーヴェン副団長経由でアレクト―ル魔法学園かどこかの研究施設にでも行ってるのかと思ったが。
「私は聞いていないわね……まあ他にも研究しているところはあるのかもしれないから、そっちに行っているんじゃないかしら」
カタリーナが答えてくれる。
「どこが抱えているのかしらないけど、こっちにも資料を回してほしいわ。何もなしじゃ、このあたしであっても能力の発揮のしようがないからね」
不満げな口調でカタリーナが言って、お茶を一口飲んだ。
◆
その後はしばらくとりとめもない話をしてお開きになった。
いつも通りカタリーナがアステルを引っ張るように歩き去っていく。
カタリーナの話を聞く限り暫くは遠征は無さそうだな。
さて、どうやって過ごすか。ギルドかどこかの訓練施設を使わせてもらって訛らない程度に体を動かして。
あとはオードリー達を連れて小旅行でもいくのもいいかもしれない。
ヴァルメーロもまだ行っていない場所は山ほどあるしな。
「ライエル」
考えていたところでテレーザが声を掛けてきた。
「なんだ?」
「少し時間がありそうだから、私は父上のお見舞いに行こうと思う」
「ああ、いいんじゃないか?」
確か魔獣との戦いで大きな怪我を負って今は領地で療養中なんだっけか。
治癒術である程度の怪我は治せるが、万能じゃない。
強力な恩恵を持つ治癒術師は切断された四肢を再生させたりグチャグチャに損傷した体を傷一つなくもとに戻したというが。
普通の治癒術師はそこまでできない。
それに傷を埋めれても、体の気力を立て直すのは、最終的には本人の生命力次第だ。
「何を他人事のように言っている。お前も来るのだぞ」
「……なぜ?」
「魔導士団の団員であると同時に、お前は私の護衛だろう。来なくてどうする」
当たり前だろって感じの口調でテレーザが言う。
「それに、どうせお前のことだ。時間があるからオードリー達と過ごそうと思っていたのだろう?」
「ああ……まあな」
何やら行動を読み切られているな
「我が領土は湖に近く、美しい場所だ。気温も温暖で過ごしやすい。
オードリーとメイも喜ぶだろう」
「そうなのか?」
そういうことならいいかもしれないが。
「よし。では決まりだな。準備をしておけ。2日後に使いをやる。2日ほどの旅だ。いいな?」
そう言ってテレーザが駅に向かって歩き去っていった。
相変わらず強引なやつだな。
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