元豚王子VS悪役令嬢
第49話 これがドラグー
アードラー辺境伯の領地へ向けて俺たちは出発した。クラウディアとエリーゼとヘンリックが同じ馬車に乗り、俺とローマンとリヒャルト王子とフェリクスが乗り込んだ。
「むさ苦しいなぁ…」
とローマンが嫌な顔をした。
男だらけの馬車だしな。全員美形なだけマシだろ。
「クラウディア様と同じ馬車じゃなくて良かったのですか?ジークヴァルト様は」
とリヒャルト王子が聞く。
「んあ…まぁ…そりゃちょっと恥ずかしいと言うか…」
「あの奇跡の夜の合体で!?恥ずかしいと??」
「だからしてねえわ!辞めろおおお!その言い方!」
キスしただけなのに!
「えっ!?あれクラウディアちゃんといやらしいことしてたの?」
ローマンも興味深々だ。
「いやらしいとか言うな!つかそんなんじゃないからっ!」
と言うとフェリクスは冷静に
「まぁキス程度でしょうね。キスだけで一国が浄化されると言うのも凄いですが…」
「おおおお前のその冷静な分析は何なんだよおお!」
と俺はすっかり赤くなった。
フェリクスが
「まぁクラウディア様と一線越えられたらこんな反応じゃないでしょ?まだまだお二人は純粋ですからねぇ」
「なるほど…フェリクスは経験済みか…」
「流石大人は違うなぁ…」
とローマンとリヒャルト王子が言う。
もはや男子高校生かよ!!みたいなノリになっている!
「あのコンチャーン様みたいではないですけどね」
とフェリクスが言い、俺は遠い目になった。
「ドラグーもあんなんだったらどうしよ…」
「絶望的ですね」
フェリクスも遠い目をした。
「?コンチャーンってホワコンのことですか?そちらにいる神獣はどういう…」
「あれは…ただの汚れたケダモノだよ…」
「ええっ!?」
とリヒャルト王子は汗を垂らした。
「そう言えばローマンは好きな子はいないの?」
こいつの容姿なら女の子は寄ってくるだろうな。従兄弟だし。
「うーん、あんまり興味ないんだよ実のところ…。だからって別に男が好きななわけじゃない。俺もそろそろ嫁を見つけて公爵位を継がなきゃいけないんだけど中々見つからないんだよな」
とローマンがあまり恋愛に興味ないとはと俺は驚いた。恋愛系ジャンルのこの世界に恋愛しない奴がいるとは!サポートキャラとかじゃねぇかローマン?勿体ないなー!美形なのに!
*
アードラー辺境伯の領地の途中…俺は従兄弟のジークに休憩をしようと言った。
「真面目な話…ちょっと生理現象が…」
と真面目な顔をして言うと同じく真面目な顔でリヒャルト王子が…
「えっ!!?何に興奮なさって!?まさか僕ですか?この馬車内で唯一年下で美少年だし…」
「いや…そっちの話ではありません、普通に尿意ですよ!」
このリヒャルト王子はちょっとあれだわ…。エリーゼちゃん騙されるなよ?と心の中で思う。
「そうですか!ならば厳重な警備を!魔物も浄化されてしばらくは出てこないでしょうが念のため最中に誰かに誘拐でもされたら大変です!」
「浄化したしそんな悪に走る奴あんまりいないと思うけど…俺も疲れたし少し運動でもしたいわ…」
とジークが言うとリヒャルト王子は
「運動…クラウディア様と合体ですか!?ならば厳重な警備を!耳は塞いでおくように言って…」
「おい、変なこと言わないでくれますか!?普通に剣の素振りとかするだけだよ!馬車ん中退屈だし!」
「ええっ!?退屈でしたか!?ならば休憩が終わったら僕が女装して皆さんを楽しませて…くっっ!!」
「おいあいつ真面目に何下ネタ言ってんだ?」
「あー…ジーク俺解っちゃったよー。お前は記憶無くしてあれだけどさぁ…あの年頃にると一応貴族や王族は何というか習うわけよ…アレの教育。
と耳打ちするとジークはあっ…と言う顔をし
「保健体育的なやつか…そうか…リヒャルト王子もそう言う年頃か11だしな」
うん??そのホケンタイイクとは何か?こいつたまに訳分からん言葉使うよな?
知らんが。
とりあえず俺は尿意が凄いからさっさと行きたい。
「んじゃさっと行ってくるわ!」
と俺はジークに言い、さっと森の茂みに消えた。
「あっ!護衛は!?」
とリヒャルト王子が言う間に消えた。
とりあえずスッキリして戻ろうとして何かガサガサと近づいてくる気配がした。
一応護身用に剣は腰に下げてるが…俺剣術は並程度…誘拐か?それともリヒャルト王子の護衛の者かととりあえず身構えた。
んで、茂みからガサリと出てきたのは…
全裸の女の子だった…。しかも綺麗な子だ。
その子は腰まである白い長髪で金の瞳をしていたが全裸!!
何これ!?原住民!?見ていいの!?
いやいかんな?
俺はとりあえず後ろを向いた。もしこの子が武器を持ってたら後ろからグサリだ!
「お前は…人間か?何をマーキングしている!この森は私のだぞ!」
と彼女は美しい声で言った。
は?マーキング??
「ちょっと用を足しただけなんですが…お嬢さん…とりあえず何か服を…」
と俺は着ていた上着を脱いで何とか彼女に渡す。
するとなんかクンクン嗅いでる音がする。
汗臭いか?
「お前の匂いか…ふむ…人間はそう言えば服を着るのであったな!忘れてた」
とゴソゴソ着る音がしてようやくいいぞと言うので振り向くと…
「ちっがーう!!反対いいい!それ背中側ーー!」
思い切り着方逆転しとるよ!やっぱり原住民かもしれない!
「何?間違えている?ならお前が着せろ!!」
「ええっ!?俺一応貴族なんですけどっっ!?」
やばいよ!原住民だから貴族とか判んないのかも!?普通なら貴族は平民にこんなことしないしむしろ下の者に着せてもらう立場!だがこの子は原住民…くっ!仕方ない…俺はなるべく見ないように目を瞑り
「そんじゃここに腕を通して!んでこっちもね!?出来た?ならちょっと前止めるぞ?」
くっ!この子!めっちゃ胸あるな!!どうしても当たるし!
ボタン止めにもたもたしていたら
ガサリと兵士とクラウディアちゃんが現れて白目になった。
あーーーーー…何か終わった…。
「おおお遅いから心配して様子を見に来たのですが!!そういうことをなさっていたとは!」
「失礼しました!ローマン様!!」
クラウディアちゃんと兵士はくるりと後ろを向いた。
「ちがーう!!俺何もしてないしーー!この子原住民なんだけどー!裸で現れた原住民なんだけどー!!」
と言うと…クラウディアちゃんがくるりと振り向いて…
「裸…見慣れない金の瞳…白い髪……ううん…まさか…貴方様は!神獣ドラグーの人型!?まさかのメス!?」
とひざまづいた!
「おお…人間の女よ!よく気付いたな!いかにも!我は神獣ドラグー。またの名をハクリュウと言う。ハクちゃんでよいぞ」
と言う。えっ!?この子神獣なの?そういやジークもコンチャーン様に初めて会った時人型に変化してそん時全裸の変態だったとか言ってた!
とりあえずボタンを止めて俺もひざまづいた!
「ご無礼を!ハクチャーン様!!神獣だとはいざ知らず!!」
「んん…良い…お前…顔をあげよ」
「はっ!」
俺はとりあえずハクチャーン様に言われた通り顔を上げるとめっちゃ至近距離で見つめられた!もう鼻がつきそう!!流石の俺も赤くなるわ!!
「あっあの…俺の顔に何かついておりますか?」
ちょっとだけ後退しつつ聞くと顔を押さえられていきなり柔らかいものが唇に当たる。
「んっ!!?んんーー!?んっ!?んん!??」
「きゃっ!」
とクラウディアちゃんが目を隠した気配がした。
ようやく離れるとハクチャーン様がにこりと美しく微笑んだ!そして
「うむっ!こやつにしよう!!」
と言った!何が!?
「おい何してんだ!!?…ってうわぁ!!ほんとに何してんだローマン!!」
ハクチャーン様にそのまま抱きつかれている俺を見てジークも勘違いした。
待って!?いろいろ訳が解らない!いきなりキスされるし!
リヒャルト王子もやってきて血走った目で
「あっ!お邪魔しました!」
って言うし!!
おいいい!
「だから話を聞けええええ!!」
と俺はとりあえず説明した。
「むさ苦しいなぁ…」
とローマンが嫌な顔をした。
男だらけの馬車だしな。全員美形なだけマシだろ。
「クラウディア様と同じ馬車じゃなくて良かったのですか?ジークヴァルト様は」
とリヒャルト王子が聞く。
「んあ…まぁ…そりゃちょっと恥ずかしいと言うか…」
「あの奇跡の夜の合体で!?恥ずかしいと??」
「だからしてねえわ!辞めろおおお!その言い方!」
キスしただけなのに!
「えっ!?あれクラウディアちゃんといやらしいことしてたの?」
ローマンも興味深々だ。
「いやらしいとか言うな!つかそんなんじゃないからっ!」
と言うとフェリクスは冷静に
「まぁキス程度でしょうね。キスだけで一国が浄化されると言うのも凄いですが…」
「おおおお前のその冷静な分析は何なんだよおお!」
と俺はすっかり赤くなった。
フェリクスが
「まぁクラウディア様と一線越えられたらこんな反応じゃないでしょ?まだまだお二人は純粋ですからねぇ」
「なるほど…フェリクスは経験済みか…」
「流石大人は違うなぁ…」
とローマンとリヒャルト王子が言う。
もはや男子高校生かよ!!みたいなノリになっている!
「あのコンチャーン様みたいではないですけどね」
とフェリクスが言い、俺は遠い目になった。
「ドラグーもあんなんだったらどうしよ…」
「絶望的ですね」
フェリクスも遠い目をした。
「?コンチャーンってホワコンのことですか?そちらにいる神獣はどういう…」
「あれは…ただの汚れたケダモノだよ…」
「ええっ!?」
とリヒャルト王子は汗を垂らした。
「そう言えばローマンは好きな子はいないの?」
こいつの容姿なら女の子は寄ってくるだろうな。従兄弟だし。
「うーん、あんまり興味ないんだよ実のところ…。だからって別に男が好きななわけじゃない。俺もそろそろ嫁を見つけて公爵位を継がなきゃいけないんだけど中々見つからないんだよな」
とローマンがあまり恋愛に興味ないとはと俺は驚いた。恋愛系ジャンルのこの世界に恋愛しない奴がいるとは!サポートキャラとかじゃねぇかローマン?勿体ないなー!美形なのに!
*
アードラー辺境伯の領地の途中…俺は従兄弟のジークに休憩をしようと言った。
「真面目な話…ちょっと生理現象が…」
と真面目な顔をして言うと同じく真面目な顔でリヒャルト王子が…
「えっ!!?何に興奮なさって!?まさか僕ですか?この馬車内で唯一年下で美少年だし…」
「いや…そっちの話ではありません、普通に尿意ですよ!」
このリヒャルト王子はちょっとあれだわ…。エリーゼちゃん騙されるなよ?と心の中で思う。
「そうですか!ならば厳重な警備を!魔物も浄化されてしばらくは出てこないでしょうが念のため最中に誰かに誘拐でもされたら大変です!」
「浄化したしそんな悪に走る奴あんまりいないと思うけど…俺も疲れたし少し運動でもしたいわ…」
とジークが言うとリヒャルト王子は
「運動…クラウディア様と合体ですか!?ならば厳重な警備を!耳は塞いでおくように言って…」
「おい、変なこと言わないでくれますか!?普通に剣の素振りとかするだけだよ!馬車ん中退屈だし!」
「ええっ!?退屈でしたか!?ならば休憩が終わったら僕が女装して皆さんを楽しませて…くっっ!!」
「おいあいつ真面目に何下ネタ言ってんだ?」
「あー…ジーク俺解っちゃったよー。お前は記憶無くしてあれだけどさぁ…あの年頃にると一応貴族や王族は何というか習うわけよ…アレの教育。
と耳打ちするとジークはあっ…と言う顔をし
「保健体育的なやつか…そうか…リヒャルト王子もそう言う年頃か11だしな」
うん??そのホケンタイイクとは何か?こいつたまに訳分からん言葉使うよな?
知らんが。
とりあえず俺は尿意が凄いからさっさと行きたい。
「んじゃさっと行ってくるわ!」
と俺はジークに言い、さっと森の茂みに消えた。
「あっ!護衛は!?」
とリヒャルト王子が言う間に消えた。
とりあえずスッキリして戻ろうとして何かガサガサと近づいてくる気配がした。
一応護身用に剣は腰に下げてるが…俺剣術は並程度…誘拐か?それともリヒャルト王子の護衛の者かととりあえず身構えた。
んで、茂みからガサリと出てきたのは…
全裸の女の子だった…。しかも綺麗な子だ。
その子は腰まである白い長髪で金の瞳をしていたが全裸!!
何これ!?原住民!?見ていいの!?
いやいかんな?
俺はとりあえず後ろを向いた。もしこの子が武器を持ってたら後ろからグサリだ!
「お前は…人間か?何をマーキングしている!この森は私のだぞ!」
と彼女は美しい声で言った。
は?マーキング??
「ちょっと用を足しただけなんですが…お嬢さん…とりあえず何か服を…」
と俺は着ていた上着を脱いで何とか彼女に渡す。
するとなんかクンクン嗅いでる音がする。
汗臭いか?
「お前の匂いか…ふむ…人間はそう言えば服を着るのであったな!忘れてた」
とゴソゴソ着る音がしてようやくいいぞと言うので振り向くと…
「ちっがーう!!反対いいい!それ背中側ーー!」
思い切り着方逆転しとるよ!やっぱり原住民かもしれない!
「何?間違えている?ならお前が着せろ!!」
「ええっ!?俺一応貴族なんですけどっっ!?」
やばいよ!原住民だから貴族とか判んないのかも!?普通なら貴族は平民にこんなことしないしむしろ下の者に着せてもらう立場!だがこの子は原住民…くっ!仕方ない…俺はなるべく見ないように目を瞑り
「そんじゃここに腕を通して!んでこっちもね!?出来た?ならちょっと前止めるぞ?」
くっ!この子!めっちゃ胸あるな!!どうしても当たるし!
ボタン止めにもたもたしていたら
ガサリと兵士とクラウディアちゃんが現れて白目になった。
あーーーーー…何か終わった…。
「おおお遅いから心配して様子を見に来たのですが!!そういうことをなさっていたとは!」
「失礼しました!ローマン様!!」
クラウディアちゃんと兵士はくるりと後ろを向いた。
「ちがーう!!俺何もしてないしーー!この子原住民なんだけどー!裸で現れた原住民なんだけどー!!」
と言うと…クラウディアちゃんがくるりと振り向いて…
「裸…見慣れない金の瞳…白い髪……ううん…まさか…貴方様は!神獣ドラグーの人型!?まさかのメス!?」
とひざまづいた!
「おお…人間の女よ!よく気付いたな!いかにも!我は神獣ドラグー。またの名をハクリュウと言う。ハクちゃんでよいぞ」
と言う。えっ!?この子神獣なの?そういやジークもコンチャーン様に初めて会った時人型に変化してそん時全裸の変態だったとか言ってた!
とりあえずボタンを止めて俺もひざまづいた!
「ご無礼を!ハクチャーン様!!神獣だとはいざ知らず!!」
「んん…良い…お前…顔をあげよ」
「はっ!」
俺はとりあえずハクチャーン様に言われた通り顔を上げるとめっちゃ至近距離で見つめられた!もう鼻がつきそう!!流石の俺も赤くなるわ!!
「あっあの…俺の顔に何かついておりますか?」
ちょっとだけ後退しつつ聞くと顔を押さえられていきなり柔らかいものが唇に当たる。
「んっ!!?んんーー!?んっ!?んん!??」
「きゃっ!」
とクラウディアちゃんが目を隠した気配がした。
ようやく離れるとハクチャーン様がにこりと美しく微笑んだ!そして
「うむっ!こやつにしよう!!」
と言った!何が!?
「おい何してんだ!!?…ってうわぁ!!ほんとに何してんだローマン!!」
ハクチャーン様にそのまま抱きつかれている俺を見てジークも勘違いした。
待って!?いろいろ訳が解らない!いきなりキスされるし!
リヒャルト王子もやってきて血走った目で
「あっ!お邪魔しました!」
って言うし!!
おいいい!
「だから話を聞けええええ!!」
と俺はとりあえず説明した。
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