元豚王子VS悪役令嬢
第27話 決闘
その朝俺はベッドの上で武器を手にしていた。
そしてクラウディアの綺麗な髪の毛を剣に当てると髪の毛は光り剣に吸い込まれていった。
「これで…クラウディアの力が使えるのか…」
でも5分か…それでヤンデレを倒せなければクラウディアはヤンデレの嫁に…。
これは王子としては負けられない。
着替えて食卓につくとクラウディアもやってきた。
「おはようございます…ジークヴァルト様…」
「おはようクラウディア…」
「空気が重いねぇ…まぁお姉様が隣にお嫁に行っちゃうのは嫌だなぁ」
「やだー!エリーゼのお姉様だもん!」
君達はもう俺が負けると思ってるね?どうやって聞いたのか既にユリウスくんもエリーゼも決闘のことを知っていた。
フェリクスをチラリと見ると口笛を吹いて誤魔化している。お前だな?
「ご馳走さま…」
と食事を手早く済ませて昼まで俺は練習用の剣を振ることにした。クラウディアも付き合ってくれた。
「素振りだけなら何度もしましたわね…。では打ち合いを!」
とクラウディアがいきなり剣を持ち突っ込んできた!
「わっ!」
ガアンと剣は簡単に弾かれてしまう。
あの細腕なのに…なんでだ!?
「それは殿下がまだ本気じゃないんですわ!相手が私だからかしら?だから簡単に弾かれるのです!剣は己と同じです!逃げるのも向かうのも貴方次第です!人を傷つけるのが怖い者に剣は応えませんわ!」
「師匠!!」
もう一度剣を握り打ち合い今度は落とさなかった!クラウディアは重い剣を放ち受け止めるのに精一杯だ!
「くっ!!」
カチカチと剣が震える。
目の前の美少女はクラウディアではない!クラウディアではない!クラウディアではない!ヤンデレがクラウディアを連れ去る場面が浮かび俺は力を込めクラウディアの剣を押し返した!全身を使い、剣に体重が移ったかのように押し込め…しかしそこでクラウディアの蹴りが腹に入り俺は吹っ飛んだ!
「がはっ!」
汗だくで倒れて空を仰ぐ。やはりクラウディアは強い…。負けるのか…?俺は…まだヤンデレには闇の力という正体不明の力があるし。
くそっ!
すると白い手が伸びて俺を起こした。
「今のは良かったです!でも接近戦は次の攻撃を相手にどう放つのかが勝負です。剣が離れた瞬間で一撃先に入れた方が勝ちです!」
とタオルを渡す。
見るとそろそろ太陽が真上に来ている。
時間か。
俺は練習の剣を置いて本番用の剣を持とうとして後ろからクラウディアに抱きしめられた!
は!!?クラウディア!??
何か当たってるから!!
「ジークヴァルト様……もし…負けても…私がニコラウス王子のものになっても…恨みはしませんわ…」
「クラウディア…お前も俺が負けると思ってるな?そりゃほんと剣下手だけど!」
…俺はどんなことをしても勝つ!ヤンデレだろうが闇使いだろうが知らないよ!
5分だ!
「クラウディア…一回でいいから信じてよ…。そんな皆から負ける負ける言われると嫌だわ!ほんとに負けそうじゃん!俺は奇跡の王子なんだろ?なら奇跡を見せてやるから!」
ようやくクラウディアは身体を離したと思ったら赤い目が滲んでいる。
「そこまでだ!時間だぞ!ジークヴァルト王子!」
といつの間にかヤンデレが登場している。しかし…。
その背中に子泣き爺のように妖怪が…いやっ!よく見たらヒロインがくっついていた!
「こら!貴様!離れろ!!」
よく見るとニコラウスは目にクマが出来ている!
「そんなー?ニコラウス様ああ?ようやくお部屋から出てきてくれたんですものぉ!」
「お前が一晩中人の部屋をバカ力で開けようとしていたから抑えるのに必死だったのに!!」
うわぁ…本ヒロイン怖っ!妖怪より恐ろしい!
ん?じゃあこいつ寝てない上にレーナ嬢と防戦してたし体力も消耗してそうだな!
これは勝てるかもな!!
「今お前勝てるかもと思ったか?この僕がお前ごときに寝てないくらいで負けるとでも思っているのか?一瞬で終わらせてやる!これ以上体力使うのもしんどい…」
最後の方しんどいって言ったじゃん!やっぱりこいつ疲れてんぜ!レーナ嬢!よくやった!
そうしてようやく俺とヤンデレが向き合った!従者やメイド達に兵士や官僚達も覗きにきた。
クラウディアは相変わらず不安そうだ。ユリウスもエリーゼも来ていた。
「それではさっさと終わらせるか!悪いなジークヴァルト王子!」
剣をスラリと抜くと真っ黒い剣刃が現れた。剣を構えたので俺も剣を抜いて構える。
「どちらかが土に倒れたら負けだ!行くぞ!」
とニコラウスは一気に距離を詰めて俺に斬りかかるが俺は剣を受け止める。
くっ!重い!
でも剣を落とすわけにはいかない!
「おい!僕の目を見ろ!」
「な…に!?」
ついニコラウスの目を見るとあ…
身体がびくとも動かない!!
「ははは!どうだ!動けまい?言い様だな!クラウディア嬢待っていてくださいね!今こいつを地面に寝かせて終わりです!」
汚いなこいつ!!だが身体は動かせなくても!剣が動くはず!クラウディア!その力!借りるぞ!!
剣が光り沢山の赤い棘が飛び出した!!
やった!ニコラウス王子は驚き避けようとしたが回避が苦手なのか全部棘を受け止めていた!!こいつっ!バカかっ!と思っていたら棘は俺にもぶっ刺さって二人して
ブシュッと血を流した。
「………ふ…どうやら僕の能力で動けないしどうやったのか知らんが自分にも跳ね返っているじゃないか!間抜けめ!」
いや、お前動けるくせに鈍臭くて避けれなかった奴に言われたくない!
「だが!これで終わりにしてやる!」
棘を抜き剣を取りジリジリ近づくニコラウス王子。俺を斬る気か!?
こんな間抜けで死ぬわけにもクラウディアを取られるわけにも行くか!
俺は棘だらけだがまだ5分経ってないことを思い出し最後の賭けに出て剣に集中してイメージした形に変えた!
それを見てニコラウスの動きは止まる!
「な、何だそれは?」
「ボウガンって言うんだよ!!」
ほんとは人に向けちゃいけないけどかするくらいなら大丈夫だ!俺はそれの引き金を引き矢が恐ろしい速度で王子の顔を擦り後ろの訓練場の壁にぶっ刺さった!
ニコラウス王子は自分の頰の血をぬるりと手に取って見て…
「ひっ!!血っ!!」
と言い勝手にバタンと倒れて気絶した!と同時に俺の身体は動くようになった!
とりあえず棘を抜いて全身に祈りを捧げて白く輝き治癒の力で傷を治した。
倒れたニコラウス王子の頰の擦り傷も一応治しておいた。
それをボー然と見ていたギャラリーに俺はハッと気づいた。フェリクスやヘンリック達はやっちまったな!と言う顔をしていた。
「おい…見たか?あのジークヴァルト様の力!」
「あれって伝承の奇跡の力?」
「まじかよ…初めて見た…」
「それに剣を変な形のものに変えてそっから矢が…」
「俺ニコラウス王子に賭けてたのに…」
そこでオホンとユリウスくんが前に出てきた。
「この勝負!ニコラウス王子の失神により土に倒れた為、我が兄…ジークヴァルト殿下の勝ちとする!よって、クラウディア・バルシュミーデ侯爵令嬢は今まで通り兄上の婚約者でーす!!それじゃ皆!僕に賭け金を寄越しなさい?」
と笑った。
うああ…ユリウスくん!何賭けてんだ!
クラウディアはヘタリとその場に座り込んだ。
「クラウディア!!」
俺が駆け寄るとクラウディアは
「勝ちましたのね…」
「うん!」
しかしそこでニコラウスが立ち上がり
「待った!今のは無効だろうが!そんな反則みたいな!」
「何だと!?お前だって能力使っただろうが!!いいか先に使ったのはお前だしお前の傷を治してやったのも俺だ!血が苦手なくせによ!」
「くっ!!」
とニコラウス王子は悔しがった。
「レオ!国に帰るぞ!クラウディア嬢!またお会いしましょう!今度は私が貴方を国へ招きます!!」
「待ってえええーニコラウス王子様あ!私も連れて行ってえええ!」
とサングラスみたいのを付けたレーナ嬢が走ってきた!いやなんて怪しい!目の対策だろうけど!
「うぐ!レオ!早く馬車を出せ!早く!!」
「はいいっ!」
とニコラウス王子とレオは馬車に乗り帰っていく。
ひとまず勝負には勝ったが、俺は兵士やメイドたちからの視線の雨を感じた。
とうとうバレてしまった…大勢に奇跡の力が!!
そしてクラウディアの綺麗な髪の毛を剣に当てると髪の毛は光り剣に吸い込まれていった。
「これで…クラウディアの力が使えるのか…」
でも5分か…それでヤンデレを倒せなければクラウディアはヤンデレの嫁に…。
これは王子としては負けられない。
着替えて食卓につくとクラウディアもやってきた。
「おはようございます…ジークヴァルト様…」
「おはようクラウディア…」
「空気が重いねぇ…まぁお姉様が隣にお嫁に行っちゃうのは嫌だなぁ」
「やだー!エリーゼのお姉様だもん!」
君達はもう俺が負けると思ってるね?どうやって聞いたのか既にユリウスくんもエリーゼも決闘のことを知っていた。
フェリクスをチラリと見ると口笛を吹いて誤魔化している。お前だな?
「ご馳走さま…」
と食事を手早く済ませて昼まで俺は練習用の剣を振ることにした。クラウディアも付き合ってくれた。
「素振りだけなら何度もしましたわね…。では打ち合いを!」
とクラウディアがいきなり剣を持ち突っ込んできた!
「わっ!」
ガアンと剣は簡単に弾かれてしまう。
あの細腕なのに…なんでだ!?
「それは殿下がまだ本気じゃないんですわ!相手が私だからかしら?だから簡単に弾かれるのです!剣は己と同じです!逃げるのも向かうのも貴方次第です!人を傷つけるのが怖い者に剣は応えませんわ!」
「師匠!!」
もう一度剣を握り打ち合い今度は落とさなかった!クラウディアは重い剣を放ち受け止めるのに精一杯だ!
「くっ!!」
カチカチと剣が震える。
目の前の美少女はクラウディアではない!クラウディアではない!クラウディアではない!ヤンデレがクラウディアを連れ去る場面が浮かび俺は力を込めクラウディアの剣を押し返した!全身を使い、剣に体重が移ったかのように押し込め…しかしそこでクラウディアの蹴りが腹に入り俺は吹っ飛んだ!
「がはっ!」
汗だくで倒れて空を仰ぐ。やはりクラウディアは強い…。負けるのか…?俺は…まだヤンデレには闇の力という正体不明の力があるし。
くそっ!
すると白い手が伸びて俺を起こした。
「今のは良かったです!でも接近戦は次の攻撃を相手にどう放つのかが勝負です。剣が離れた瞬間で一撃先に入れた方が勝ちです!」
とタオルを渡す。
見るとそろそろ太陽が真上に来ている。
時間か。
俺は練習の剣を置いて本番用の剣を持とうとして後ろからクラウディアに抱きしめられた!
は!!?クラウディア!??
何か当たってるから!!
「ジークヴァルト様……もし…負けても…私がニコラウス王子のものになっても…恨みはしませんわ…」
「クラウディア…お前も俺が負けると思ってるな?そりゃほんと剣下手だけど!」
…俺はどんなことをしても勝つ!ヤンデレだろうが闇使いだろうが知らないよ!
5分だ!
「クラウディア…一回でいいから信じてよ…。そんな皆から負ける負ける言われると嫌だわ!ほんとに負けそうじゃん!俺は奇跡の王子なんだろ?なら奇跡を見せてやるから!」
ようやくクラウディアは身体を離したと思ったら赤い目が滲んでいる。
「そこまでだ!時間だぞ!ジークヴァルト王子!」
といつの間にかヤンデレが登場している。しかし…。
その背中に子泣き爺のように妖怪が…いやっ!よく見たらヒロインがくっついていた!
「こら!貴様!離れろ!!」
よく見るとニコラウスは目にクマが出来ている!
「そんなー?ニコラウス様ああ?ようやくお部屋から出てきてくれたんですものぉ!」
「お前が一晩中人の部屋をバカ力で開けようとしていたから抑えるのに必死だったのに!!」
うわぁ…本ヒロイン怖っ!妖怪より恐ろしい!
ん?じゃあこいつ寝てない上にレーナ嬢と防戦してたし体力も消耗してそうだな!
これは勝てるかもな!!
「今お前勝てるかもと思ったか?この僕がお前ごときに寝てないくらいで負けるとでも思っているのか?一瞬で終わらせてやる!これ以上体力使うのもしんどい…」
最後の方しんどいって言ったじゃん!やっぱりこいつ疲れてんぜ!レーナ嬢!よくやった!
そうしてようやく俺とヤンデレが向き合った!従者やメイド達に兵士や官僚達も覗きにきた。
クラウディアは相変わらず不安そうだ。ユリウスもエリーゼも来ていた。
「それではさっさと終わらせるか!悪いなジークヴァルト王子!」
剣をスラリと抜くと真っ黒い剣刃が現れた。剣を構えたので俺も剣を抜いて構える。
「どちらかが土に倒れたら負けだ!行くぞ!」
とニコラウスは一気に距離を詰めて俺に斬りかかるが俺は剣を受け止める。
くっ!重い!
でも剣を落とすわけにはいかない!
「おい!僕の目を見ろ!」
「な…に!?」
ついニコラウスの目を見るとあ…
身体がびくとも動かない!!
「ははは!どうだ!動けまい?言い様だな!クラウディア嬢待っていてくださいね!今こいつを地面に寝かせて終わりです!」
汚いなこいつ!!だが身体は動かせなくても!剣が動くはず!クラウディア!その力!借りるぞ!!
剣が光り沢山の赤い棘が飛び出した!!
やった!ニコラウス王子は驚き避けようとしたが回避が苦手なのか全部棘を受け止めていた!!こいつっ!バカかっ!と思っていたら棘は俺にもぶっ刺さって二人して
ブシュッと血を流した。
「………ふ…どうやら僕の能力で動けないしどうやったのか知らんが自分にも跳ね返っているじゃないか!間抜けめ!」
いや、お前動けるくせに鈍臭くて避けれなかった奴に言われたくない!
「だが!これで終わりにしてやる!」
棘を抜き剣を取りジリジリ近づくニコラウス王子。俺を斬る気か!?
こんな間抜けで死ぬわけにもクラウディアを取られるわけにも行くか!
俺は棘だらけだがまだ5分経ってないことを思い出し最後の賭けに出て剣に集中してイメージした形に変えた!
それを見てニコラウスの動きは止まる!
「な、何だそれは?」
「ボウガンって言うんだよ!!」
ほんとは人に向けちゃいけないけどかするくらいなら大丈夫だ!俺はそれの引き金を引き矢が恐ろしい速度で王子の顔を擦り後ろの訓練場の壁にぶっ刺さった!
ニコラウス王子は自分の頰の血をぬるりと手に取って見て…
「ひっ!!血っ!!」
と言い勝手にバタンと倒れて気絶した!と同時に俺の身体は動くようになった!
とりあえず棘を抜いて全身に祈りを捧げて白く輝き治癒の力で傷を治した。
倒れたニコラウス王子の頰の擦り傷も一応治しておいた。
それをボー然と見ていたギャラリーに俺はハッと気づいた。フェリクスやヘンリック達はやっちまったな!と言う顔をしていた。
「おい…見たか?あのジークヴァルト様の力!」
「あれって伝承の奇跡の力?」
「まじかよ…初めて見た…」
「それに剣を変な形のものに変えてそっから矢が…」
「俺ニコラウス王子に賭けてたのに…」
そこでオホンとユリウスくんが前に出てきた。
「この勝負!ニコラウス王子の失神により土に倒れた為、我が兄…ジークヴァルト殿下の勝ちとする!よって、クラウディア・バルシュミーデ侯爵令嬢は今まで通り兄上の婚約者でーす!!それじゃ皆!僕に賭け金を寄越しなさい?」
と笑った。
うああ…ユリウスくん!何賭けてんだ!
クラウディアはヘタリとその場に座り込んだ。
「クラウディア!!」
俺が駆け寄るとクラウディアは
「勝ちましたのね…」
「うん!」
しかしそこでニコラウスが立ち上がり
「待った!今のは無効だろうが!そんな反則みたいな!」
「何だと!?お前だって能力使っただろうが!!いいか先に使ったのはお前だしお前の傷を治してやったのも俺だ!血が苦手なくせによ!」
「くっ!!」
とニコラウス王子は悔しがった。
「レオ!国に帰るぞ!クラウディア嬢!またお会いしましょう!今度は私が貴方を国へ招きます!!」
「待ってえええーニコラウス王子様あ!私も連れて行ってえええ!」
とサングラスみたいのを付けたレーナ嬢が走ってきた!いやなんて怪しい!目の対策だろうけど!
「うぐ!レオ!早く馬車を出せ!早く!!」
「はいいっ!」
とニコラウス王子とレオは馬車に乗り帰っていく。
ひとまず勝負には勝ったが、俺は兵士やメイドたちからの視線の雨を感じた。
とうとうバレてしまった…大勢に奇跡の力が!!
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