元豚王子VS悪役令嬢
第23話 ヤンデレ王子と友達になるのは難しい
隣国のアルデンという国の第一王子がニコラウス・オスカー・エーベルスと言うヤンデレ王子らしい。その弟の第二王子がリヒャルト・マンフレート・エーベルスと言うこないだうちの可愛い妹のエリーゼに菓子で餌付けようとしていた王子らしい。
ヤンデレと友達になるとかハードル高い上にあの銭ゲバヒロインに紹介するということもしなくてはならない…。
俺はまた溜息が出る。
だが書状を送らせて何とかニコラウス王子を夜会に招待することにした。ついでにクラウディア人形を売り込んだりしてみようか…。隣の国でもクラウディア人形が有名になれば少しは利益になるかな?
俺は先日この国のハーケン大商会のペーター・ブリツェさんと商談して本格的にクラウディア人形の量産をすることになったのだ。人形が出来上がったら俺が奇跡の力を付与するという仕組みで、ペーターさんには王子が力を使えることは秘密で出来上がった人形は一旦俺がチェックするということで纏まる。俺のところに来た時にこっそり力の付与をすればいいのだ。
そこからデマでもいいからこの人形ほんとに効果があるんじゃないか?と国民に思わせることができれば後は拡散され売れて国の名産になり海外…他所の国にも輸出しさらに儲かればいい。もちろんクラウディアの髪の毛を提供するので何割かはクラウディアの懐にも金が入るだろう。発案者の俺にも何割かと言う話になったけど、貧しい世情なのでそれはハーケン大商会が発案したことにすればいい。
こうして人形は量産されていくつか見本等も王宮に届き始めたのだ。とりあえずその数体の人形に力の付与をして王子にお持ち帰りいただくか。
夜会の準備も低予算だけど豪華に見えるよう工夫して無駄遣いしないようにと言っておく。友達になる為に金がかかるなんて王族とは大変だ。
そうしてついにヤンデレ王子との夜会の日が来た。王子は数日かけての馬車移動。疲れてるところほんとにすまないと思う。馬車は昼に到着し王子には来賓の上等なお部屋で時間まで寛いでもらう。
今日の夜会なはもちろんクラウディアも出席する。夜会の時間になると俺は高そうに見える服に着替えてクラウディアを迎えに行く。
部屋をノックし返事を確認してから開けると
とても低予算で作られたとは思えないほど美しい薄いピンクゴールドのような色合いをして赤い髪とも合い、胸元のリボンもよく合っている。もちろんドレスだけでなく着ている本人もとんでもなく綺麗で美しい!
思わず俺は
「くくく…クラウディア!!おおおお前それはちょっとないわ…」
と言うとクラウディアが悲しそうな顔をした。
「そうですか…やはり…これではダメですか」
「違うよ違う!物凄く似合ってるよ!めちゃくちゃ可愛い!人目に触れさせるのが惜しい!」
俺は赤くなりながら弁明するとクラウディアも照れた。うん、やはり俺の婚約者は最高に可愛い悪役令嬢だ!
「ジークヴァルト様も素敵ですわ!…ご令嬢たちに注目されますわね…」
俺にはもうクラウディアしか目に入らないんだけど!!むしろクラウディアを見た奴の目を潰して回りたいくらいなんだけど!!
ヘンリックとフェリクスが
「あのーお互い褒め合ってる所悪いのですが時間ですよ」
と知らせた。
俺はクラウディアをエスコートする為に手を取るけどまた投げ飛ばされないかな?
でも流石にそれはなかった。
ホールに入り注目される。
あれ?ヤンデレ王子どこだろ?来てんだよね?
いなくね?
と見回していると王子の側近の一人が声をかけた。
「初めましてジークヴァルト王子殿下!私はレオ・ビンツスと申します。アルデンの外交官です!お招きいただきありがとうございます!」
「ああ、よろしくビンツスさん…ところでニコラウス王子はどこに?」
するとビンツスさんからドッと汗が出る。
「ニコラウス王子はその…トイレに!すぐ戻られます!なにぶんこのような場が苦手な方なのです!申し訳ありません!」
「そうだったんですか!!気付かずに申し訳ない!ならば別に部屋を用意して話でも?」
「いや…そこまでしていただかなくとも…」
そこへ…
「ジークヴァルト様!ニコラウス様が来られたようですわ!」
とクラウディアが気付いた。
彼はよろよろとお腹を抑えている。
完全に緊張して腹下してるよ!!人多いしな!
判るよ!俺はもう慣れたけど!
「ニコラウス王子…大丈夫ですか?」
と声をかけるがニコラウス王子は腹に手を置いたままクラウディアを見つめていた。
ん?あれ?ヤバくね?
「貴方のお名前は?」
ガン無視かい!!俺よりクラウディアに先に挨拶かい!!
クラウディアはカーテシーをして
「私は侯爵家令嬢クラウディア・バルシュミーデと申します。ブッシュバウム国第一王子ジークヴァルト・ゼッフェルン様の婚約者ですわ…」
と言うと目を見開いた後にチッと舌打ちする音がした。
「貴方のような美しい方にお会いできて光栄です!バルシュミーデ…どこかで聞いたような…」
こそっと側近の人が
「この方はブッシュバウムの鮮血姫との異名の持ち主です!先の戦争で大変な活躍をされた方ですよ!!」
「へー…そうなんだー…鮮血姫かあ…彼女の血も美しそうだけどね…」
そこで俺はオホンと咳払いして名乗った。
「あのすみません…ニコラウス王子…俺はジークヴァルト・ゼッフェルンです。この国の第一王子です。お会いできて光栄です!良かったら歳も近いし友人になっていただきたいなぁ…」
するとスッと目が細められる。
ニコラウスは腹を抑えているがまともに見ると端正な顔立ちに黒髪をして銀の瞳をしている。
「友達?僕と貴方が?そうですね…クラウディア嬢を私の婚約者にしていただけるのならなってもいいですが…」
俺はグラスを握りしめ
「はははご冗談を!私に彼女と婚約破棄しろと?」
「そう言ってるのだが?彼女は私の妻に相応しい…運命だ!ひと目見て決めた!クラウディア嬢!私と婚約していただきたい!!」
おいちょっと待てやああああ!!俺の婚約者に何言ってんだこらああ!!
「いやニコラウス王子それは…」
「貴方に聞いていない…」
と完全に無視してクラウディアを口説こうとしている!!
「わ…私はもうジークヴァルト様と婚約しているし、この国の王妃になり国を共に発展させて行こうと思いますのでどうか私のことは諦め…」
「そうか…でもまだ婚約者止まり!それならまだ私にもチャンスはありますよね?無ければ貴方に振り向いてもらえるまで私は頑張りましょう…」
と彼は仄暗い顔で俺をチラリと見た!
この目…完全に俺を亡き者にしようと企む目じゃねぇか!暗殺しようとしてるよ!!ヤベェこいつ!
「あのっ…じじ…実はそのニコラウス様に挨拶したいって女性がおりまして…」
と言うとどこにいたのかサササッとレーナが現れた!またお前そんな乳アピールした格好で!!
「私トラウトナー伯爵が娘レーナ・トラウトナーですわ!お初にお目にかかります!ニコラウス様!!是非お見知り置きを!」
とレーナが満面の笑顔で言うと
ニコラウス王子は暗く冷たい目で
「ジークヴァルト王子…この娼婦を私に紹介するとは何とも無礼な…」
「いや違いますよ。これはあの娼婦に見えるかもしれませんが一応あの伯爵家の令嬢でして…」
「そうですよぉ!こんな可愛い令嬢が娼婦なわけありませんわー!」
「伯爵令嬢でも娼婦でもどちらでもいいがジークヴァルト王子のお下がり娘をプレゼントされるなんてお断りですな」
と言った。ちょっと待てやああ!何で俺がこの銭ゲバ猫被り女と遊んでる男の設定になってんだよ!そんなわけないだろ?
「嫌ですわぁ!?私とジークヴァルト様はただの友人ですのよ?勘違いなさらないで下さいー?私はニコラウス王子ともっとお話ししたくて参りましたのぉー」
とレーナも頑張って言うと
「貴様のような娼婦もどきと喋りたくない!それよりクラウディア嬢!俺と二人きりでもっと話を!」
いや、お前も待てやああ!!
レーナがどう言うことだ?と俺を睨んだ。
いや知らねーよ!つかこのヤンデレと友達になんかなれるかあああ!!
ヤンデレと友達になるとかハードル高い上にあの銭ゲバヒロインに紹介するということもしなくてはならない…。
俺はまた溜息が出る。
だが書状を送らせて何とかニコラウス王子を夜会に招待することにした。ついでにクラウディア人形を売り込んだりしてみようか…。隣の国でもクラウディア人形が有名になれば少しは利益になるかな?
俺は先日この国のハーケン大商会のペーター・ブリツェさんと商談して本格的にクラウディア人形の量産をすることになったのだ。人形が出来上がったら俺が奇跡の力を付与するという仕組みで、ペーターさんには王子が力を使えることは秘密で出来上がった人形は一旦俺がチェックするということで纏まる。俺のところに来た時にこっそり力の付与をすればいいのだ。
そこからデマでもいいからこの人形ほんとに効果があるんじゃないか?と国民に思わせることができれば後は拡散され売れて国の名産になり海外…他所の国にも輸出しさらに儲かればいい。もちろんクラウディアの髪の毛を提供するので何割かはクラウディアの懐にも金が入るだろう。発案者の俺にも何割かと言う話になったけど、貧しい世情なのでそれはハーケン大商会が発案したことにすればいい。
こうして人形は量産されていくつか見本等も王宮に届き始めたのだ。とりあえずその数体の人形に力の付与をして王子にお持ち帰りいただくか。
夜会の準備も低予算だけど豪華に見えるよう工夫して無駄遣いしないようにと言っておく。友達になる為に金がかかるなんて王族とは大変だ。
そうしてついにヤンデレ王子との夜会の日が来た。王子は数日かけての馬車移動。疲れてるところほんとにすまないと思う。馬車は昼に到着し王子には来賓の上等なお部屋で時間まで寛いでもらう。
今日の夜会なはもちろんクラウディアも出席する。夜会の時間になると俺は高そうに見える服に着替えてクラウディアを迎えに行く。
部屋をノックし返事を確認してから開けると
とても低予算で作られたとは思えないほど美しい薄いピンクゴールドのような色合いをして赤い髪とも合い、胸元のリボンもよく合っている。もちろんドレスだけでなく着ている本人もとんでもなく綺麗で美しい!
思わず俺は
「くくく…クラウディア!!おおおお前それはちょっとないわ…」
と言うとクラウディアが悲しそうな顔をした。
「そうですか…やはり…これではダメですか」
「違うよ違う!物凄く似合ってるよ!めちゃくちゃ可愛い!人目に触れさせるのが惜しい!」
俺は赤くなりながら弁明するとクラウディアも照れた。うん、やはり俺の婚約者は最高に可愛い悪役令嬢だ!
「ジークヴァルト様も素敵ですわ!…ご令嬢たちに注目されますわね…」
俺にはもうクラウディアしか目に入らないんだけど!!むしろクラウディアを見た奴の目を潰して回りたいくらいなんだけど!!
ヘンリックとフェリクスが
「あのーお互い褒め合ってる所悪いのですが時間ですよ」
と知らせた。
俺はクラウディアをエスコートする為に手を取るけどまた投げ飛ばされないかな?
でも流石にそれはなかった。
ホールに入り注目される。
あれ?ヤンデレ王子どこだろ?来てんだよね?
いなくね?
と見回していると王子の側近の一人が声をかけた。
「初めましてジークヴァルト王子殿下!私はレオ・ビンツスと申します。アルデンの外交官です!お招きいただきありがとうございます!」
「ああ、よろしくビンツスさん…ところでニコラウス王子はどこに?」
するとビンツスさんからドッと汗が出る。
「ニコラウス王子はその…トイレに!すぐ戻られます!なにぶんこのような場が苦手な方なのです!申し訳ありません!」
「そうだったんですか!!気付かずに申し訳ない!ならば別に部屋を用意して話でも?」
「いや…そこまでしていただかなくとも…」
そこへ…
「ジークヴァルト様!ニコラウス様が来られたようですわ!」
とクラウディアが気付いた。
彼はよろよろとお腹を抑えている。
完全に緊張して腹下してるよ!!人多いしな!
判るよ!俺はもう慣れたけど!
「ニコラウス王子…大丈夫ですか?」
と声をかけるがニコラウス王子は腹に手を置いたままクラウディアを見つめていた。
ん?あれ?ヤバくね?
「貴方のお名前は?」
ガン無視かい!!俺よりクラウディアに先に挨拶かい!!
クラウディアはカーテシーをして
「私は侯爵家令嬢クラウディア・バルシュミーデと申します。ブッシュバウム国第一王子ジークヴァルト・ゼッフェルン様の婚約者ですわ…」
と言うと目を見開いた後にチッと舌打ちする音がした。
「貴方のような美しい方にお会いできて光栄です!バルシュミーデ…どこかで聞いたような…」
こそっと側近の人が
「この方はブッシュバウムの鮮血姫との異名の持ち主です!先の戦争で大変な活躍をされた方ですよ!!」
「へー…そうなんだー…鮮血姫かあ…彼女の血も美しそうだけどね…」
そこで俺はオホンと咳払いして名乗った。
「あのすみません…ニコラウス王子…俺はジークヴァルト・ゼッフェルンです。この国の第一王子です。お会いできて光栄です!良かったら歳も近いし友人になっていただきたいなぁ…」
するとスッと目が細められる。
ニコラウスは腹を抑えているがまともに見ると端正な顔立ちに黒髪をして銀の瞳をしている。
「友達?僕と貴方が?そうですね…クラウディア嬢を私の婚約者にしていただけるのならなってもいいですが…」
俺はグラスを握りしめ
「はははご冗談を!私に彼女と婚約破棄しろと?」
「そう言ってるのだが?彼女は私の妻に相応しい…運命だ!ひと目見て決めた!クラウディア嬢!私と婚約していただきたい!!」
おいちょっと待てやああああ!!俺の婚約者に何言ってんだこらああ!!
「いやニコラウス王子それは…」
「貴方に聞いていない…」
と完全に無視してクラウディアを口説こうとしている!!
「わ…私はもうジークヴァルト様と婚約しているし、この国の王妃になり国を共に発展させて行こうと思いますのでどうか私のことは諦め…」
「そうか…でもまだ婚約者止まり!それならまだ私にもチャンスはありますよね?無ければ貴方に振り向いてもらえるまで私は頑張りましょう…」
と彼は仄暗い顔で俺をチラリと見た!
この目…完全に俺を亡き者にしようと企む目じゃねぇか!暗殺しようとしてるよ!!ヤベェこいつ!
「あのっ…じじ…実はそのニコラウス様に挨拶したいって女性がおりまして…」
と言うとどこにいたのかサササッとレーナが現れた!またお前そんな乳アピールした格好で!!
「私トラウトナー伯爵が娘レーナ・トラウトナーですわ!お初にお目にかかります!ニコラウス様!!是非お見知り置きを!」
とレーナが満面の笑顔で言うと
ニコラウス王子は暗く冷たい目で
「ジークヴァルト王子…この娼婦を私に紹介するとは何とも無礼な…」
「いや違いますよ。これはあの娼婦に見えるかもしれませんが一応あの伯爵家の令嬢でして…」
「そうですよぉ!こんな可愛い令嬢が娼婦なわけありませんわー!」
「伯爵令嬢でも娼婦でもどちらでもいいがジークヴァルト王子のお下がり娘をプレゼントされるなんてお断りですな」
と言った。ちょっと待てやああ!何で俺がこの銭ゲバ猫被り女と遊んでる男の設定になってんだよ!そんなわけないだろ?
「嫌ですわぁ!?私とジークヴァルト様はただの友人ですのよ?勘違いなさらないで下さいー?私はニコラウス王子ともっとお話ししたくて参りましたのぉー」
とレーナも頑張って言うと
「貴様のような娼婦もどきと喋りたくない!それよりクラウディア嬢!俺と二人きりでもっと話を!」
いや、お前も待てやああ!!
レーナがどう言うことだ?と俺を睨んだ。
いや知らねーよ!つかこのヤンデレと友達になんかなれるかあああ!!
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