元豚王子VS悪役令嬢
第1話 痩せてやる!
「あれ?ここどこだ?」
何というか知らない豪華な天井。
ん?手をかざすとぷよぷよした手…。
起き上がり、自分が王族みたいな天蓋のベッドに寝ていることに気付く。
鏡を探して豪華な机を漁ると手鏡でようやく容姿を確認。
「誰だこのデブ…」
しかし間違いなく自分…?
はっ!!思い出してきた!!
俺は夢とも知れぬが前世で一回死んだ!交通事故って言うベタな死に方!
そんで死んで身体から魂抜けて俺は上へと登って行って……要するに神様の元へ行った。
そしたら神様の部下の女神が忙しそうにやってきて……
「はいはい、死に立ての魂ね?うーん、貴方、別に悪いこともしてきてない人生だったし、次の転生先のことなんだけど…今、流行りの悪役令嬢の婚約者の王子の役が空いてるのよね!はい!どう?そこ行く?」
一気に女神がベラベラ喋る。
「えっ!!?俺なんかが王子!?で、でも悪役令嬢ってライトノベルとかの?何の話…?」
「それは話してる時間ないけど!大体判るわよね?はい!恋愛モノだし!大体王子の生まれ変わりなんて楽だし、いい暮らしできるでしょ?悪役令嬢も美人ならいいじゃない!はい!」
「いやいや、この場合ライトノベルでは、悪役令嬢がヒロインでヒロインが悪役になっちゃう展開なんですが?」
「ああ、そうよ、流行りだから!はい!だから女は皆悪役令嬢の枠が、いっぱい余ってるから!でも王子の役は一握りよ?丁度今、空いたからそこに転生する?しない?はよ決めて!」
女神は次の転生者の番があるから早く決めろと急かす。
「あー…まぁ…じゃあ…判りました。折角だから王子に転生します」
*
「どうしてこうなった!!??」
あああ…、あの時もっと考えときゃ良かった!
王子って言えば美形が定番なのに、なんでこんなブクブクなの俺!!?太った丸い顔に丸い樽みたいな身体……。こんなのと結婚したい令嬢いるのか?
はっ!
悪役令嬢!
俺の婚約者は悪役令嬢なはず!
て言うか俺の名はなんて言うのか??
とそこまで考えて
ドンドンと部屋を叩く音がした。
「いつまで待たせる気ですのっ!!ジークヴァルト様っ!人を茶会に呼んでおいて寝てるとか!」
と気の強そうな怖そうな、それでいて美少女な女の子が扉を蹴破ってきた。
俺はジークヴァルトって言うのか?
「う…、あ?」
彼女は俺を見ると嫌そうな顔で溜息をついた。
「はあっ!何で私がこんな方と婚約しなきゃならないのかしらっ!全く…」
うおう!婚約者!ということは、女神の言ってた悪役令嬢だ!やった!美少女!
あ…、でも確かに女性からしたら、こんなデブお断りですよね。
「あのすみません…ちょっと俺頭を打って記憶を無くしたみたいなんだけど君の名前なんて言うのかな?」
「はあっ!!?寝ぼけてますのっ?婚約者の名を忘れるとかあり得ませんわ!」
と憎々しげに言われても、こっちは転生したばっかで何も解らんし、過去もよく解らない。
俺のキョトン顔を見て彼女は
「本当に…忘れましたの?私は侯爵家令嬢…クラウディア・バルシュミーデですわ!貴方はジークヴァルト・ゼッフェルン第一王子!!」
「はあ…」
俺の反応を見て彼女は
「医者を呼びます!」
と言い、数分後には医者や弟王子らしき者、妹王女らしき者、俺の従者、婚約者の従者などが部屋に集まった。父王と王妃は公務らしい。
「記憶を失っているらしいですの!」
クラウディアが説明する。
医者は
「どうやら本当みたいですね、私は主治医のアルバン・ベルツと申します。王子」
「はあ…よろしくお願いします」
「お兄様…私の事も覚えてませんの?可愛い妹のエリーゼですわ」
6歳くらいの少女が寄ってくる。
「うん、ごめんエリーゼ?」
8歳くらいの弟らしき奴は
「兄上…俺のことも?ユリウスだよ?」
この弟妹は痩せてて大きくなったらかなりの美少女と美少年になる。さすが王家?
でも俺は太ってる…。
泣きたくなるな。
「で?どうしますの?この分じゃ、この国のことも何も解ってませんわよ?いいこと?この国はブッシュバウムと言って敗戦国です!つまり貧乏国です!」
「ええっ!?そうなの?」
「そうだよ、ジリ貧。戦争終わったのは5年前だから、だいぶ復興してきた方。でも、兄上は元々食いしん坊で祖母や祖父に甘やかされてお菓子を独り占め…とかしててそんな体型に」
「国が貧しいと言うのに貴方は毎日、自堕落にお菓子ばかり食べて!私との婚約だって無理矢理!国一番の美少女を集めよ!と舞踏会を開き、そこで抽選で選ばれたのが私よっ!!」
と捲し立てられた。
「ち…、抽選…?」
「そうですわ!記憶を失ったなら丁度よろしいわ!婚約破棄していただけないかしら?今すぐに!」
「それは待ってよクラウディア姉様!見捨てないでよ、こんなんでも!」
とユリウスくんが止めた。
「何でですの?他の方にする絶好の機会を!」
「クラウディアお姉様…王妃教育だって頑張ってらしたのに今更!お姉様がいなければこの国はもう終わります!お願い行かないで!」
「くっ!!」
クラウディアは可愛らしい妹と弟を見て頭を抱えている。
「判りましたわ…この国は私が陰で支えて見せます!その代わり、この役立たずの豚王子にはこれから痩せてもらうわ!」
と怖い顔で睨まれた。
「ひっ!わ…判りました!申し訳ございません!」
俺は思わず正座して謝ると
「なっ!!?何ですの?王子たるものが床に頭をつけるとは!本当におかしくなりましたのね貴方!」
とクラウディアがたじろいだ。
以前の俺は甘やかされの坊ちゃんだったろうし人に頭を下げたこともなかったのかな?
「ともかく俺、痩せてちゃんと王子になります。何卒ご指導よろしくお願いします!!」
と皆に頭を下げているとクールな弟が笑った。
「凄いや!あの兄上が!本当に生まれ変わったみたい!」
「私は信じられませんわ!何か裏があるのでは?この豚が改心するとは!せいぜい頑張ってお痩せになりなさい?そうね、期間を設けましょう!半年ね…半年で体型が変わらなければ…私は貴方より美形で素敵な男性を見つけます!」
「クラウディア姉様それは…」
「私は抽選で選ばれただけ!王子のことなど愛してないわ!貴方達は可愛いし、この国の貧困をどうにかしてあげたいけど、この人の子を産むなんて吐き気がするわ!国がマシな程度に持ち直したら、即刻婚約破棄!以上!」
無常にもそう言われて俺はショックだった。
確かに過去の俺が酷かったのは皆の態度を見れば判るけど…。
「あの…俺…頑張ります…」
ボソリとそう言うがフンと横を向き、部屋からクラウディアは出て行く。
「兄上…捨てられないように頑張ってね?」
笑いを堪えた弟に少しムカつく。
「お兄様…痩せたら美形になるんじゃない?」
「……本当?」
エリーゼちゃんはいい子だな!
「痩せれるかが問題だと思うけど?兄上がお菓子を辞めるなんてあるのか?」
「ユリウスくん…言ったね?」
俺は絶対に痩せようと思った!
何というか知らない豪華な天井。
ん?手をかざすとぷよぷよした手…。
起き上がり、自分が王族みたいな天蓋のベッドに寝ていることに気付く。
鏡を探して豪華な机を漁ると手鏡でようやく容姿を確認。
「誰だこのデブ…」
しかし間違いなく自分…?
はっ!!思い出してきた!!
俺は夢とも知れぬが前世で一回死んだ!交通事故って言うベタな死に方!
そんで死んで身体から魂抜けて俺は上へと登って行って……要するに神様の元へ行った。
そしたら神様の部下の女神が忙しそうにやってきて……
「はいはい、死に立ての魂ね?うーん、貴方、別に悪いこともしてきてない人生だったし、次の転生先のことなんだけど…今、流行りの悪役令嬢の婚約者の王子の役が空いてるのよね!はい!どう?そこ行く?」
一気に女神がベラベラ喋る。
「えっ!!?俺なんかが王子!?で、でも悪役令嬢ってライトノベルとかの?何の話…?」
「それは話してる時間ないけど!大体判るわよね?はい!恋愛モノだし!大体王子の生まれ変わりなんて楽だし、いい暮らしできるでしょ?悪役令嬢も美人ならいいじゃない!はい!」
「いやいや、この場合ライトノベルでは、悪役令嬢がヒロインでヒロインが悪役になっちゃう展開なんですが?」
「ああ、そうよ、流行りだから!はい!だから女は皆悪役令嬢の枠が、いっぱい余ってるから!でも王子の役は一握りよ?丁度今、空いたからそこに転生する?しない?はよ決めて!」
女神は次の転生者の番があるから早く決めろと急かす。
「あー…まぁ…じゃあ…判りました。折角だから王子に転生します」
*
「どうしてこうなった!!??」
あああ…、あの時もっと考えときゃ良かった!
王子って言えば美形が定番なのに、なんでこんなブクブクなの俺!!?太った丸い顔に丸い樽みたいな身体……。こんなのと結婚したい令嬢いるのか?
はっ!
悪役令嬢!
俺の婚約者は悪役令嬢なはず!
て言うか俺の名はなんて言うのか??
とそこまで考えて
ドンドンと部屋を叩く音がした。
「いつまで待たせる気ですのっ!!ジークヴァルト様っ!人を茶会に呼んでおいて寝てるとか!」
と気の強そうな怖そうな、それでいて美少女な女の子が扉を蹴破ってきた。
俺はジークヴァルトって言うのか?
「う…、あ?」
彼女は俺を見ると嫌そうな顔で溜息をついた。
「はあっ!何で私がこんな方と婚約しなきゃならないのかしらっ!全く…」
うおう!婚約者!ということは、女神の言ってた悪役令嬢だ!やった!美少女!
あ…、でも確かに女性からしたら、こんなデブお断りですよね。
「あのすみません…ちょっと俺頭を打って記憶を無くしたみたいなんだけど君の名前なんて言うのかな?」
「はあっ!!?寝ぼけてますのっ?婚約者の名を忘れるとかあり得ませんわ!」
と憎々しげに言われても、こっちは転生したばっかで何も解らんし、過去もよく解らない。
俺のキョトン顔を見て彼女は
「本当に…忘れましたの?私は侯爵家令嬢…クラウディア・バルシュミーデですわ!貴方はジークヴァルト・ゼッフェルン第一王子!!」
「はあ…」
俺の反応を見て彼女は
「医者を呼びます!」
と言い、数分後には医者や弟王子らしき者、妹王女らしき者、俺の従者、婚約者の従者などが部屋に集まった。父王と王妃は公務らしい。
「記憶を失っているらしいですの!」
クラウディアが説明する。
医者は
「どうやら本当みたいですね、私は主治医のアルバン・ベルツと申します。王子」
「はあ…よろしくお願いします」
「お兄様…私の事も覚えてませんの?可愛い妹のエリーゼですわ」
6歳くらいの少女が寄ってくる。
「うん、ごめんエリーゼ?」
8歳くらいの弟らしき奴は
「兄上…俺のことも?ユリウスだよ?」
この弟妹は痩せてて大きくなったらかなりの美少女と美少年になる。さすが王家?
でも俺は太ってる…。
泣きたくなるな。
「で?どうしますの?この分じゃ、この国のことも何も解ってませんわよ?いいこと?この国はブッシュバウムと言って敗戦国です!つまり貧乏国です!」
「ええっ!?そうなの?」
「そうだよ、ジリ貧。戦争終わったのは5年前だから、だいぶ復興してきた方。でも、兄上は元々食いしん坊で祖母や祖父に甘やかされてお菓子を独り占め…とかしててそんな体型に」
「国が貧しいと言うのに貴方は毎日、自堕落にお菓子ばかり食べて!私との婚約だって無理矢理!国一番の美少女を集めよ!と舞踏会を開き、そこで抽選で選ばれたのが私よっ!!」
と捲し立てられた。
「ち…、抽選…?」
「そうですわ!記憶を失ったなら丁度よろしいわ!婚約破棄していただけないかしら?今すぐに!」
「それは待ってよクラウディア姉様!見捨てないでよ、こんなんでも!」
とユリウスくんが止めた。
「何でですの?他の方にする絶好の機会を!」
「クラウディアお姉様…王妃教育だって頑張ってらしたのに今更!お姉様がいなければこの国はもう終わります!お願い行かないで!」
「くっ!!」
クラウディアは可愛らしい妹と弟を見て頭を抱えている。
「判りましたわ…この国は私が陰で支えて見せます!その代わり、この役立たずの豚王子にはこれから痩せてもらうわ!」
と怖い顔で睨まれた。
「ひっ!わ…判りました!申し訳ございません!」
俺は思わず正座して謝ると
「なっ!!?何ですの?王子たるものが床に頭をつけるとは!本当におかしくなりましたのね貴方!」
とクラウディアがたじろいだ。
以前の俺は甘やかされの坊ちゃんだったろうし人に頭を下げたこともなかったのかな?
「ともかく俺、痩せてちゃんと王子になります。何卒ご指導よろしくお願いします!!」
と皆に頭を下げているとクールな弟が笑った。
「凄いや!あの兄上が!本当に生まれ変わったみたい!」
「私は信じられませんわ!何か裏があるのでは?この豚が改心するとは!せいぜい頑張ってお痩せになりなさい?そうね、期間を設けましょう!半年ね…半年で体型が変わらなければ…私は貴方より美形で素敵な男性を見つけます!」
「クラウディア姉様それは…」
「私は抽選で選ばれただけ!王子のことなど愛してないわ!貴方達は可愛いし、この国の貧困をどうにかしてあげたいけど、この人の子を産むなんて吐き気がするわ!国がマシな程度に持ち直したら、即刻婚約破棄!以上!」
無常にもそう言われて俺はショックだった。
確かに過去の俺が酷かったのは皆の態度を見れば判るけど…。
「あの…俺…頑張ります…」
ボソリとそう言うがフンと横を向き、部屋からクラウディアは出て行く。
「兄上…捨てられないように頑張ってね?」
笑いを堪えた弟に少しムカつく。
「お兄様…痩せたら美形になるんじゃない?」
「……本当?」
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