彼氏が悪の組織の戦闘員Eなんですが…

黒月白華

第13話 一発入れてやる!!

さっさとバイトを終わらせて時奈さんの元に戻りたい…。
そして一緒に夕食を食べるんだ。
僕はそればかり考えてて忘れてた。


「今日はなんか俺たち戦闘員にも武器の使用が認められてるんだけど、何か強化プログラムとかでさ…ほらこれEのやつな?」
とAが渡してくれたのは【モーニングスター】と言う
棒の先端に鎖がついてそのさらに先にトゲトゲの玉が着いてぶん回せるようになっている。

「今日の戦闘で一発でもヒーロー達に入れてえよなぁ…ちょっと俺頑張ってみるわ」
Aお前はほんとに努力化だな!
ボーナスとして最新型のタブレットを後で送っとくからな!

「ええー?いきなりこんなの持つの?重いし下手したら自分に当たりそうでやだなぁ」
と久々に出てきたCがボヤいた。
C!貴様は後で鞭打ちだ!
今日はBが休みだ。
Dはとりあえず練習で振り回している。

「覚えればなんとかなるんじゃないか?俺もヒーローに当ててやりたいよ」
とDは時間ギリギリまで練習していた。
D!今度温泉ペアチケット送っとくから彼女と行ってこい!

そして僕等の出番が来た。
今日はレッドとグリーンにイエローが先に来ていた。
レッドを見て怒りがまた出てきた。
一発…
一発だけ弱いなりに偶然当たりましたという状況ができれば…。

「Aさん…Cさんをレッドの前に出して囮にして二人でレッドを挟み打ちしてみましょうか?」
と提案してみる。

「お、いいなそれ!ま、他のヒーローにすぐやられるだろうけど、一人を集中的に狙うのもありだな!流石E!」

そして作戦らしきものは一応できてDはグリーンとイエローの相手をしようと言った。
まぁイエローはいつもカレー食ってるし無視でいいだろ。

「きたな!下っ端共!ほう!今日は武器を持ってるのか!?そんなもので俺たちは屈指ないぞ!!」
今日はテレビカメラが来ているのかレッドのやる気がみなぎっている。
こいつが二面性なことは調査で判っている。女にだらしないのもな。

だから今日は皆には内緒で秘策を用意しといたのだ。小賢しいが。

「さあ来い!雑魚共!」
イエローはいつも通りベンチに座りながらカレーを食い始めた。何で家で食べて来ないのか?

Dは一人でグリーンに突っ込んでいく。

「でぃ…Dー!!」
武器があるぶんいつもより交わすのに焦るグリーン。
時間を稼いでくれよD!

そしてCが前に出てダラダラとモーニングスターをぶん回した。

「おいおい、やる気あるのかお前?」
レッドは鼻で笑いモーニングスターをCからあっさり奪い殴りつけ
Cは吹っ飛ぶが左右から僕とAが突っ込んできたのを見て

「ちっ!汚い奴等め!仲間を囮に使うとは!だが俺は悪に屈指ないぞ!」
と奪ったモーニングスターでAを吹っ飛ばす!

「AAA……」
ここまでは計算通り。

「次はお前だ!」
と僕に向かってくる。咄嗟に僕はしゃがみ球を避ける。

「!?」
避けると思っていなかったのかレッドが一瞬怯んだ!
未だ!タイミングを見てレッドの後ろから巨乳のBのマスクを被った女戦闘員が現れ羽交い締めにする。

「なっ…何?女だとぉ?」
胸が背中に当たりさらに隙をつくったスケベレッドに僕は渾身の一撃を放つ。
そしてそれはレッドに当たった。

「ぐあっ!」
レッドは後ろのBと共に倒れ込んだ。

「レッド!大丈夫か!?」
グリーンがDを倒し駆け寄り僕を蹴った。
とりあえずわざと蹴られておく。

「Eー!…」

しかしレッドは倒れたBの胸をワシワシ揉みながら

「大丈夫?君…女の子が戦闘員なんてやっちゃダメだよ?ね?」
と甘い声で言う。

「おい…レッド…何セクハラしながら口説いてんだ」
Bはそのセリフに痺れて

「Bいいい♡」
とか言いながら気絶した。

そして本日の戦闘員の仕事は終わった。
横から怪人が出てきて

「フハハ!雑魚よりもわしと手合わせじゃ!ヒーロー共!!」
と半魚人みたいな怪人が来た。
後は任せたと僕たち戦闘員は仲間を助け起こしながらスゴスゴ引っ込もうとするが
レッドは僕を掴み、

「待て、雑魚E!お前何者だ?この俺にあんな一撃くれるとはな!」
と殴りかかってきた。咄嗟に交わしてしまった。
顔殴られたら時奈さんが心配するし。

「へえ?避けるんだ?やっぱりお前は違うな!その顔!見せろ!」
とマスクを奪いに来る。
クソっ!勘のいい奴め!

仕方ない!俺は懐から爆弾を出してレッドに投げた。

「っ!爆弾かっ!?」
そうだよバカ!致死量じゃない程度に感謝しろよ?
と思いそれが破裂して目くらましになったところで僕たちは黒いバンに乗り込み去った。


「はぁ、危なかったなE!あんなのまぐれで一発入ったのにレッドキレすぎでウケるわ!」

「俺なんか囮になったのに武器取られて殴られたし痛てーよぉ…」

「まぁ今日もお疲れ様」

「皆さんスポーツドリンクですよ、後救急箱も」
と僕は皆にお疲れ様と渡していく。
臨時雇いの巨乳Bだけは

「レッド様…カッコいい…抱かれたい♡」
とか言ってたけど。

「Bちゃん…俺じゃだめ?」
とCが軽薄に近寄ってBちゃんに

「近寄るな!セクハラ野郎!」
と殴られていた。

そこへ鳴島からのライメが届く。
そこには…

「坊っちゃま大変です!私たちが現場に向かっている間に円成寺様が別邸に乗り込み、雪見様を連れ去りました!!お早くお車にお戻りに!」
の文字。
僕は青ざめた。マスクを被っていて皆には気付かれていないが急用ができたと下ろしてもらう。

人気のない所まで走り、待っていた高級車に乗り込みマスクを取る。

「円成寺…葵…あのゴミ女とは婚約破棄したよね?」

「はい、しかし相手はどうやら納得がいかなかったようで…坊っちゃまはモテますから」

「そう…でも女でも許さないよ…僕の時奈さんを誘拐するなんて…」
と僕は怒りに震えた。

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