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男嫌いの悪役令嬢はイケメン悪魔と契約し攻略対象から逃げ切ります

黒月白華

第31話 パトリック編1

僕はパトリック・ケッセルリング公爵令息。幼い頃から人の周りに薄っすら色の着いた光を見ていた。なんとなく色でその人がどんな感情を持っているのかがよく分かるようになった。
でもそれを周りの人に言ったらバカだと思われた。特にこの国の王子で従兄弟のエドヴィン・フルトベェングラーとその幼馴染みの騎士団団長の息子ダミアン・ホルツマンに宰相の息子ヘンドリック・ヘーゲルヒは3人寄ってたかって僕を虐めた。3人が僕を馬鹿にしている悪意のオーラを見れば嫌われていることは明白だった。
僕は段々人が怖くなり前髪を隠すようになった。

エドヴィンは僕の従兄弟で僕と同じ金髪に緑の目の美少年。他の2人も顔だけはいい。僕も一応はそんなに崩れてはいないと思いたいが…。目立つことを嫌い隠れて地味に生きようと思った。

「パトリック!君いつも気持ち悪い本ばかり読んでるそうじゃないか」
とエドヴィンが注意し、

「幽霊と会話する方が好きなんじゃねえか?」
ダミアンは馬鹿にして、

「あははっ!パトリックは引きこもっている方がお似合いさ!ねえ?オーラって何?僕のオーラどうなってるの?ねえねえ」
ヘンドリックはからかって笑う。

最初はその程度だったけど、僕が密かにアリーセ嬢を見てポヤーッとしているのに気付いたのか虐めはエスカレートした。
アリーセ嬢のオーラはとても澄んでいて汚れのない白い綺麗な色だ。美少女だし、遠くからこっそりと見ているのが幸せだった。

しかしエドヴィンはそれすら許さなかった。

「君さあ?判ってるの?アリーセは僕の婚約者!何見てるの?それにこの顔も気に食わないよ!オーラとか何とかいつも気持ち悪いことばかり言ってるし!従兄弟として恥ずかしいんだよ!」
とエドヴィンは僕の部屋をめちゃくちゃに荒らし始めた。僕の腹を蹴ることもあった。普段にこにこと笑っている彼の本性が恐ろしいものだと僕は知っていた。
オーラはどす黒くそれを物語っている。

ダミアンは見張り役で外に出ていた。エドヴィンはダミアンを信用していてダミアンもまた忠実だった。彼はエドヴィンに完全に騙されていてエドヴィンこそ守るべき主人と犬のように真っ直ぐに騎士道を貫いていた。

ヘンドリックはいつも僕にふざけてバケツの水をかけたり物を汚したりする程度。物理的な八つ当たりはないが物をグチャグチャにしたりが好きだ。それにエドヴィンは

「もうやめなよヘンドリック!可哀想じゃないか!ね?パトリック大丈夫かい?」
とエドヴィンが優しく手を差し伸べてくるがこいつの本性はただ優しいフリをしている悪魔だと僕は知っている。

「だ、大丈夫…こんなの遊びだよね?はは…」
僕はそう言うのが精一杯だった。

「そうだよ、遊びだよ?よく判ってるねパトリック」
とエドヴィンが綺麗な顔で僕たちは友達と言う笑顔を向ける。
この3人に逆らうことなど怖くてできない。

だが憎い。エドヴィンもあの3人も…。
呪い殺してやれたらどんなにいいだろうか?
でもそんなことをしたら奴等と同じ悪魔みたいな心になるのが嫌で耐えた。
あの3人がアリーセ嬢に何かするんじゃないか!?常に心配だった。

僕は男嫌いのアリーセ嬢が滅多に出ない夜会に出てきた時だけ気付かれないように影からこっそりと見守った。もちろんあの3人が何かしないかを考えての行動だ。男に囲まれてアリーセ嬢は顔色も悪くいつも可哀想だと思う。

僕なら彼女に無理はさせないのに、あの3人は男嫌いだと判ってても近寄っていく。

「何かないだろうか?」
僕は部屋に篭ったり街へ出て色々な怪しい道具をかき集めた。魔女アルファの家を見つけたのは偶然だけど、魔術書の存在をそこで知った。魔術書は悪魔を呼び出せる書物で契約には代償が必要なことも知った。僕はその中の一冊だけ手に取り買った。高かった。

ある日女ったらしのヘンドリックが僕に話しかけた。こいつ、女の子を片っ端から口説いてしかもその女の子をアリーセ嬢と重ねて見ていやらしい行為をしているみたいだ。だから当然女の子は彼にメロメロになりトラブルが多くなり魅了の薬を盛られそうになることが多い。

「だからさ、そう言う魔除?みたいなのでもいいから俺に一つくれよ!幼馴染みじゃん!」
ヘンドリックに軽く言われる。自分の後始末くらい自分でつけろ!と言いたいけど僕は前髪で目を隠して

「……じゃあ…これ」
とヘンドリックにアクセサリーを渡す。ただの魔除けだ。これ以上人の部屋を荒らされたくなくてさっさと追い返したが、まさかアリーセ嬢が魔術書を持っているとはこの時思わなかった。

アリーセ嬢はいつの間にかエドヴィンやダミアンを含め周囲の人には醜女と思われているらしくおかしいと僕は思った。でもアクセサリーをつけているヘンドリックには効いていない。それに僕にも。ヘンドリックはアクセサリーの効果で効いてないのだろう。僕はふいに魔術書の存在を思い出した!

怖くて一度も開いていなかった。

「あれか…アリーセ嬢は魔術書を持っているんだ…だから同じ魔術書を持ってる僕には効かなかった…」
でもそれならそれでいいのかも?アリーセ嬢は男が嫌いだしその為に買ったのだろうと検討はついたが、男の悪魔と契約したのか?男嫌いのアリーセ嬢が?

悩んでいると今度はエドヴィンやダミアン達が正気に戻りヘンドリックと共に僕の所へきた!

「パトリック!アリーセ嬢が悪魔と契約してる!どういうことだ!アリーセ嬢は唯一あの悪魔に触れるんだ!!僕の婚約者なのに!」

「あの悪魔!俺達に術をかけていやがった!ヘンドリックの様子が変でこの国から出ようとしてたから捕まえて吐かせたんだ!お前なら悪魔のこと詳しいんじゃねえかって思ってな!」
とダミアンは剣を抜いて脅した。

「悪魔のことを教えろ!」
ダミアンは本気だ。エドヴィンも

「うちの騎士を怒らせちゃったね?どうするパトリック…?」
喉元に剣を突きつけられ震えた。
僕は観念して結局あの魔女の家に悪魔を呼び出せる魔術書があると言った。ちゃんと代償のことも説明しておいた。
そして3人は魔術書を手に入れに魔女の家に向かって行った。

3人が去った後…
僕は隠していた魔術書を開き覚悟を決めた。

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