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引きこもりの婚約者に会ったら目が死んでいるし前世が女らしいですわ

黒月白華

第6話 婚約者とペットを探しに行きます

ケヴィン様がヘルトル公爵家の門の前で待っています。今日はケヴィン様と街歩き…デートという名目なのですが、本当の目的は…ペットを探しに行くのです!

え?人間のペットか?違います。普通の猫やら犬やらです。

先日の媚薬騒ぎで大変な目に遭ったケヴィン様は死んだ目で

「もうあんな目に遭うのは懲り懲り。食事を食べるのが恐ろしいわ。入ってるかもって毎日毎日怯えてさ…だからエル…ペットを飼おうと思うの私」

「ペット!?まさか…奴隷を!!?」

「違うわ!誰が奴隷飼うってのよ!!やめてよね!ワンちゃんやネコちゃんよ!思えば可愛くて癒される存在を忘れていたわ!!」

「本当の目的は毒味役ですわね?」
と言うと死んだ目をした。

「……まぁ…自分がなるよりはマシ」

「相当トラウマですわね」

「当たり前よ…ラウラ殺すほんと」
と死んだ目で言う。

と言うわけでペット探しに出かけるのです。ええ、もちろんデートではないのでお洒落なんてと思いますがカモフラージュとして思いっきり無駄な努力しました。ええ、私全然地味なのでお洒落しても服が着て歩いてるくらいですから。

馬車の中でどんなペットにするのかと聞いたら

「とりあえず犬と猫室内で飼うわ。でもこの世界チワワとかパピヨンとかいるのかしら?」

「はあ?チワワ?」

「ポメラニアンとか…ヨークシャテリアとか」

「あっ、ポメラニアンとかは知らないですけどヨークシャテリアは牧羊犬ですわね!?ていうか犬って猟犬や警備犬としての認識しかありませんわ」

「ゲッ…最悪ね…」

「あっほら!プードルなら知ってますわ!飼っているマダムもいるそうな…」

「ええー!?プードル!?あのダサイ犬!?いかにもな金持ち犬ねぇ!ああっ芝犬とかがいないのが辛い。ヨークシャテリアもよく考えたらやかましかったわ」

「犬は大体吠えますわ」

「雑種犬でも拾おうかしら?」

「流石にゴット様が怒るのでは?」

「じゃあ仔犬とか落ちてないかな…」

「落ちては…いないでしょう?」

「いや判んないわ」
と馬車の外を見る。やはりいなくて死んだ目になる。

「いないわ……」

「まぁ仕方ないですわよ」

「じゃあ猫はどんなのがいいかしらね?猫なら滅多に吠えないわ」

「猫は吠えませんわね、でも不吉とか悪魔の使いとか言われて魔女が飼ってるのが一般的な認識ですわね」
と言うと

「魔女って…。まぁ魔女と猫なんかセットみたいなもんだけどさ!」

「貴族なら王族がペルシャ猫を飼ってましたわね」

「ええー?なんで毛の長いやつなのよ!洗うの大変じゃない!三毛猫いないのおー!?」
と嘆く。
王都に着くと馬車を降りてペットショップへと入店する。

「これはこれはお客様ようこそ、何をお求めでしょうか?」
と髭面の店主が手を揉みながらやってくる。私達の身なりやケヴィン様を見て貴族だと察したのだろう。この手の人って高く売りつけてくるのよね…。

店内を見て回ると獰猛なドーベルマンにブルドックなど強そうな犬が噛み付かんばかりに睨んでいたりヨークシャテリアもキャンキャン吠えてうるさいし猟犬が多く、やはりプードルがいた。猫はペルシャしかいなかった。

ケヴィン様の目はやはり死んでいる。

「こちらのドーベルマンは悪いやつをやっつけますよ?」
と怖そうな犬を勧める。

「……………」
ケヴィン様はドーベルマンと睨み合った。そしてポツリと

「いや…可愛くない…」
と言って早くも店を出てしまった!

「いいのですか?ケヴィン様!?」

「だって欲しい?ドーベルマン。室内犬じゃないし。プードルやっぱりあんまり欲しくないし。猫はペルシャしかいないし…ちょっとその辺の路地裏に捨て猫でもいないかしら?」
と路地裏ばかりチラチラ見るケヴィン様。

するとある路地裏を見るとガリガリの野良犬がゴミを漁っていた。ケヴィン様はそれを見て

「可哀想に…あの子拾ってこう…」
と信じられないことを言い出した!
成犬ではないし仔犬だ。ほっといたら死ぬかもしれない。雑種犬ね。でも大丈夫かしら?野良犬だし。

さっきの店で何気に買っておいた骨付き肉をチラつかせ慎重に近づくケヴィン様だが、犬は警戒してグルルルと唸っている。当たり前だ。

「怖くない怖くないおいで?」
と骨付き肉を前に出すが、瞬間ガブリとケヴィン様は犬に噛まれた。

「ぎゃあああ!!いったーーーい!!離せこらっ!!この子は!!私は餌じゃない!」
腕ごとブンブン仔犬を振り回して肉を放り投げてやっと腕から離れて仔犬は肉の方にがっついた。そこでケヴィン様は

「おりゃあ!!」
と仔犬を腹から捕まえて捕獲する。仔犬は暴れてまた噛みつこうとするが今度は首をつまみ素早くさっきの店で何気に買っていたカゴに犬を放り投げた。

もはや仔犬の方が可哀想な気もしてきた。

「はぁはぁ…手こづらせやがって!!」
と見ると手から血がだらだら垂れている!!

「大変!!ケヴィン様!!」
と私はハンカチで巻いたけどすぐに真っ赤になるのでとりあえず医者に行きましょうと王都の医者に行った。

処置を終えて包帯になって痛々しいケヴィン様を心配すると頭を撫でられた。

「そんな心配しなくても大丈夫よ…。狂犬病で死んだらそれはそれで良いかしら?この身体ともお別れね」
しかし先生によると薬飲んで塗り薬塗っておけば2週間くらいで完治と言われている。
それにやはり目が死んだ婚約者様。

とりあえず仔犬を連れて帰りケヴィン様はその犬を使用人に綺麗に洗わせてたっぷり餌と自分の部屋に寝床を作り、バルコニーにトイレを置くという変わったことをしていた。

しかも異常に躾をしだした。ひと月経つ頃にはケヴィン様とレックスと名付けた犬は少し信頼関係が出来ていた。

そして一番は女性に対して吠えさすという調教をしているが、私だけには吠えないよう躾ていたのに驚いた。レックスも私には懐いたがラウラ様には近づくだけで吠えたのだ。

「ふっ…私…ブリーダーの才能があるかもしれないわね!レックスいい子ね!聞いてよエル!この子に媚薬が入ってる食事かそうでないかを嗅ぎ分けさせる訓練しててこの子優秀で覚えたわ!!天才ね!!」
と言うので

「えっっ!!レックス凄い!!」
と撫でるとレックスはペロペロと私を舐める。
それを見て少しだけ赤くなったケヴィン様は

「こらレックス!めっ!」
と言うと今度はケヴィン様を舐める。

ふふふ、尻尾をあんなに振ってるわ。レックスはケヴィン様が大好きなのね。
………ケヴィン様の目は相変わらず死んでいるんだけどね…。たぶん顔中ヨダレ塗れにされ嫌なんだろうけど。

レックスは白い毛並みの犬だ。雑種犬。引きこもりだったケヴィン様は散歩と遊びの為にお庭によく出るようになったし、レックスを飼って良かったのかもしれないわ!

それを影からギリギリしているラウラ様はレックスと私を憎々しげに見ていた。

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