赤髪ハイスペック王子は神獣娘にツンデレです

黒月白華

第30話 大文化祭準備の嫌がらせ

いろいろバタバタしていたがそろそろ秋になりナターナエル学院の大文化祭が行われる。

初等部と中高等部も同時に開かれる為に大文化祭となっているのだ。初等部の奴等も中高等部にこの日だけは入れて俺が初等部にいた頃はシーラに引っ張られてよく行ったのだ。

もちろん学院以外の家族や親戚、友達等も呼ぶことができる。もちろんこの日は防犯対策の為に騎士団や兵士も派遣されることがあり来訪者には入り口で簡単な検査がある。

まぁ悪意を持ってるやつなんか俺とシーラがいるから丸わかりだ。妖しい奴はすぐ様兵士に連絡を入れることにしている。

「ということで!大文化祭も近くなったし!我が天文部も出展することにする!!」
と俺が言うと

「はーい!部長!!」
とシーラは拍手する。

「ていうか!俺部長じゃないしな!サブリナが部長だからなっ!!」
と言うとサブリナは

「ええー?でも何を出展するの?ヴィルくん」
と聞かれて俺は

「おい、エルネスタ公国で星の観測しただろ?」

「それの発表?」
とモグモグとミリヤムが食べながら聞く。

「それもある。エルネスタはブッシュバウムよりよく星が見えたし、大体の検討を付けて適当だが俺は星座を作ったんだ!!」
とカッと発表した!

「せ、セイザ??何でしょうかそれ??」
ユストゥスが聞くが、ユストゥスはシュッツェ先生の膝の上に座らせられもはや巨大な乳に挟まれそうになっているが、皆スルーした。

「いやっ!つっ…突っ込んでくださいヴィルさん!!何でマル先生がここにいるのかっ!!」
とユストゥスは先生から離れた。

「それはユシーが私の婚約者だからさっ!!」

「先生は今の時間っ!職員会議じゃないんですかっ!!?」

「それは終わったさ!だからすっ飛んで来たんだよ!ユシー!それに私は…この天文部とか言うのの顧問になったのさ!つまりユシーと一緒にいられるのさっ!」
と言った。

「顧問って形ばかりだけど歴史学科のガイスラー先生だったんでは??一度も顔出してませんが…」
と俺が言うと

「まぁガイスラー先生は歴史部の方が本格的な顧問になっているからね!代わってもらったんだよ!!」
と勝手に顧問が代わったことを告げられた。

「そうですか…それでですね…」
と続けるとユストゥスがまた突っ込んだ!!

「ヴィルさんんんんん!天文部はイチャイチャ禁止ですよねっ!ねっ!!」
とすがり付いてくるシュッツェ先生を引き剥がしながらユストゥスが言う。

「まぁそうだ…で、続きだが星座ってのは星と星を線でつないで動物などいろいろな物に例えて作ったものだ。俺達がこの世界で1番に星座を作るからお前らの好きな星座を作っていいんだ」
と言う。

(ええーっ、そのまま続けられたあーー!)
とユストゥスの心の声が聞こえたが無視した。

俺は紙を広げてこないだ観測した星の星図を見ながら線を何となく繋いでいく。

「何これ?普通の歪な線だね」
とシーラが言う。

「そうだよ。もはや線は何でもいい。星の位置が判ればいいんだから、次見た時にこの星はこれだなって検討がつくだろう?」
ザシャとサブリナは察して

「そうか!」

「王子…これは星を目印とする為ですね!」

「その通りだ。さらにシーラみたいに覚えにくいと困るから…」
と俺は繋いだ線の上にイケメンのイラストを描いてみた。

「イケメン座だ。今俺が名付けた!」

「「「イケメン座!!!」」」
皆が食い入るように見た!!

「なんか…面白いですね」
とザシャが言い、ミリヤムは他のを線で繋ぎ

「じゃあこれ、ドーナッツ座にしていい?」

「いいぞ、そんな感じで線繋いだりイラスト描いたりして皆にも判りやすくして見よう」

「イラストはヴィルくんが描いてください!上手いから!私は星座の解説とか書いていいでしょうか?適当にですけどこのイケメン座はイケメンが死んで星になりました…とか、こっちのはドーナッツが大量に捨てられて無念で星になりましたとか」

「おお、いいぞサブリナ。俺達で星座物語でも適当に作りゃいいんだ。何せ俺達がこの世界の星座を作った第一人者だからな!」

「あれま、おっもしろいな!ユシー!この部何なんだと思ってたけどいいじゃんね!!」
とシュッツェ先生は気に入ったようだ。

「そうですね、潰れた星読み部より全然面白いですからね」
星読み部か…そんな部とも呼べないのもあったよな。あの後すぐに取り潰されたしな。

「シーラは線繋いでいってくれるか?」

「うん!!」

「サブリナは解説な」

「ザシャはユストゥスと一緒に月を作ってくれ。でかいヤツだとインパクトあるしな!」

「「はい!!」」

「俺はイラストでも描いてくから出来たやつをハサミで切ってくから先生はそれを教室中に暗幕を張ってそこに星図を見ながら貼りつけて下さい!」

「でもそれじゃ…教室真っ暗で見えないんじゃない?」
サブリナが言うと

「ああ、大丈夫だ。ウィル出てこい」
と俺は光の精霊のウィルを呼ぶと黒スーツを着た真面目そうな男が現れる。その手には土産物も持って皆に挨拶する。

「ヴィル王子お呼びでございましょうか?」

「おう、お前大文化祭の時力ちょっと貸してくれないか?」

「大文化祭?ですか?どんなことを?」

「例えばこのイケメン座の点を光らせること出来るか?後で大きな月の模型ができたらそれも暗闇で光らせるつもりだ」

「ええ、いいですよ?簡単です」
するとサブリナが

「この方は誰ですか?ヴィルくん?」

「光の高位精霊だよ。ウィリアム・オル・ウィスパーデだ」
とさらっと言うと皆目が点になった。
まぁこの世界は魔法や精霊なんて珍しいしな。ミリヤムやアスカ様や父上と俺くらいしかこう言った精霊の力を使うこと…というか借りることはできないのだ。ちなみに精霊は年も取らなければ死なない。

「これで準備を進めて行こう!」
おおーっと皆気合いを入れて作業に取りかかった。大文化祭が近付いて寮に帰ってもイラストを描いているとレオンが

「珍しいことしてるな?星座かあ…レオン星はないの?」

「ないよ…」
と言うと

「そりゃ残念だけど俺も見に行くから。頑張れよ!あ、俺の展示にも来ていいぞ?」

「お前何部だよ?そういや…」

「美術部だよ」

「えっ!?お前っまさか絵が描けるのかっ!?」

「いや?全然描けないね」
何で入ってんだよ!?

(女の子が求めてくるから仕方ないよね?)

なんだよ、星読み部みたいなことしてんのか??こいつ…。

「絵のモデルだよ…だから今年の美術部の展示は俺の絵でビッシリ飾られて…ああ、ほんの少しはヴィルのもあるな…そしてこの俺様の粘度人形も飾られているのだ!!楽しみすぎるだろ??」

「絶対行きたくねえ…時間の無駄だわ」
と言うと

「なんでっ!!?」
と返ってきた。



それからようやく大文化祭が近づいてきた頃事件は起こった。授業が終わり教室に行くとサブリナやシーラが泣いていて部屋はめちゃくちゃに荒らされていた。作った物も破壊されている。

「酷いな…」

「私が部室の鍵を開けたら既にこうなってて!」
とサブリナは泣きながら言う。

「誰がこんなこと!許せないよヴィル!」
シーラも怒り心頭だ。ミリヤムは部室に隠してあったお菓子を踏みつけられているのを見て無言で怒りさらにザシャも同じように怒っていた。

ユストゥスは

「これじゃあもう…間に合わないよ…」

「ユシー…可哀想に私が慰めてやろう…」
てシュッツェ先生が抱きしめ苦しがるユストゥス。

「皆…辛いけど出来るだけ修復頑張ろう!今は…今日から見張りを立てるからもう絶対に壊させない!イラストはナタリーにも手伝ってもらうよ…俺は徹夜してでも作り直す!」
皆の思いが詰まった大文化祭を邪魔されてなるものか!!
俺たちはうなづき合い、作業修復を始めた。

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