赤髪ハイスペック王子は神獣娘にツンデレです

黒月白華

第20話 公都ラグニア観光ですが

エルネスタ公国の公都ラグニアは昔ダモンと言う魔物達に支配されそれを父上達が退治したとか言うの話してくれたことあったけど、ダモンなんて今じゃ全然いないし俺たち世代には御伽噺かと思っていたが…ラグニアの中央広場にデデンとそれはあった!

自分の親の…父上と母上のちょっと若い頃10代の頃か?の銅像がっ!!
2人は寄り添いながら手を取り合っている。
ていうか何じゃこれ!?自分の親の銅像を息子が見ている心境。恥ずかしさしかない!!
母上は可愛いよ!?もちろんなっ!

「おおーっ、陛下と王妃様だ!すっげー!流石奇跡の王子だよな!エルネスタ公国をダモン達から救った英雄だって書いてあるよヴィル兄!!」
とフェイトが興奮している。

「そういや俺の父上と母上も昔闘ったらしいって言ってた。母上がコンチャーン様と父上で争ってどっちが母上を射止めるか大変だったって言ってたけど父上は違うって言うし…よく解んねえ!」
フェイトはそう言って悩んだ。

「うちの国をフェイトランス様たちのご両親が救ってくださったなんて感謝しかございませんわ!!師匠もありがとうございます!」

「いや、俺じゃなくて父上達に言ってくれ。後、銅像やめて欲しい…」

「でも陛下達若い頃頑張ったから世界が平和になってるもんね!凄いよヴィル!もっと胸張っていいよ?」
とシーラ。サブリナとユストゥスもうなづく。ミリヤムは相変わらず何か食べていてザシャは

「ミリヤム様、こっちのお菓子もありますよ?」
と渡して何か餌付けてる!!フェイトも負けじと何か買いに行った!!

すると広場から歌声が響いてきた。

「何だ?」

「あ、吟遊詩人だ。たまに来るよ。恋の歌ばっか歌っていく」
この世界恋愛ジャンル世界ってザスキア様から聞いて知ってる俺はまぁ仕方ないと思うけどな。

皆で派手な衣装で弾き語っている青年を見物した。

「昔~素敵な赤い髪の美しき少女と金髪碧眼の王子様はとても仲が悪かった~♪それは何故か~?王子様は樽のように豚のように太っていたからさ~♪しかし王子様は努力を続け愛する少女の為に美しい王子へと姿を変えて想いあったのさ~♪」
どっかで聞いたことあると思ったらまるっきし父上と母上の話に違いない!くああっ!なんだこれ!吟遊詩人にも語り継がれる俺の父上と母上の恋愛話とか恥ずかしくて聞いてられっかよ!!

「も、もう行こうぜ…もう無理!」

「ええー?俺たちもっと聞きてえよー?」

「僕も」

「私も」
と皆が言うので俺は顔を真っ赤にしながら聴くしかなかった!早く終わればいいのに今度は詩人のやつ

「全ての奇跡が終われば、2人の間にもう一つの奇跡が生まれけり~♪そう2人の愛の結晶の可愛い赤ちゃんさ~♪♪」
ぎ、ぎやーーーー!!ついに俺誕生のことまで歌にっ!!辞めろおおおお!!

俺はついにバシンと詩人の周りに結界を張って声を遮断した。

「あれ?何だ?聞こえないぜ?どうなってんだ!?」
と周りがザワザワしだしてぺこりと詩人が頭を下げた時にこっそり解除しておく。

「本日もありがとうございました!」
と青年はスッキリしていた。

「おい!最後の方聴こえなかったぞ!もっとちゃんと歌えや!!」
と詩人は石を投げられた。あっ、ちょっと悪いことしたな。でも恥ずかしくて堪んなかったしな。

「王子、商売の邪魔をしてはなりませんよ?」
とザシャに睨まれた。

「へい…」
と俺は詩人に近寄り怪我を治療してやると

「おおっ!貴方様はまさかっ!奇跡の王子ヴィルフリート様ではありませんか??」

「すまん、俺のせいで…でも恥ずかしくて」
と詩人に謝ると

「いいのですよ、それより実物の貴方様にお会いできて嬉しいです!私はルッツ・ライヒと申します。ん?横の美しい人は?」

(何という神々しくも美しい娘さんだ!!)
するとシーラは警戒して俺の腕を取り、

「私はヴィルの婚約者だよっ!!」
と睨んだ。すると詩人は

「おおっ!ヴィルフリート様の!!お似合いです!お二人の馴れ初めは?」
(新作が出来そうだぞ?)
と歌う気満々なのでとりあえずお金をいくらか払いさっさと離れた!!

「あー…ほんと恥ずかしかった」
と俺が顔を覆っているとミリヤムは

「ぬふふっ、ヴィル、知らないんだ?もっと恥ずかしいものあるの」

「はっ!?」
嫌な予感。

ミリヤムはお土産屋で俺の父上と母上の人形やらグッズがたくさん売られているのを見せた。
ぎゃあああ!!何だこれええええ!!

うちの国にも母上の魔除の精巧なフィギュアとか言う人形ならあるがこちらでは小さな飾りでチェーンがついたガラス細工のものからあらゆるところに父上と母上の伝説が刻まれ売られていた。

脱力した。
どの店も何かしら父上達のモノが売られてたし。

「はい、ヴィル、冷たい果実ジュースだよ」
とシーラが渡してくれて皆で立ち飲みしながら回って、見晴らしのいい公都が見渡せる場所に来た。小高い丘のような場所だ。

「おおっ…いいな」
エルネスタ公国は小国で壁に囲まれていくつかの中央の公都ラグニアを囲んでいくつかの村や町がグルリとあった。
しかしこの丘の周り見事に大人の恋人達が多い。

「ミリヤムここは…」

「ここでキスすると永遠に結ばれるとかいうジンクスがあるみたいだよモグモグ」

「「「え!?」」」
そういうのどこにでもあるし。
ジンクスなんていい加減だよなぁ…と思っているが、フェイトとザシャとナタリーは確実に反応した。

ギラギラと3人が燃えていた。ナタリーはポケットからネタを書き出している。ザシャとフェイトは火花がバチバチ舞い、サブリナとユストゥスは平和に景色を眺め、シーラはまだ俺に引っ付いている。ミリヤムは相変わらず食ってる。

「ふうん、ここで好きなやつとキスすると結ばれるのか」
フェイトがわざとデカい声を出す。

「ふふ、そうみたいですね…」
とザシャ。

「なぁザシャ?負けた方が諦めないか?」
と拳をバキバキさせるがザシャは

「それは公平ではありませんよ貴方はレーナ様の血を引いておられるので私が負けることは想像がつくので公平ではありません。暴力でかたをつけようだなんて野蛮です!ここはオセロで」

「それこそ公平じゃねえ!お前めちゃくちゃオセロ得意じゃねーか!!」
ううむ、フェイトは体力馬鹿でザシャは頭脳戦が得意だった。

「おい!んなとこで喧嘩すんなっ!次行くぞ!!」
2人はまだ睨み合っている。

「おい、ミリヤム!あいつらを止めっ…」
ん?さっきまで食ってたミリヤムがいない。

「おい、ミリヤムどこ言った?」

「え?さっきまでいたよね?」

「僕はサブリナ先輩と景色見てましたので気付きませんでした」
とユストゥスがヘコヘコ言い、サブリナもうなづく。ザシャとフェイトは青くなった。シーラは俺に引っ付いていて俺しか見てなかったし…。ナタリーもネタを書くのに夢中だった。心の声が聞こえなかったから誘拐じゃない?いや、あいつは聞こえても食い物しか頭にない。

「シーラ不審な奴見たか?」
シーラは

「ううん?ヴィルカッコいいなぁってヴィルしか見てなかった!!」

「じゃあやっぱり1人でフラフラ食い物漁りにいったのならその辺にいるだろ?探そう!見つけたらスマホで連絡」

「おいザシャ!勝負だ!どっちが先にミリヤムねーちゃん見つけるか!」

「はい、フェイト様それはいいですね」
と2人はどっちが先に見つけるか勝負になった。
これはやべえ!あいつらより先に見つけないとどっちかが不幸な結末に!!

「とにかく、ナタリーとユストゥスとサブリナに俺とシーラ、ザシャ達は勝手に探せ!っつーことで、先に見つけた方が連絡しろ」
と皆は別れた。

シーラは俺の手を握りしめて言った。

「ねぇヴィルはフェイトくんとザシャくんのどっち応援するの?」

「んなの判んねぇよ!あいつら2人とも大事だし!どっちかが傷付くなんて…」

「今はいいけど…いずれ傷付くことになるよ?だからね?シーラは…シーラはザシャくん応援するの!」
とシーラは迷いなく言った!

「えっっ!?な、何でだ!?」
シーラは微笑むと言った。

「だって…ザシャくん…本当にミリヤムちゃんのこと大事に想っているよ?心の中は読めないけど…自分より爵位が上のフェイトくんに譲らなかった!あんなザシャくん初めて見た」
と言われて俺も気付いた。ザシャの性格なら爵位が上の者にはたぶん逆らえないが、幼なじみ同然に育った俺たちには遠慮しなかったが、やはり俺とシーラやミリヤム、フェイトにも一応は下の者として接している節はあった。

ザシャが俺に相談しに来たのも本気だったしそりゃフェイトもそうだが…あいつは自分の心のうちをあまり見せなかったのに…話した。

「ザシャ…」

「ヴィルがフェイトくんを応援してもいいけどシーラはザシャくんにするね!」
とそこで気付く。

「シーラ…お前ザシャに何か言われたか?」

「んえっ!?」
俺はジーッとシーラを見つめるとシーラは赤くなり

(や、やだ!ヴィルそんなに見つめないで!制御できない!!別に言われてないもん!ザシャくんに協力してくれたら男子寮潜入ルート教えるとか!!)
俺はシーラにチョップした!

「シーラあああ!!男子寮に潜入とか絶対すんなよっ!!公平にジャッジしろおおお!!」

「ふああああい!!」
とシーラは涙目で頭をさすった。

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