死にたい聖女がやってきた
第21話 世界樹の思惑2
りぼんとベッドの上でキスを交わす。ヤバイ!このままではパーシヴァル同様押し倒したくなってしまうではないか!!
「す、すまない…りぼん!これ以上は!」
と俺はりぼんの首をトンと叩き一瞬で気絶させた。胸が痛んだが、もう仕方なかった。
「ウグッ!!」
と呻き倒れた。ごめん!!ほんとごめん、目覚めたら殴ってくれ!
そして俺は懐から短剣を取り出して正気を保つ為に自分の掌を刺した!
「ぐっ!!!」
どくどくと血が流れてくる。なんとか布で手を巻いた。痛みでなんとか正気になることができた。
凄い痛いけど!!
りぼんをベッドで寝かせて俺は床に座り込んで壁にもたれた。
痛みでとても寝れそうになかった。
明け方にようやく俺は意識朦朧となり気を失ったようだ。
*
「…さん!!」
誰かが必死に起こした。
「りぼん…」
「泉の水を汲んできたよ!!無茶をして!!」
と桶に水を入れて持ってきた。部屋の鍵は空いているしもう昼過ぎだと気付いた。
桶に手を浸すと痛みは引いて傷は塞がり治ってしまった。
媚薬の効果は切れていた。良かった。
テーブルにはご飯が並んでいたが同じ事になるので俺とりぼんは手を付けなかった。
「許せない!本人の意思を無視してこんなこと!!世界樹ってなんなのよ!!」
りぼんも怒っている。
「…世界樹は生命の樹と呼ばれていて…世界樹を燃やせばこの世界が消えて無くなると言われているんだ。世界樹があるから異世界から聖女を召喚できるし世界樹があるから俺たちは魔力を使うことができる…。でも意思があるとは思わなかったけどね」
「ライさん…ごめんなさい。本当に…。私世界樹の所に行くね」
と立ち上がる。
「俺も付き添うよ…昨日は済まなかった。りぼんのことは好きだけど、世界樹の思惑通りにするのは嫌だったから…」
「判ってる。私なんかあっさり洗脳されてしまったし……」
とりぼんはしゅんとする。可愛いから辞めて。
「ともかく行こう」
とりぼんを支えて立ち上がり世界樹の元に行くとりぼんは世界樹を見上げて会話をし出している。きっとりぼんにしか聞こえないのだろう。
「……なんでこんなことを?何故ここまでこの世界の人を憎むの?」
とりぼんが聞いている。
「…………そりゃ人間だから悪い人もいるよ。でも生きてく為には仕方ないよ。戦争もおこる。私の世界でもあるよ。もっと酷いよ。……」
「りぼん?世界樹はなんと?」
りぼんは悲しげな顔をしていた。
「この世界の人には魔力があるよね?マナを与えて産まれさすのは世界樹が存在してるからだって。世界樹は世界中の森が親戚みたいなもので…そこに住む魔物は人間に狩られ時には戦争を起こす。
自分の与えた力で人同士が殺し合い、森が減る、血が流れる…悪人は魔力を使い犯罪を起こしている。それに耐えられなくなったみたい。
それに大昔は世界樹を守る一族のエルフがいたけど人間によって滅ぼされたり生き残ったエルフは人間の奴隷にさせられたって。そして世界樹も狙われるようになってしまった。大切なエルフの民は奪われて世界樹は結界を張り身を隠してここには異世界から来る選ばれし聖女とその夫となる、人類リセット計画をしようとした」
りぼんはそう説明した。
「エルフ…いるんですか?ライさん…」
「…………ああ、確かに。俺が産まれる前からいる。庶民の下の階級で奴隷商が売っていたり貴族の玩具として弄ばれたり…。エルフはそんな扱いばかりだ。俺も保護活動をしているけど、手が回らないことが多い。
それに魔力を使い戦争を起こす国があるのも事実だ。軍用魔術を極め殲滅する」
「………うん、ほぼほぼラノベ展開だよ」
とりぼんは言う。ラノベって何!?
「世界樹は異世界から聖女が来るのを待ってた。世界に黒い闇の蜂の巣を作り、人々を少しずつ弱らせて死なせる。この世界の人間が治せないような特別なマナを使っている。聖女しか浄化できないようにしているって…。
3人も呼ぶから誰がこの場所に必要か、精霊を使いずっと監視していたみたい。あ、ハゲ森はちょっと論外らしく自動的に外されてる」
ヨネモリ先生…。頑張って浄化の旅に出て行ったのにあんまりだよ。
「だから早急に私達をここに呼び料理を食べさせて子を作らせようとしたが私達は拒んだと言ってる」
「そりゃ無理矢理は嫌だし世界中の人間を殺すのと引き換えとかは嫌だよ」
「私もそう思う………え?」
「お前達がダメなら次の候補の奴を呼ぶ?」
りぼんがそう言うとその場にすうううとアシュトンとユッキーナ様が現れた!!
しかもアシュトンはユッキーナ様に襲われかけ服が破けそうになり
「助けてー!」
と叫んでいる所だった!!
「…こいつらならお前達より早く産んでくれそうだって」
半目になりりぼんは言う。
確かにな…。
「あれ?どこよここ?…ん?王子じゃん?それにあんた…TVで見た小園りぼんじゃん!!」
とフルネームで呼ばれりぼんは顔をしかめた。
「ビッチ…」
とボソリと呟いた。
「お、王子!!こんな所に!!自分達は王子が消えたと聞き、王に命じられユッキーナ様の力で探して貰おうとしていたのですが!!何故か魔力を上げたいからと自分がユッキーナ様に襲われそうになっておりまして!!
…ダーレン神官長が扉の側で覗き見しているから辞めてくださいと言ってるのに!!」
あのエルフ何してんだよ!
ん?エルフ?
「そうだ!ダーレン神官長はエルフだ!エルフの中でも賢く奴隷にならずに生きている者もいる!最近では奴隷解放に力を注いでいる。これからこの世界を良くしてみせる!」
と俺が言ったことをりぼんは世界樹に通訳している。
アシュトンに状況を説明するとアシュトンも驚いて
「ひえええ!!」
と叫んで怯えた。
しかしユッキーナ様は
「ふーん?面白そう!別にあーしは世界樹に協力してもいーし?アシュトンとラブリたいし」
と言うからりぼんは
「この世界の人が死んでもいいの!?良い人もいると思う」
と言うとりぼんはユッキーナ様に胸ぐらを掴まれた。
「何?あんた?隠キャのくせしてさ。この世界のことなんてあーし達はろくに知らないじゃん?世界樹ちゃんもこの世界の人が嫌いならあーしは聖女として協力する!」
と言う!それにアシュトンは反対した!
「自分は嫌です!自分の生まれた国も世界の人々が死ぬのを見るのは!王子の言う通り聖女は世界を救う為に召喚したのに!」
アシュトン…お前の寿命を削ってな!!
「アシュトン……アシュトンあーしと仲良くしたくないの?いつも拒否るけど」
「貴方は節操が無さすぎる!!もう少し慎んでください!!」
とアシュトンは声を張り上げた!おお!気弱なアシュトンが怒った!!
「世界樹が言ってるよ…エルフの神官長のことももちろん監視はしていたが、時々というか禁欲生活が長引いたせいか一人で堕落しバカな妄想ばかりしていると。情けない。エルフの民がここまで堕ちてしまったのも人間のせいだと…」
え?何?じゃあ、ダーレンがちゃんとしてればまだマシだったってこと?嘘だろ?ダーレンがエロいせいで!?
ダーレン…やっちまったな…。
「この世界の人間を滅ぼすと言うなら…俺はここで死ぬ!何も口にしない!」
と俺が言うとりぼんもうなづき
「私も!ライさんと共に死にます!!」
と俺たちは手を繋いだ。
アシュトンも
「王子!自分もです!とても世界樹とは意見が合いません!自分も死にます!!当然新しい聖女も呼ばない!!」
「え?やだし!アシュトンが死ぬとか!!あーしもうアシュトンしか嫌だし!!」
とユッキーナ様の言葉にアシュトンは少し照れたが手を繋ぐことはない。
*
それから小屋に戻り美味しそうな料理が勝手に出されたが媚薬入りのこれを食べようとは思えない。ユッキーナ様は縛り上げておいた。こいつは食べそうだし。
「これからどうする?とりあえずアシュトンと俺は一緒にいよう。聖女と二人になったらまたヤバイだろう」
「そうですね。特にユッキーナ様は媚薬無くても自分を襲ってくるので」
「いや、お前がそこはしっかりしろアシュトン!」
「すいません…。これでも頑張ってます」
としょぼんとした。
「このまま餓死でしょうか?」
折角りぼんが少し回復してきたのに…。まさか死ぬことになるとは!でも今度は俺も一緒に死ぬから!
「世界樹の結論を聞くしかないです…」
とりぼんも言う。
するとテーブルの料理が消えて新しい料理か現れた。りぼんが
「ごめんねって精霊ちゃんが言ってる。この料理には媚薬入ってないよって」
しかしアシュトンは
「いや、精霊も世界樹の手の者。王子!信用できませんよこれ!そうだ!ユッキーナ様に毒味させて様子見しましょう!」
「ええ!?お前そんなことしていいのかよ!?」
「はい…ユッキーナ様でしたら問題ないでしょう」
いや、お前は何なの?ユッキーナ様のこと好きなのか実験台にしたいのか!?
縛られたままのユッキーナ様の口布を外してアシュトンはスプーンを近づけた。
「ユッキーナ様…ほら…ご飯ですよ?あーんしてください」
「アシュトンのあーんはしゅき!!」
とあっさり口を開けた。それを見てりぼんはまたボソリと
「あざとギャルクソビッチめ」
とか言っていた。意味は考えないでおこう。
ユッキーナ様は特に何も無いようであれもこれもおいぴー!!とか叫んでいる。
しばらく様子見していたら…ユッキーナ様が急に暴れ出してエビみたいになりはぁはぁし出した!
「思い切り媚薬入ってんじゃねーか!」
「食べなくて良かったですね」
「危なかった…」
と俺たちはホッとした。精霊のやつ!騙したな!!俺たちの警戒心は強固となる。
ユッキーナ様が辛そうだから俺はとりあえずりぼんとは逆に遠慮なく腹を殴り気絶させといた。
それから男女別に別れて眠る。
*
次の日…
俺たちはテーブルの料理を無視して世界樹の前に再び来た。ユッキーナ様は引きづってきた。
「ちょ!あーしは食べてもいいっしょ!?」
「ダメです!!」
とアシュトンは今や強い口調でハッキリと言った。
「お腹空いたしーー!ペコりんだよー!」
と泣いた。りぼんは
「ギャルうざ」
と本人に聞こえないように言っていた。
「世界樹…お願い…ここから出して?貴方の願いは聞いてあげられない。この世界の人々を私は守りたいの…」
とりぼんが手を組んで願うが…。
「え?な、何?ひど!!」
とりぼんは青ざめた。それを聞いていたユッキーナ様はケラケラ笑い出した!
「あはは!世界樹にバカにされてるよあんた!!あたしの方がよっぽど適合してるって!!そうよ!アシュトンの子だったら何人だって産んであげるし!!…………え?なら、王子と元聖女は要らないって?うんそうね!要らないかも!
……楽園からの追放?楽園のことを人間達に知られないよう地の底に送る?…だってー!王子様?」
とユッキーナ様は笑う。
何だと!?
精霊がどうやら俺とりぼんを浮かせたようだ!!アシュトンが叫んだ!!
「王子!!王子!!」
「アシュトン!!絶対に食べ物を食うな!聖女と交わるな!!」
と叫ぶと俺とりぼんは楽園から消えた。
          
「す、すまない…りぼん!これ以上は!」
と俺はりぼんの首をトンと叩き一瞬で気絶させた。胸が痛んだが、もう仕方なかった。
「ウグッ!!」
と呻き倒れた。ごめん!!ほんとごめん、目覚めたら殴ってくれ!
そして俺は懐から短剣を取り出して正気を保つ為に自分の掌を刺した!
「ぐっ!!!」
どくどくと血が流れてくる。なんとか布で手を巻いた。痛みでなんとか正気になることができた。
凄い痛いけど!!
りぼんをベッドで寝かせて俺は床に座り込んで壁にもたれた。
痛みでとても寝れそうになかった。
明け方にようやく俺は意識朦朧となり気を失ったようだ。
*
「…さん!!」
誰かが必死に起こした。
「りぼん…」
「泉の水を汲んできたよ!!無茶をして!!」
と桶に水を入れて持ってきた。部屋の鍵は空いているしもう昼過ぎだと気付いた。
桶に手を浸すと痛みは引いて傷は塞がり治ってしまった。
媚薬の効果は切れていた。良かった。
テーブルにはご飯が並んでいたが同じ事になるので俺とりぼんは手を付けなかった。
「許せない!本人の意思を無視してこんなこと!!世界樹ってなんなのよ!!」
りぼんも怒っている。
「…世界樹は生命の樹と呼ばれていて…世界樹を燃やせばこの世界が消えて無くなると言われているんだ。世界樹があるから異世界から聖女を召喚できるし世界樹があるから俺たちは魔力を使うことができる…。でも意思があるとは思わなかったけどね」
「ライさん…ごめんなさい。本当に…。私世界樹の所に行くね」
と立ち上がる。
「俺も付き添うよ…昨日は済まなかった。りぼんのことは好きだけど、世界樹の思惑通りにするのは嫌だったから…」
「判ってる。私なんかあっさり洗脳されてしまったし……」
とりぼんはしゅんとする。可愛いから辞めて。
「ともかく行こう」
とりぼんを支えて立ち上がり世界樹の元に行くとりぼんは世界樹を見上げて会話をし出している。きっとりぼんにしか聞こえないのだろう。
「……なんでこんなことを?何故ここまでこの世界の人を憎むの?」
とりぼんが聞いている。
「…………そりゃ人間だから悪い人もいるよ。でも生きてく為には仕方ないよ。戦争もおこる。私の世界でもあるよ。もっと酷いよ。……」
「りぼん?世界樹はなんと?」
りぼんは悲しげな顔をしていた。
「この世界の人には魔力があるよね?マナを与えて産まれさすのは世界樹が存在してるからだって。世界樹は世界中の森が親戚みたいなもので…そこに住む魔物は人間に狩られ時には戦争を起こす。
自分の与えた力で人同士が殺し合い、森が減る、血が流れる…悪人は魔力を使い犯罪を起こしている。それに耐えられなくなったみたい。
それに大昔は世界樹を守る一族のエルフがいたけど人間によって滅ぼされたり生き残ったエルフは人間の奴隷にさせられたって。そして世界樹も狙われるようになってしまった。大切なエルフの民は奪われて世界樹は結界を張り身を隠してここには異世界から来る選ばれし聖女とその夫となる、人類リセット計画をしようとした」
りぼんはそう説明した。
「エルフ…いるんですか?ライさん…」
「…………ああ、確かに。俺が産まれる前からいる。庶民の下の階級で奴隷商が売っていたり貴族の玩具として弄ばれたり…。エルフはそんな扱いばかりだ。俺も保護活動をしているけど、手が回らないことが多い。
それに魔力を使い戦争を起こす国があるのも事実だ。軍用魔術を極め殲滅する」
「………うん、ほぼほぼラノベ展開だよ」
とりぼんは言う。ラノベって何!?
「世界樹は異世界から聖女が来るのを待ってた。世界に黒い闇の蜂の巣を作り、人々を少しずつ弱らせて死なせる。この世界の人間が治せないような特別なマナを使っている。聖女しか浄化できないようにしているって…。
3人も呼ぶから誰がこの場所に必要か、精霊を使いずっと監視していたみたい。あ、ハゲ森はちょっと論外らしく自動的に外されてる」
ヨネモリ先生…。頑張って浄化の旅に出て行ったのにあんまりだよ。
「だから早急に私達をここに呼び料理を食べさせて子を作らせようとしたが私達は拒んだと言ってる」
「そりゃ無理矢理は嫌だし世界中の人間を殺すのと引き換えとかは嫌だよ」
「私もそう思う………え?」
「お前達がダメなら次の候補の奴を呼ぶ?」
りぼんがそう言うとその場にすうううとアシュトンとユッキーナ様が現れた!!
しかもアシュトンはユッキーナ様に襲われかけ服が破けそうになり
「助けてー!」
と叫んでいる所だった!!
「…こいつらならお前達より早く産んでくれそうだって」
半目になりりぼんは言う。
確かにな…。
「あれ?どこよここ?…ん?王子じゃん?それにあんた…TVで見た小園りぼんじゃん!!」
とフルネームで呼ばれりぼんは顔をしかめた。
「ビッチ…」
とボソリと呟いた。
「お、王子!!こんな所に!!自分達は王子が消えたと聞き、王に命じられユッキーナ様の力で探して貰おうとしていたのですが!!何故か魔力を上げたいからと自分がユッキーナ様に襲われそうになっておりまして!!
…ダーレン神官長が扉の側で覗き見しているから辞めてくださいと言ってるのに!!」
あのエルフ何してんだよ!
ん?エルフ?
「そうだ!ダーレン神官長はエルフだ!エルフの中でも賢く奴隷にならずに生きている者もいる!最近では奴隷解放に力を注いでいる。これからこの世界を良くしてみせる!」
と俺が言ったことをりぼんは世界樹に通訳している。
アシュトンに状況を説明するとアシュトンも驚いて
「ひえええ!!」
と叫んで怯えた。
しかしユッキーナ様は
「ふーん?面白そう!別にあーしは世界樹に協力してもいーし?アシュトンとラブリたいし」
と言うからりぼんは
「この世界の人が死んでもいいの!?良い人もいると思う」
と言うとりぼんはユッキーナ様に胸ぐらを掴まれた。
「何?あんた?隠キャのくせしてさ。この世界のことなんてあーし達はろくに知らないじゃん?世界樹ちゃんもこの世界の人が嫌いならあーしは聖女として協力する!」
と言う!それにアシュトンは反対した!
「自分は嫌です!自分の生まれた国も世界の人々が死ぬのを見るのは!王子の言う通り聖女は世界を救う為に召喚したのに!」
アシュトン…お前の寿命を削ってな!!
「アシュトン……アシュトンあーしと仲良くしたくないの?いつも拒否るけど」
「貴方は節操が無さすぎる!!もう少し慎んでください!!」
とアシュトンは声を張り上げた!おお!気弱なアシュトンが怒った!!
「世界樹が言ってるよ…エルフの神官長のことももちろん監視はしていたが、時々というか禁欲生活が長引いたせいか一人で堕落しバカな妄想ばかりしていると。情けない。エルフの民がここまで堕ちてしまったのも人間のせいだと…」
え?何?じゃあ、ダーレンがちゃんとしてればまだマシだったってこと?嘘だろ?ダーレンがエロいせいで!?
ダーレン…やっちまったな…。
「この世界の人間を滅ぼすと言うなら…俺はここで死ぬ!何も口にしない!」
と俺が言うとりぼんもうなづき
「私も!ライさんと共に死にます!!」
と俺たちは手を繋いだ。
アシュトンも
「王子!自分もです!とても世界樹とは意見が合いません!自分も死にます!!当然新しい聖女も呼ばない!!」
「え?やだし!アシュトンが死ぬとか!!あーしもうアシュトンしか嫌だし!!」
とユッキーナ様の言葉にアシュトンは少し照れたが手を繋ぐことはない。
*
それから小屋に戻り美味しそうな料理が勝手に出されたが媚薬入りのこれを食べようとは思えない。ユッキーナ様は縛り上げておいた。こいつは食べそうだし。
「これからどうする?とりあえずアシュトンと俺は一緒にいよう。聖女と二人になったらまたヤバイだろう」
「そうですね。特にユッキーナ様は媚薬無くても自分を襲ってくるので」
「いや、お前がそこはしっかりしろアシュトン!」
「すいません…。これでも頑張ってます」
としょぼんとした。
「このまま餓死でしょうか?」
折角りぼんが少し回復してきたのに…。まさか死ぬことになるとは!でも今度は俺も一緒に死ぬから!
「世界樹の結論を聞くしかないです…」
とりぼんも言う。
するとテーブルの料理が消えて新しい料理か現れた。りぼんが
「ごめんねって精霊ちゃんが言ってる。この料理には媚薬入ってないよって」
しかしアシュトンは
「いや、精霊も世界樹の手の者。王子!信用できませんよこれ!そうだ!ユッキーナ様に毒味させて様子見しましょう!」
「ええ!?お前そんなことしていいのかよ!?」
「はい…ユッキーナ様でしたら問題ないでしょう」
いや、お前は何なの?ユッキーナ様のこと好きなのか実験台にしたいのか!?
縛られたままのユッキーナ様の口布を外してアシュトンはスプーンを近づけた。
「ユッキーナ様…ほら…ご飯ですよ?あーんしてください」
「アシュトンのあーんはしゅき!!」
とあっさり口を開けた。それを見てりぼんはまたボソリと
「あざとギャルクソビッチめ」
とか言っていた。意味は考えないでおこう。
ユッキーナ様は特に何も無いようであれもこれもおいぴー!!とか叫んでいる。
しばらく様子見していたら…ユッキーナ様が急に暴れ出してエビみたいになりはぁはぁし出した!
「思い切り媚薬入ってんじゃねーか!」
「食べなくて良かったですね」
「危なかった…」
と俺たちはホッとした。精霊のやつ!騙したな!!俺たちの警戒心は強固となる。
ユッキーナ様が辛そうだから俺はとりあえずりぼんとは逆に遠慮なく腹を殴り気絶させといた。
それから男女別に別れて眠る。
*
次の日…
俺たちはテーブルの料理を無視して世界樹の前に再び来た。ユッキーナ様は引きづってきた。
「ちょ!あーしは食べてもいいっしょ!?」
「ダメです!!」
とアシュトンは今や強い口調でハッキリと言った。
「お腹空いたしーー!ペコりんだよー!」
と泣いた。りぼんは
「ギャルうざ」
と本人に聞こえないように言っていた。
「世界樹…お願い…ここから出して?貴方の願いは聞いてあげられない。この世界の人々を私は守りたいの…」
とりぼんが手を組んで願うが…。
「え?な、何?ひど!!」
とりぼんは青ざめた。それを聞いていたユッキーナ様はケラケラ笑い出した!
「あはは!世界樹にバカにされてるよあんた!!あたしの方がよっぽど適合してるって!!そうよ!アシュトンの子だったら何人だって産んであげるし!!…………え?なら、王子と元聖女は要らないって?うんそうね!要らないかも!
……楽園からの追放?楽園のことを人間達に知られないよう地の底に送る?…だってー!王子様?」
とユッキーナ様は笑う。
何だと!?
精霊がどうやら俺とりぼんを浮かせたようだ!!アシュトンが叫んだ!!
「王子!!王子!!」
「アシュトン!!絶対に食べ物を食うな!聖女と交わるな!!」
と叫ぶと俺とりぼんは楽園から消えた。
          
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