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秘密の多い魔力0令嬢の自由ライフ

嵐華子

48.精霊の加護

「アリー、無事か?!」
「ちょっとバルトス?!」

 あ、今確実にカオスな状況が更にカオスになった。
バルトス義兄様の転移に、ギディアス様がくっついてきた感じかな。
あれ、何でリューイさんがいるの?!
ドアは開いてないよね?

「うわ、何故リューイが?!」

 あ、王子も立ち上がって驚いてる。
そしてリューイさん無言····むしろ無視してない?

「うっわ、変態男が増えた」
「ふん、相変わらず胸以外軽そうな女だな」
「親子そろってそれしか言えないわけ?!」

 あ、フェルってば義兄様とも相性悪かった。

「アリー、どんな状況かな、これ?」

 ギディアス殿下、笑顔が怖いです。
むしろそれは僕のセリフです。
そもそも僕は未成年、保護者は義父様だよ。
義父様もそのまま無言貫かないでよ。

「えー、誰かこれ以上この部屋には誰も入らないようにしてくれない?」
「可愛いアリー、そんなの俺がやるよ」

 義兄様がすぐに部屋全体に結界を張って、扉にも施錠する。

「とりあえず、皆さん座りましょう?」
「私は護衛なので殿下の後ろに」
「俺はアリーの隣に決まっている」
「私は後ろから抱きついちゃう」
「ふざけるな、胸だけ女め!」
「何ですって、この変態!」
「私は元の場所に」
「じゃあ私はゼストゥウェル王子の隣にいくよ」
「僕はゼストの反対側の隣に」

 元々座ってた義父様以外は各自思い思いの場所に座る。
何か途中後ろと隣で小競り合いが勃発してたような。

 にしてもフェル、後頭部にお胸押しつけるのやめない?
窒息はしないからいいけどさ。

「バルトス義兄様達はどうしてここに?」
「ああ、後で報告だけと言ってあったのに、すまないね。
あの後バルトスと会ってね」
「俺の執務室に来たのは殿下でしょう」
「まぁ、それで後を君に任せた事を伝えたら、2人っきりになったと勘違いして転移しようとしたから慌てて止めようとして、こうなってしまったんだよ」
「····兄様、わざとですね。
父様がいるのにそんなことあるわけないって、わかってましたよね」

 ジトリと義兄様を睨む。

「ふ、怒った天使は今日も可愛いな」
「仕事着姿の兄様も格好良くて素敵ですが、仕事に戻りますか?」
「う、すまない。」
「ギディアス様も、わざと過ぎます。
気づかないと思いましたか?」

 軽く睨んでみるけど、飄々と肯定される。

「あ、バレた?
精霊の事をもっと知りたくて好奇心が暴走してしまったよ。
でもこちらの護衛達はひとまず外してあるから、心配しないで」

 この2人、こういう時だけは息ぴったりにとぼけようとするんだから、困った大人だよね。
ため息出ちゃうよ。

「リューイは何故入室を?」
「突如部屋の気配が数名分増えたので、殿下の護衛としては外で待機と命令されていても当然の行動かと」
「すまない、アリアチェリーナ嬢。
リューイにも誓約させた方が良いか?」

 うん、それは仕方ない。
僕はちらりと振り返ってフェルを見る。

「あなた竜人よね。
それならこの場で知り得た情報は秘匿すると言葉で誓約すれば問題ないわ」

 え、竜人って獣人の中でも強さが上位なんじゃなかった?
1度制約の言葉を口にすれば律儀に守るから情報漏洩は心配いらないけど、確かプライド高くて一匹狼っぽいタイプが多いのも竜人の特徴だって聞いた事ある。
何で残念王子の護衛なんかしてるんだろ。
あ、失言だった。
つい、うっかり。

 僕は王子を見て頷く。
あれ、何で王子ちょっと驚いた顔してるの?

「····秘匿すると誓う」

 まぁこれでいっか。
にしてもやっぱりどこかで見たような。

 ふと、一瞬今の僕と同じくらいの小さな手が僕に向かって伸びてこようとする記憶が蘇る。
え、これって赤ん坊の時の····僕の記憶?
でも何で胎児記憶から今までのあるはずの記憶が曖昧なんだろ?

「アリー、どうしたの?」

 頭を撫でながらフェルが耳元で囁く。

「····そろそろ眠いなって」
「え、あと少し頑張ってくれないかな」
「私達はお暇しようか」
「せめて侯爵は説明して」

 ふふ、義父様ったら僕優先で愛されてるね。
ギディアス様の慌てた感が面白い。

「冗談です。
簡単に説明すると、闇の精霊さんと王子によって精霊の理に軽く抵触して消えかかってたところに、それに腹を立てた光の精霊であるフェルが闇と拮抗する呪印を精霊石に施して消滅させるまでの時間を早めたのが今回の発端です。
フェルの名前は彼女の許可なく呼ばないで下さい。
消滅は回避したので、めでたしめでたしです」
「え、彼女光の精霊なの?!」
「いや、ただの破廉恥女だ」
「何ですって?!」

 もう、義兄様とフェル煩いんだから。

 さっさと終わらせたくて手短に早口で話すけど、ギディアス様が反応するからまだ続くみたい。
何だろう、疲れちゃったのかな。
ちょっと苛々してるんだ、僕。

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