【溺愛中】秘密だらけの俺の番は可愛いけどやることしれっとえげつない~チートな番を伴侶にするまでの奔走物語
100.皇子フルボッコ
「そもそもリドラビルの皇子がどうしてトビと絡んだんだ?
そういえばレンカがその舌を再生したとか、あの国を潰してしがらみから解放したとか言ってたが····」
それを聞いてトビが少し顔をしかめた。
「そういえばレンカちゃん言うてしもてたな。
当時の事は関連諸国が絡んでめったな事は言えへん。
ただ俺はレンカちゃんが治すまで舌を失ってて喋られへんかったし、皇子とは少なからず縁があったんよ」
いや、さらっと言ってるけど、舌を失ってた?!
トビは俺の、いや、俺達3人の困惑などまるで無視して続ける。
「あの時爺さんと俺とレンちゃんは魔の森出てすぐの町で買い物してた。
最初は多分俺が皇子に目をつけられてたんやと思うわ。
皇子は視察っちゅう名のお忍び旅行って事にしてたみたいやけど、実際のところは当時の内乱に備えて一時的に避難してたらしい。
俺は買い物、爺さんは知り合いに話しかけられた時の隙ついて、レンちゃんが1人で出歩いて迷子になったんを連中は狙ってん。
昔っから興味があったら気の向くままにうろちょろするからホンマ目を離されへん。
特に当時は5才のチビッ子やったから、探すんも一苦労やったわ」
当時を思い出したのか、黄昏るようにふぅっとため息を吐いた。
「皇子は俺への嫌がらせのつもりで拐ったんやろうけど、被ってたフード捲ったら黒目黒髪やしあの容姿やん?
孕み腹にしようとしたみたいや」
「はぁ?!
ふざけるな!
殺すぞ!!」
トビの言葉に思わずカッとなる。
「落ち着きって。
15年も前の事やし、人属の5才なんか獣人からしたらヨチヨチ歩きの赤ん坊と変わらへんのやからさすがに多少なりとも育ててからって考えてたで。
俺がレンちゃんを見つけた時には魔力拘束具つけられて檻に入れられてた事以外は何もされてへんかったよ」
「くそ!
それでも怖い思いはしてただろう」
憎々しい感情が膨れる。
5才の頃のレンなんて可愛いが過ぎるに決まってる!
邪な感情が顔に出て怖がらせたはずだ。
「いや、それはないよ。
お菓子貰ってご満悦やったで」
「····え」
「お付きの護衛に冊越しやったけど、焼き菓子食べさしてもらいながらニコニコしてたわ。
見つけた瞬間の俺の脱力感、わかってくれる?」
レン····どんな時も平常心を忘れないところは····うん、素晴らしいな。
そんな俺の本心を見透かしたような言葉を竜人達は意図せずひそひそと話す。
「さすがに危機感無さすぎだろう」
「まぁ····人属の5才ですし。
きっとヨチヨチだったんですよ」
「爺さんも知らない人についていくな、から、知らない人に餌付けもされるなに変えてたわ」
トビは更に黄昏たような顔をしている。
「で、助けようとした俺は皇子に切りつけられそうになったけど、檻を魔法で木っ端にしたレンちゃんが庇って代わりに切りつけられた」
「何だと?!」
思わず殺意が湧く。
当たり前だ!
「せやから15年前の話な。
そん時に皇子がいらんことベラベラ喋ってるんを聞いたレンちゃが激ギレして皇子を魔力でフルボッコ。
護衛はお菓子くれたからやろうけど、一撃で昏倒させてたから爺さん来るまで誰も止められへんかった。
肩から胸のあたりまでバッサリ切られて血だらけのレンちゃんがめちゃくちゃ冷めた目でわざと魔力抑えて中程度の威力にした火球やら雷球やらを皇子にぶつけ続けたわ。
それこそ皇子が泣いても、すがっても、許しを求めても表情変えずにただ淡々となぶり殺すようにな。
爺さんが見つけて間に入らんかったらレンちゃんは殺してたかもしれへん」
「それで、レンの傷は大丈夫だったんですか?」
ラスイードの言葉にトビは自嘲めいた笑いを浮かべた。
「大丈夫ではなかったよ。
皇子は俺をいたぶるつもりで切りつけてたけど、獣人の俺と人属の子供のレンちゃんとでは受ける傷の深さが違うかった。
特にレンちゃんは治癒魔法が効きにくい体質やから、師匠の治癒魔法でないとまともに傷も塞がらん」
「それは初耳だぞ」
「初めて話すんやからそらそうやろ。
兄さんがおる時に大怪我でもせんと話題にもならへんし、魔の森におる時に黒竜がそんな怪我させるわけないしな。
別に隠してたわけやないで」
ついついレンに関する重要な話を知らなかった事に憮然としてしまう。
そんな俺を残念な目で見る竜人の視線の意味がわからない。
「レンちゃんは爺さんに止められてすぐに気を失ってたんやけど、その場で応急処置をし終わった時には目を覚ました。
そん時にはもうレンカちゃんに変わってて、黒い霧、呪力を自分で出してた。
刀もその時に初めて見たけど、当時の俺には何が起こってるんかさっぱりわからんかったわ。
ただ爺さんだけは冷静で、真剣な顔して誰も殺すなって約束さしてた。
何であんなに冷静やったんか、最初からレンちゃんに聞いて知ってたんかは未だに謎や。
そこからは流れが早かったで。
レンカちゃんが口づけて····いや、多分まだ治癒魔法がちゃんと使えんかったからけっこう近づいて舌を再生さした思ったら····」
「待て、トビ」
今聞き捨てならん言葉が聞こえたなぁ。
「ちょっ、兄さん、マジもんの殺気やん!
失言やって!」
「ほぉう、なら口づけてはないんだなぁ?」
「いや、それは····ほら、俺の舌は切断されてからだいぶ経ってて再生しずらかったから仕方なくやって!
多分呪力いうんで魔法のサポートもしてたし、ほら、まだ治癒魔法はまともに使えんかったから仕方ないねん!」
「随分焦っているが、まさかお前、そういう目でレンを····」
「見いへん!
間違ってもそんな目で見た事あらへんて!」
立ち上がって焦るトビにゆらりと近づこうとすると、竜人達に引き止められた。
「グラン、一々反応していたら話が進まない」
「番の事で冷静になれないのはわかりますが、最後まで話を聞いてからにしましょう」
「····わかった」
トビ、ほっとした顔をしても無駄だ。
絶対言及するからな!
そういえばレンカがその舌を再生したとか、あの国を潰してしがらみから解放したとか言ってたが····」
それを聞いてトビが少し顔をしかめた。
「そういえばレンカちゃん言うてしもてたな。
当時の事は関連諸国が絡んでめったな事は言えへん。
ただ俺はレンカちゃんが治すまで舌を失ってて喋られへんかったし、皇子とは少なからず縁があったんよ」
いや、さらっと言ってるけど、舌を失ってた?!
トビは俺の、いや、俺達3人の困惑などまるで無視して続ける。
「あの時爺さんと俺とレンちゃんは魔の森出てすぐの町で買い物してた。
最初は多分俺が皇子に目をつけられてたんやと思うわ。
皇子は視察っちゅう名のお忍び旅行って事にしてたみたいやけど、実際のところは当時の内乱に備えて一時的に避難してたらしい。
俺は買い物、爺さんは知り合いに話しかけられた時の隙ついて、レンちゃんが1人で出歩いて迷子になったんを連中は狙ってん。
昔っから興味があったら気の向くままにうろちょろするからホンマ目を離されへん。
特に当時は5才のチビッ子やったから、探すんも一苦労やったわ」
当時を思い出したのか、黄昏るようにふぅっとため息を吐いた。
「皇子は俺への嫌がらせのつもりで拐ったんやろうけど、被ってたフード捲ったら黒目黒髪やしあの容姿やん?
孕み腹にしようとしたみたいや」
「はぁ?!
ふざけるな!
殺すぞ!!」
トビの言葉に思わずカッとなる。
「落ち着きって。
15年も前の事やし、人属の5才なんか獣人からしたらヨチヨチ歩きの赤ん坊と変わらへんのやからさすがに多少なりとも育ててからって考えてたで。
俺がレンちゃんを見つけた時には魔力拘束具つけられて檻に入れられてた事以外は何もされてへんかったよ」
「くそ!
それでも怖い思いはしてただろう」
憎々しい感情が膨れる。
5才の頃のレンなんて可愛いが過ぎるに決まってる!
邪な感情が顔に出て怖がらせたはずだ。
「いや、それはないよ。
お菓子貰ってご満悦やったで」
「····え」
「お付きの護衛に冊越しやったけど、焼き菓子食べさしてもらいながらニコニコしてたわ。
見つけた瞬間の俺の脱力感、わかってくれる?」
レン····どんな時も平常心を忘れないところは····うん、素晴らしいな。
そんな俺の本心を見透かしたような言葉を竜人達は意図せずひそひそと話す。
「さすがに危機感無さすぎだろう」
「まぁ····人属の5才ですし。
きっとヨチヨチだったんですよ」
「爺さんも知らない人についていくな、から、知らない人に餌付けもされるなに変えてたわ」
トビは更に黄昏たような顔をしている。
「で、助けようとした俺は皇子に切りつけられそうになったけど、檻を魔法で木っ端にしたレンちゃんが庇って代わりに切りつけられた」
「何だと?!」
思わず殺意が湧く。
当たり前だ!
「せやから15年前の話な。
そん時に皇子がいらんことベラベラ喋ってるんを聞いたレンちゃが激ギレして皇子を魔力でフルボッコ。
護衛はお菓子くれたからやろうけど、一撃で昏倒させてたから爺さん来るまで誰も止められへんかった。
肩から胸のあたりまでバッサリ切られて血だらけのレンちゃんがめちゃくちゃ冷めた目でわざと魔力抑えて中程度の威力にした火球やら雷球やらを皇子にぶつけ続けたわ。
それこそ皇子が泣いても、すがっても、許しを求めても表情変えずにただ淡々となぶり殺すようにな。
爺さんが見つけて間に入らんかったらレンちゃんは殺してたかもしれへん」
「それで、レンの傷は大丈夫だったんですか?」
ラスイードの言葉にトビは自嘲めいた笑いを浮かべた。
「大丈夫ではなかったよ。
皇子は俺をいたぶるつもりで切りつけてたけど、獣人の俺と人属の子供のレンちゃんとでは受ける傷の深さが違うかった。
特にレンちゃんは治癒魔法が効きにくい体質やから、師匠の治癒魔法でないとまともに傷も塞がらん」
「それは初耳だぞ」
「初めて話すんやからそらそうやろ。
兄さんがおる時に大怪我でもせんと話題にもならへんし、魔の森におる時に黒竜がそんな怪我させるわけないしな。
別に隠してたわけやないで」
ついついレンに関する重要な話を知らなかった事に憮然としてしまう。
そんな俺を残念な目で見る竜人の視線の意味がわからない。
「レンちゃんは爺さんに止められてすぐに気を失ってたんやけど、その場で応急処置をし終わった時には目を覚ました。
そん時にはもうレンカちゃんに変わってて、黒い霧、呪力を自分で出してた。
刀もその時に初めて見たけど、当時の俺には何が起こってるんかさっぱりわからんかったわ。
ただ爺さんだけは冷静で、真剣な顔して誰も殺すなって約束さしてた。
何であんなに冷静やったんか、最初からレンちゃんに聞いて知ってたんかは未だに謎や。
そこからは流れが早かったで。
レンカちゃんが口づけて····いや、多分まだ治癒魔法がちゃんと使えんかったからけっこう近づいて舌を再生さした思ったら····」
「待て、トビ」
今聞き捨てならん言葉が聞こえたなぁ。
「ちょっ、兄さん、マジもんの殺気やん!
失言やって!」
「ほぉう、なら口づけてはないんだなぁ?」
「いや、それは····ほら、俺の舌は切断されてからだいぶ経ってて再生しずらかったから仕方なくやって!
多分呪力いうんで魔法のサポートもしてたし、ほら、まだ治癒魔法はまともに使えんかったから仕方ないねん!」
「随分焦っているが、まさかお前、そういう目でレンを····」
「見いへん!
間違ってもそんな目で見た事あらへんて!」
立ち上がって焦るトビにゆらりと近づこうとすると、竜人達に引き止められた。
「グラン、一々反応していたら話が進まない」
「番の事で冷静になれないのはわかりますが、最後まで話を聞いてからにしましょう」
「····わかった」
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