前世が最悪の虐待死だったので、今生は思いっきり人生を楽しみます
第67話:移植手術
「魔力器官をもたない獣に、魔獣の魔力器官が石化した魔晶石を埋め込む実験か。
もし魔晶石が魔力器官になるようなら、移植された獣に魔力を持つかもしれない。
だが、移植した魔力器官に影響され、魔晶石の元となった魔獣に変化してしまう可能性があるのではないか」
父上の心配は、子供の親として当然の事だ。
この実験はオードリーとサバンナに魔力を持たせる事にある。
二人が移植した魔晶石の元となった魔獣や亜竜に変化するかもしれないのだ。
「その可能性があるからこそ、事前に実験しなければいけないのです。
同じ種の魔晶石を移植する事で、性格が変わってしまう可能性もあります。
オードリー公女殿下とサバンナ公女殿下に魔力付与をする時に、そのような失敗がないように、ありとあらゆる実感が必要なのです」
セバスチャンがとても真剣だ。
父上に譲れない倫理があるように、セバスチャンにも譲れない正義があるのだ。
「それもオードリーとサバンナのためだと言うのだな」
「はい、イーライ様とわたくしが内密に実験できるあいだに、全て済ませておけば、大公閣下がご心配されるような事は起こりません。
何をどのようにすれば、どんな結果につながるか、確かめておくのです。
知った上で、イーライ様が大陸を統一された後で全てをなかった事にするのです。
大公閣下、奥方様、イーライ様、イーライ様の奥方様が秘密にされれば、全ての子供に魔力を与える方法も、魔力のない子供に魔力与える方法も伝わりません」
「今の名前にセバスチャンがなかったが、お前も含まれるのだな。
大陸を統一して平和を成し遂げたら、倫理観を狂わしてしまうような、危険な魔術を闇に封じる、そう誓うのだな」
「申し訳ありませんでした、大公閣下。
魔力もない、とるに足らないわたくしの事を失念しておりました。
私も含むと、大公閣下とイーライ様に誓わせていただきます」
「分かった、だったら実験を続ける事を許可しよう。
だが実験の重点は、移植実験ではなく魔力器官の創造に置け。
魔力を持つ親が、魔力のない子供の身体に魔力器官を創造する実験を最優先しろ」
「承りました、そのようにさせていただきます」
父上と話した俺とセバスチャンは、オアシス周辺に戻って実験することにした。
父上が命じられた重点は大切だが、他の実験も同じくらい大切だった。
と言うか、他の実験を進めるしか方法がなかった。
父上の申された重点事項には大きな穴があったのだ。
俺しかやれない実験なのに、魔力のない俺の子供に魔力器官を創造しろと言われても、何もできないのだ。
「どうするんだ、セバスチャン、このままでは父上を騙す事になるぞ」
「いえ、次善の実験をすれば大丈夫でございます」
「次善の実験なんて思い浮かばないけど、何かあるのか」
「はい、イーライ様に獣の身体に魔力器官を創造していただきます。
本当に魔力のない獣の身体の中に魔力器官を創造する事ができるのかどうか。
創造できた場合、どのような変化を起こしてしまうのか確かめていただきます。
契約魔術で絆を結んだ獣ならば、性格の変化、いえ、魂の変化も分かるでしょう」
もし魔晶石が魔力器官になるようなら、移植された獣に魔力を持つかもしれない。
だが、移植した魔力器官に影響され、魔晶石の元となった魔獣に変化してしまう可能性があるのではないか」
父上の心配は、子供の親として当然の事だ。
この実験はオードリーとサバンナに魔力を持たせる事にある。
二人が移植した魔晶石の元となった魔獣や亜竜に変化するかもしれないのだ。
「その可能性があるからこそ、事前に実験しなければいけないのです。
同じ種の魔晶石を移植する事で、性格が変わってしまう可能性もあります。
オードリー公女殿下とサバンナ公女殿下に魔力付与をする時に、そのような失敗がないように、ありとあらゆる実感が必要なのです」
セバスチャンがとても真剣だ。
父上に譲れない倫理があるように、セバスチャンにも譲れない正義があるのだ。
「それもオードリーとサバンナのためだと言うのだな」
「はい、イーライ様とわたくしが内密に実験できるあいだに、全て済ませておけば、大公閣下がご心配されるような事は起こりません。
何をどのようにすれば、どんな結果につながるか、確かめておくのです。
知った上で、イーライ様が大陸を統一された後で全てをなかった事にするのです。
大公閣下、奥方様、イーライ様、イーライ様の奥方様が秘密にされれば、全ての子供に魔力を与える方法も、魔力のない子供に魔力与える方法も伝わりません」
「今の名前にセバスチャンがなかったが、お前も含まれるのだな。
大陸を統一して平和を成し遂げたら、倫理観を狂わしてしまうような、危険な魔術を闇に封じる、そう誓うのだな」
「申し訳ありませんでした、大公閣下。
魔力もない、とるに足らないわたくしの事を失念しておりました。
私も含むと、大公閣下とイーライ様に誓わせていただきます」
「分かった、だったら実験を続ける事を許可しよう。
だが実験の重点は、移植実験ではなく魔力器官の創造に置け。
魔力を持つ親が、魔力のない子供の身体に魔力器官を創造する実験を最優先しろ」
「承りました、そのようにさせていただきます」
父上と話した俺とセバスチャンは、オアシス周辺に戻って実験することにした。
父上が命じられた重点は大切だが、他の実験も同じくらい大切だった。
と言うか、他の実験を進めるしか方法がなかった。
父上の申された重点事項には大きな穴があったのだ。
俺しかやれない実験なのに、魔力のない俺の子供に魔力器官を創造しろと言われても、何もできないのだ。
「どうするんだ、セバスチャン、このままでは父上を騙す事になるぞ」
「いえ、次善の実験をすれば大丈夫でございます」
「次善の実験なんて思い浮かばないけど、何かあるのか」
「はい、イーライ様に獣の身体に魔力器官を創造していただきます。
本当に魔力のない獣の身体の中に魔力器官を創造する事ができるのかどうか。
創造できた場合、どのような変化を起こしてしまうのか確かめていただきます。
契約魔術で絆を結んだ獣ならば、性格の変化、いえ、魂の変化も分かるでしょう」
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