前世が最悪の虐待死だったので、今生は思いっきり人生を楽しみます
第58話:家族会議
俺の言葉を受けて、父上と母上の視線が同時にセバスチャンに向いた。
ダグラス大公家の命運を握っているのは、大公の父上でも俺でもない。
父上と俺から絶大な信頼を受けているセバスチャンなのだ。
その事は母上も知っているのだが、父上が大公に成った事と、俺が信じられないほどの軍事的功績をあげた事で、つい失念していたのだろう。
「そうですわね、当家をここまで繁栄させてくれたセバスチャンの意見は大切ですね、せひ考えを聞かせてくださいな」
「わたくしの考えなど気になさることはございません。
家臣のわたくしは、大公家の方々のお考えに従うだけでございます」
母上が満面の笑みを浮かべられました。
一方父上はがっくりと肩を落として、たそがれている。
セバスチャンの言葉の裏に隠れた意味が、これほど対照的な結果を生んだ。
大公としての考えではなく、大公家としての考えを優先すると執事が言ったのだ。
当然だが、父上の考えではなく、母上の考えが優先される。
「父上、そのように落ち込まないでください。
そのように落ち込まれてしまうと、父上が私を外に出したいのかと思ってしまいますよ、それでいいのですか」
父上の余りにも情けない姿に、
ダグラス大公家の命運を握っているのは、大公の父上でも俺でもない。
父上と俺から絶大な信頼を受けているセバスチャンなのだ。
その事は母上も知っているのだが、父上が大公に成った事と、俺が信じられないほどの軍事的功績をあげた事で、つい失念していたのだろう。
「そうですわね、当家をここまで繁栄させてくれたセバスチャンの意見は大切ですね、せひ考えを聞かせてくださいな」
「わたくしの考えなど気になさることはございません。
家臣のわたくしは、大公家の方々のお考えに従うだけでございます」
母上が満面の笑みを浮かべられました。
一方父上はがっくりと肩を落として、たそがれている。
セバスチャンの言葉の裏に隠れた意味が、これほど対照的な結果を生んだ。
大公としての考えではなく、大公家としての考えを優先すると執事が言ったのだ。
当然だが、父上の考えではなく、母上の考えが優先される。
「父上、そのように落ち込まないでください。
そのように落ち込まれてしまうと、父上が私を外に出したいのかと思ってしまいますよ、それでいいのですか」
父上の余りにも情けない姿に、
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