前世が最悪の虐待死だったので、今生は思いっきり人生を楽しみます
第40話:亜竜騎乗訓練
俺は精力的に地下用水路造りに励んだ。
正直に言えば、亜竜の騎乗訓練を減らしたかったからだ。
何が悲しくて、気味が悪くて大嫌いな亜竜に乗らなければいけない。
セバスチャンが言うから仕方なくやってはいるが、嫌なのだ。
だからその時間を減らすための努力は惜しまない。
亜竜の背中に乗らないですむならどれほど魔力を使う事になろうと構わなかった。
だがそんな事を許してくれるセバスチャンではない。
俺が地下用水路造りに使う魔力も時間もセバスチャンに管理された。
キッチリと亜竜の背中に跨って騎乗する時間は確保されていた。
それでもやはりセバスチャンは、俺に甘い所がある。
亜竜の背中に乗らなければいけない騎乗訓練が、とても短いのだ。
しかも、ワイバーン型やティラノサウルス型の騎乗訓練はなかった。
俺が一番気持ち悪く思っていない、四本足の陸上種亜竜だけにしてくれた。
首の長いのは気持ち悪いのだが、無理矢理ほかの動物をイメージした。
大きさははるかに小さいが、象の親戚だと想いむことにしたのだ。
「セバスチャンはなんだかんだ言っても優しいな。
どうしてワイバーンやティラノサウルスの騎乗訓練をさせないのだ」
ワイバーンには既に固有の名称がついていたから、その名称をそのまま使った。
だが他の飛行種亜竜や陸上種亜竜には固有の名称がなかった。
それは当然の事で、ほとんどの人間が竜など見た事がないのだ。
まあ、竜種に出会う事は、死を意味しているのだから当然だろう。
数少ない出会った事のある人間は、地位に関心のない、隔絶した魔力を持つ変わり者の魔術士だけなので、他の人間に竜と出会った事を話したりはしないのだ。
「それは簡単な事ですよ、イーライ様。
イーライ様に竜に騎乗してくださいとお願いするような場合は、実際の戦闘力ではなく、威圧してもらいたいと思っている時でございます。
他の者からじっくりと見る事のできない飛行種や、強くても体の小さいティラノサウルスよりも、大きくて迫力のあるアルゼンチノサウルスの方がいいのです」
「なるほど、そう言う事なら分かる」
「並の飛行種では、人を乗せて飛ぶ事などできません。
単に移動するだけなら、転移魔術や縮地魔術の方が早く移動できます。
ワイバーンにしても、単に空から敵を攻撃するだけならば、邪魔な人間など乗せない方が戦い易いですからね」
「セバスチャンは本当に現実的な人間なのだな。
威圧にしても戦闘力にしても、変な期待をしないし、夢見る事もないな」
「いえ、情けない事ですが、夢見てしまう事もございます。
恐竜そっくりの亜竜種に出会ってしまった時には、申し訳ない事ながら、イーライ様の過度な要求をしてしまいました。
もう二度とあのような事は口にいたしませんので、お許しください」
「ああ、あれか、あれは酷かったな。
だったらここで約束をしてくれ、セバスチャン。
もう二度と俺に爬虫類に似た魔獣や竜を押し付けないとな」
「承りました、イーライ様。
よほど大公家が困った状態にならない限り、もう二度とイーライ様の爬虫類に似た動物や魔獣、竜と戯れるようにお願いしません」
「あれをお願いと言うのか、セバスチャン。
それに、よほど大公家が困った状態にならない限りか……
これはしかたのない条件だから、受け入れるが、だったらもう一つ条件を出すぞ。
大公家が困る事がないように、先手を打ってくれ。
俺に無理をさせないためだと言うのなら、働く条件よりも爬虫類となにかせせる方を止めさせてくれ、いいな、セバスチャン」
正直に言えば、亜竜の騎乗訓練を減らしたかったからだ。
何が悲しくて、気味が悪くて大嫌いな亜竜に乗らなければいけない。
セバスチャンが言うから仕方なくやってはいるが、嫌なのだ。
だからその時間を減らすための努力は惜しまない。
亜竜の背中に乗らないですむならどれほど魔力を使う事になろうと構わなかった。
だがそんな事を許してくれるセバスチャンではない。
俺が地下用水路造りに使う魔力も時間もセバスチャンに管理された。
キッチリと亜竜の背中に跨って騎乗する時間は確保されていた。
それでもやはりセバスチャンは、俺に甘い所がある。
亜竜の背中に乗らなければいけない騎乗訓練が、とても短いのだ。
しかも、ワイバーン型やティラノサウルス型の騎乗訓練はなかった。
俺が一番気持ち悪く思っていない、四本足の陸上種亜竜だけにしてくれた。
首の長いのは気持ち悪いのだが、無理矢理ほかの動物をイメージした。
大きさははるかに小さいが、象の親戚だと想いむことにしたのだ。
「セバスチャンはなんだかんだ言っても優しいな。
どうしてワイバーンやティラノサウルスの騎乗訓練をさせないのだ」
ワイバーンには既に固有の名称がついていたから、その名称をそのまま使った。
だが他の飛行種亜竜や陸上種亜竜には固有の名称がなかった。
それは当然の事で、ほとんどの人間が竜など見た事がないのだ。
まあ、竜種に出会う事は、死を意味しているのだから当然だろう。
数少ない出会った事のある人間は、地位に関心のない、隔絶した魔力を持つ変わり者の魔術士だけなので、他の人間に竜と出会った事を話したりはしないのだ。
「それは簡単な事ですよ、イーライ様。
イーライ様に竜に騎乗してくださいとお願いするような場合は、実際の戦闘力ではなく、威圧してもらいたいと思っている時でございます。
他の者からじっくりと見る事のできない飛行種や、強くても体の小さいティラノサウルスよりも、大きくて迫力のあるアルゼンチノサウルスの方がいいのです」
「なるほど、そう言う事なら分かる」
「並の飛行種では、人を乗せて飛ぶ事などできません。
単に移動するだけなら、転移魔術や縮地魔術の方が早く移動できます。
ワイバーンにしても、単に空から敵を攻撃するだけならば、邪魔な人間など乗せない方が戦い易いですからね」
「セバスチャンは本当に現実的な人間なのだな。
威圧にしても戦闘力にしても、変な期待をしないし、夢見る事もないな」
「いえ、情けない事ですが、夢見てしまう事もございます。
恐竜そっくりの亜竜種に出会ってしまった時には、申し訳ない事ながら、イーライ様の過度な要求をしてしまいました。
もう二度とあのような事は口にいたしませんので、お許しください」
「ああ、あれか、あれは酷かったな。
だったらここで約束をしてくれ、セバスチャン。
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