念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。
第35話:マジシャン准男爵家
「辺境伯代理閣下、いかがなされますか」
ヴァイオレットが情け容赦のない言葉で追い込んでくる。
表面上はあくまでも俺にお伺いを立てている形なのだが、本心は違う。
俺に麻薬製造販売をした大悪人を取り締まる気があるのか聞いている。
いや『一族から犯罪者を出してでも正義を実行する覚悟があるのか』と俺に言葉の剣を突き付けて覚悟を問うているのだ。
「当然厳しく取り締まるぞ、ヴァイオレット。
マジシャン家は辺境伯家乗っ取りを謀った大逆犯だ、絶対に許さん。
辺境伯代理として、辺境伯の祖父が止めても断固とした処分を行う。
本人だけではなく、連座の罪で一族一門全員を厳罰に処す。
大叔父が謀叛の件を知らなかったとしても、許される事ではない。
一族の大半が知らなかったとしても、それは同じだ。
ここでいい加減な処分をしては、領民の信頼を回復できないからな」
マジシャン准男爵家、偉大なる英雄、アーサー曾祖父が最初に名乗った姓を頂いた、とても名誉な家名だと言うのに、恥さらしな事をしやがって。
アーサー曾祖父の次男、現辺境伯である祖父の長弟が興した家。
俺から見れば最も年長の大叔父の家だが、潰すしかないだろうな。
それも、とてつもない不名誉が原因で潰す事になる。
「本当にいいのですか、カーツ様。
処分するのはしかたのない事ですが、内々で処分する事もできますわ。
私たちが厳罰に処して、病死した事にする方法もあるのではありませんか」
マティルダ義姉さんが俺の心を慮ってくれる。
確かにマティルダ義姉さんの言うような方法が一番穏当なのだろう。
祖父や父、一族一門もそう言う処分を主張するだろう。
今までの辺境伯家なら、そういう処分をしていただろう。
いや、処分などせずに、全てなかった事にした可能性の方が高い。
だが駄目なのだ、そんな事をしてしまったら、領民からの信頼を取り戻せない。
「マティルダ義姉さん、そんな事は絶対に許されないのですよ。
そんな恥さらしな事をすれば、大英雄である曾祖父の名に泥を塗ってしまう。
それでなくとも、祖父の代になってからの辺境伯家の言動で、曾祖父の名声まで穢れてしまっているのですよ。
辺境伯家を建て直すために辺境伯家代理となった私まで、一族一門の罪を隠蔽しようとしてしまったら、もう領民の信頼を取り戻す事などできなくなります」
「カーツ様がそこまで覚悟されておられるのでしたら、私はもう何も言いません。
死ぬまでカーツ様の側を離れず、お助けさせていただきます」
「いや、そんな事はしなくていいです、義姉さん。
義姉さんは自分の幸せを考えてください。
とは言っても、魔術師の才能がある義姉さんには、とてつもない責任を背負ってもらう事になりますから、魔族関連以外は無理されないでください」
「辺境伯代理閣下、マティルダ様、処分をするとお決めになられたのなら、できるだけ早くマジシャン准男爵家の館を襲撃したいのですが、よろしいですか」
ヴァイオレットが俺と義姉さんの会話をぶち切ってくれた。
効率重視の言動なのか、それとも身内の傷の舐めあい見ていられなかったのか。
どちらにしても、ヴァイオレットの方が正しいだろう。
マジシャン准男爵家に証拠隠滅の時間を与えてはいけない。
それでなくても証拠をつかむまでの間に証拠隠滅をされているかもしれないのだ。
「ああ、いいぞ、私も義姉さんも同行する、今直ぐ襲撃だ」
ヴァイオレットが情け容赦のない言葉で追い込んでくる。
表面上はあくまでも俺にお伺いを立てている形なのだが、本心は違う。
俺に麻薬製造販売をした大悪人を取り締まる気があるのか聞いている。
いや『一族から犯罪者を出してでも正義を実行する覚悟があるのか』と俺に言葉の剣を突き付けて覚悟を問うているのだ。
「当然厳しく取り締まるぞ、ヴァイオレット。
マジシャン家は辺境伯家乗っ取りを謀った大逆犯だ、絶対に許さん。
辺境伯代理として、辺境伯の祖父が止めても断固とした処分を行う。
本人だけではなく、連座の罪で一族一門全員を厳罰に処す。
大叔父が謀叛の件を知らなかったとしても、許される事ではない。
一族の大半が知らなかったとしても、それは同じだ。
ここでいい加減な処分をしては、領民の信頼を回復できないからな」
マジシャン准男爵家、偉大なる英雄、アーサー曾祖父が最初に名乗った姓を頂いた、とても名誉な家名だと言うのに、恥さらしな事をしやがって。
アーサー曾祖父の次男、現辺境伯である祖父の長弟が興した家。
俺から見れば最も年長の大叔父の家だが、潰すしかないだろうな。
それも、とてつもない不名誉が原因で潰す事になる。
「本当にいいのですか、カーツ様。
処分するのはしかたのない事ですが、内々で処分する事もできますわ。
私たちが厳罰に処して、病死した事にする方法もあるのではありませんか」
マティルダ義姉さんが俺の心を慮ってくれる。
確かにマティルダ義姉さんの言うような方法が一番穏当なのだろう。
祖父や父、一族一門もそう言う処分を主張するだろう。
今までの辺境伯家なら、そういう処分をしていただろう。
いや、処分などせずに、全てなかった事にした可能性の方が高い。
だが駄目なのだ、そんな事をしてしまったら、領民からの信頼を取り戻せない。
「マティルダ義姉さん、そんな事は絶対に許されないのですよ。
そんな恥さらしな事をすれば、大英雄である曾祖父の名に泥を塗ってしまう。
それでなくとも、祖父の代になってからの辺境伯家の言動で、曾祖父の名声まで穢れてしまっているのですよ。
辺境伯家を建て直すために辺境伯家代理となった私まで、一族一門の罪を隠蔽しようとしてしまったら、もう領民の信頼を取り戻す事などできなくなります」
「カーツ様がそこまで覚悟されておられるのでしたら、私はもう何も言いません。
死ぬまでカーツ様の側を離れず、お助けさせていただきます」
「いや、そんな事はしなくていいです、義姉さん。
義姉さんは自分の幸せを考えてください。
とは言っても、魔術師の才能がある義姉さんには、とてつもない責任を背負ってもらう事になりますから、魔族関連以外は無理されないでください」
「辺境伯代理閣下、マティルダ様、処分をするとお決めになられたのなら、できるだけ早くマジシャン准男爵家の館を襲撃したいのですが、よろしいですか」
ヴァイオレットが俺と義姉さんの会話をぶち切ってくれた。
効率重視の言動なのか、それとも身内の傷の舐めあい見ていられなかったのか。
どちらにしても、ヴァイオレットの方が正しいだろう。
マジシャン准男爵家に証拠隠滅の時間を与えてはいけない。
それでなくても証拠をつかむまでの間に証拠隠滅をされているかもしれないのだ。
「ああ、いいぞ、私も義姉さんも同行する、今直ぐ襲撃だ」
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