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悪役令嬢戦記:死ぬしかない悪役令嬢に転生したので、無双を目指す事にしました。

克全

第79話:和平交渉

「皇帝陛下からの言葉をお伝えさせて頂きます。
 この度の件は全て余の不明から起きた事で、全責任は余にある。
 皇国軍の侵攻で被害を受けた方々には、国を問わず賠償を行う。
 皇国に逃げてきたマーシャム王家の方々と、貴族士族の方々は、責任を持ってお世話し、絶対にブルーデネル王家王国に迷惑をかけないようにする。
 魔力を偽って婿入りしたり嫁いだりした皇族も、全員皇家が引き取るので、離婚してくれて構わない、との事でございます」

 皇帝の特使が全面降伏といえる言葉を口にしています。
 単なる口約束ではなく、大陸連合魔道学院が用意した誓約書に、魔力契約の束縛を受ける署名と血判がされています。
 本当に大陸連合魔道学院が中立だとは言い切れないので、迂闊に信じられません。
 皇国に便宜を図っていた理事長達が殺されたという話ですが、蜥蜴のしっぽ切りの可能性もあるので、時間をかけて真実を確認する必要があります。

「その誓約書は大陸連合魔道学院が用意したモノですから、信じられません。
 署名や血判も、皇帝陛下のモノだと信じる事などできません。
 信じてもらいたいのなら、皇帝自身がこの城に来て、私の目の前で、私が用意した誓約書に署名血判していただけねば無理です」

「皇帝陛下がここまで下手に出ているのに、まだ疑われるのか。
 ブルーデネル王国の国王陛下ならともかく、まだ魔力検査も終わっていない、単なる王女候補にそこまで言われるいわれはない」

「いわれがないと厚顔無恥に口にされているが、それは本心ですか、大使殿。
 それとも、大使としての交渉術で口にされているのですか。
 どちらだとしても、一国の大使としては失格ですね。
 自国のやってきた事を理解できていないのなら、愚かなうえに恥知らずです。
 交渉術でやっているのなら、愚かなうえに自尊心過大です。
 それとも、戦争を回避するのではなく、戦争を引き起こして自分が利を得ようとしているのですか」

「皇国の大使に向かって重ね重ね無礼であろう、オードリー殿。
 公爵令嬢ごときが、皇国の特使に対して口にしていい事ではないぞ。
 幼いからと、今までは我慢してきてやったが、もう許せん。
 斬り殺してやるから、そこに直れ」

「私が首を差し出す態度を取らなければ、わずか七歳の幼女も斬れないとは、皇国の特使は腰抜けが務める役目なのですか」

「おのれ、死ね」

 皇国の特使は、私の挑発に簡単に乗ってくれました。
 剣を抜いて本気で私を殺そうと斬りかかって来てくれました。
 普段の状況の私には、人間を殺す勇気も覚悟もありません。
 もしかしたら、正当防衛なら殺せるかもしれませんが、確かめる気はありません。
 特使は睡眠魔術をかけて捕らえ、自白魔術で証言させます。
 その証言を、大陸連合魔道学院に大陸中の国々に伝えてもらいます。

 その時の言動によって、大陸連合魔道学院が本当に信用できるか分かるでしょう。
 皇帝がこの国に来て、私が用意した誓約書に署名血判するとは思えません。
 そんことをするような皇帝なら、今までやってきなような、侵略的な政策を行うとは思えないからです。

 ですが、もし、本当に改心しているのなら、許してしまうかもしれません。
 いけない事だとは分かっているのですが、許してしまう可能性がたかいです。
 どうか私が許せないくらい傍若無人に振舞ってください。
 禍根を残したくないのです、お願いします、皇帝陛下。

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