悪役令嬢戦記:死ぬしかない悪役令嬢に転生したので、無双を目指す事にしました。
第72話:不完全な良心
母上から魔道具の製作依頼がありました。
誰のために、どんな事に使われるのか、直ぐに分かりました。
私のために、名誉も命も失うような役目を果たそうとしてくれています。
実行するクローディアの一族だけでなく、命じた母上もです。
母上は私の本心を見抜いてくださったのかもしれません。
騙されて人を恨むようになってしまった、私の深層心理を。
「クローディア、私は魔道具作りに専念します」
公爵邸で母上から魔道具作りを依頼されてからも、いつも通りクローディアが側にいてくれるのですが、その視線がとても痛いです。
クローディアには、いつもと変わらない、忠誠心しかないのは分かっています。
それなのに、私は恥ずかしく思ってしまうのです。
不完全な良心がシクシクと痛んで、罪悪感に責めさいなまれるのです。
「承りました、無理はされないでください」
私が魔道具を完成させたら、自分の一族の半数が死んでしまうかもしれないのが分かっていて、全くいつもと変わらないクローディアの態度です。
私はそれが分かっていて、魔道具を作る事ができるのでしょうか。
試しに作り始めましたが、平気で作れてしまう私がいます。
私は皇帝の事を罵りましたが、こんな事ができるなら、罵る資格などないですね。
本当にこのまま魔道具を作ってしまっていいのでしょうか。
クローディアの一族に汚名を被せていいのでしょうか。
本当に他に何も方法がないでしょうか。
自分が手を汚す気になれば、皇国も衛星国も滅ぼせるというのにです。
私が直接皇国に侵入して、名乗りを上げてから皇帝を殺せば、クローディアたちの名誉も穢れないですし、無辜の民を巻き込む事はありません。
ですが、私には直接人間を殺す事はできないと思います。
殺されそうになって、必死で抵抗しているうちに、事故で殺す事はできるでしょうが、明確に殺すと意識してはできないでしょう。
母上の依頼の中には、魅了した魔獣や亜竜で父上達を護衛するというモノがありましたが、そんな事が可能になったら、クローディアまで暗殺に差し向けられます。
クローディアの一族全てが死に絶えてしまう事すらありえます。
やる気はありませんが、魔獣や亜竜を魅了して使役する事はできるでしょうね。
ちゃんと食事を与えることができるのなら、人間を襲わせない事も可能ですね。
事前に私の魔力を蓄えた魔晶石を貸し与えておけば、従魔にした魔獣や亜竜を他人に預けて、ある程度の作戦行動をとらせる事も可能でしょう。
あれ、そうすると、クローディアの一族に魅了した魔獣や亜竜を預けて、皇都まで誘導させる事も可能ではないでしょうか。
ですが、そこまではやれたとしても、私に人間を襲えと言う命令は下せません。
結局は同じ事の繰り返しになってしまいますね。
魔獣を従魔に、亜竜を従竜にはできても、殺せと言う命令は下せません。
いえ、傭兵団に敵国軍を殲滅しろと命じる事はできましたよね。
国を、いえ、民を護るためなら命令する事ができました。
ようは、今回の状況で、同じように民を護るためだと思い込めるかですね。
誰のために、どんな事に使われるのか、直ぐに分かりました。
私のために、名誉も命も失うような役目を果たそうとしてくれています。
実行するクローディアの一族だけでなく、命じた母上もです。
母上は私の本心を見抜いてくださったのかもしれません。
騙されて人を恨むようになってしまった、私の深層心理を。
「クローディア、私は魔道具作りに専念します」
公爵邸で母上から魔道具作りを依頼されてからも、いつも通りクローディアが側にいてくれるのですが、その視線がとても痛いです。
クローディアには、いつもと変わらない、忠誠心しかないのは分かっています。
それなのに、私は恥ずかしく思ってしまうのです。
不完全な良心がシクシクと痛んで、罪悪感に責めさいなまれるのです。
「承りました、無理はされないでください」
私が魔道具を完成させたら、自分の一族の半数が死んでしまうかもしれないのが分かっていて、全くいつもと変わらないクローディアの態度です。
私はそれが分かっていて、魔道具を作る事ができるのでしょうか。
試しに作り始めましたが、平気で作れてしまう私がいます。
私は皇帝の事を罵りましたが、こんな事ができるなら、罵る資格などないですね。
本当にこのまま魔道具を作ってしまっていいのでしょうか。
クローディアの一族に汚名を被せていいのでしょうか。
本当に他に何も方法がないでしょうか。
自分が手を汚す気になれば、皇国も衛星国も滅ぼせるというのにです。
私が直接皇国に侵入して、名乗りを上げてから皇帝を殺せば、クローディアたちの名誉も穢れないですし、無辜の民を巻き込む事はありません。
ですが、私には直接人間を殺す事はできないと思います。
殺されそうになって、必死で抵抗しているうちに、事故で殺す事はできるでしょうが、明確に殺すと意識してはできないでしょう。
母上の依頼の中には、魅了した魔獣や亜竜で父上達を護衛するというモノがありましたが、そんな事が可能になったら、クローディアまで暗殺に差し向けられます。
クローディアの一族全てが死に絶えてしまう事すらありえます。
やる気はありませんが、魔獣や亜竜を魅了して使役する事はできるでしょうね。
ちゃんと食事を与えることができるのなら、人間を襲わせない事も可能ですね。
事前に私の魔力を蓄えた魔晶石を貸し与えておけば、従魔にした魔獣や亜竜を他人に預けて、ある程度の作戦行動をとらせる事も可能でしょう。
あれ、そうすると、クローディアの一族に魅了した魔獣や亜竜を預けて、皇都まで誘導させる事も可能ではないでしょうか。
ですが、そこまではやれたとしても、私に人間を襲えと言う命令は下せません。
結局は同じ事の繰り返しになってしまいますね。
魔獣を従魔に、亜竜を従竜にはできても、殺せと言う命令は下せません。
いえ、傭兵団に敵国軍を殲滅しろと命じる事はできましたよね。
国を、いえ、民を護るためなら命令する事ができました。
ようは、今回の状況で、同じように民を護るためだと思い込めるかですね。
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