悪役令嬢戦記:死ぬしかない悪役令嬢に転生したので、無双を目指す事にしました。
第69話:外交戦
「お初にお目にかかります、オードリー嬢。
皇帝陛下より伯爵の爵位を賜っております、ダグラスと申します。
お見知りおき願いえれば感謝に耐えません」
私の前には皇国伯爵と名乗った特使がいます。
平伏まではせず、片膝をついて騎士の礼をとっています。
表情からは何を考えているか全く読み取れません。
さすがに皇国が特使に選ぶだけあって、外交戦には慣れているのでしょう。
私も社会人としてそれなりの交渉事はしてきましたが、結局は騙されて会社を乗っ取られていますから、外交戦で勝てる気がしません。
「よくこの国に来てくれました、ダグラス卿。
ただ一つだけ疑念があります。
皇国とは不幸にして先年戦いになりました。
その事に全く触れず、カサブラン王国との婚姻を勧めたいと言われても、はいそうですかと簡単に受け入れる訳にはいきません」
「はて、マーシャム王国の新国王はザカライア陛下であったと思いましたが、違うのでしょうかオードリー嬢」
「違いませんよ、ダグラス卿。
ただ私は国王陛下から外交の全権を預かっているのですよ。
そして私は不当に王家を乗っ取っろうとする暴君から国土を護った英雄なのです。
その暴君が率いる国から無理矢理婚姻を勧められても、受け入れる事などできませんよ、お分かりですか、ダグラス卿」
砕けた調子でダグラス卿と呼びながら、主君である皇帝を罵ってやりました。
どんな返事をしてくれるのか楽しみです。
あのバカ将軍のように怒り狂って暴れてくれれば、こちらの正統性を主張しつつ追放できるのですが、どうなる事でしょうね。
「その件に関しては、日を改めて、別の特使がお話させていただくと思います。
ただ私も皇帝陛下に仕える家臣ですから、陛下を悪し様に言われて黙っているわけにはいきません、詫びていただきましょう」
「あら、それはおかしいのではありませんか、ダグラス卿。
私が大陸の情勢に疎いからなのかもしれませんが、皇帝が迷惑をかけた国の国王や民に詫びたとは聞いておりませんよ。
自分の愚かな命令で民を虐げ、婦女子が凌辱されるような事になっていながら謝らず、その事を責められたからと言って、詫びを要求するような者を特使に任命する。
そのような愚かで傲慢な者に特にの大役を任せ、真っ当な政治的判断も下せないのなら、早々に引退すべきではありませんか。
そのような諫言をしてくれる家臣もいないとは、よほど人望がないのでしょうね」
「オードリー嬢は皇国にケンカを売っておられるのかな。
それならば正式に宣戦布告をなされるべきでしょう」
「そのような事は、五万の軍勢を送り込んできた皇国が先にすべき事です。
私は無残に凌辱され殺される民を救うために戦っただけです。
皇国の力を背景に、他国を威すしか能のない特使に言われたくはないですね」
「オードリー嬢、貴女は本当に七歳なのですか」
「あら、皇国は情報を収集する力もないのですか。
わたくし、先日八歳になったのですよ」
皇帝陛下より伯爵の爵位を賜っております、ダグラスと申します。
お見知りおき願いえれば感謝に耐えません」
私の前には皇国伯爵と名乗った特使がいます。
平伏まではせず、片膝をついて騎士の礼をとっています。
表情からは何を考えているか全く読み取れません。
さすがに皇国が特使に選ぶだけあって、外交戦には慣れているのでしょう。
私も社会人としてそれなりの交渉事はしてきましたが、結局は騙されて会社を乗っ取られていますから、外交戦で勝てる気がしません。
「よくこの国に来てくれました、ダグラス卿。
ただ一つだけ疑念があります。
皇国とは不幸にして先年戦いになりました。
その事に全く触れず、カサブラン王国との婚姻を勧めたいと言われても、はいそうですかと簡単に受け入れる訳にはいきません」
「はて、マーシャム王国の新国王はザカライア陛下であったと思いましたが、違うのでしょうかオードリー嬢」
「違いませんよ、ダグラス卿。
ただ私は国王陛下から外交の全権を預かっているのですよ。
そして私は不当に王家を乗っ取っろうとする暴君から国土を護った英雄なのです。
その暴君が率いる国から無理矢理婚姻を勧められても、受け入れる事などできませんよ、お分かりですか、ダグラス卿」
砕けた調子でダグラス卿と呼びながら、主君である皇帝を罵ってやりました。
どんな返事をしてくれるのか楽しみです。
あのバカ将軍のように怒り狂って暴れてくれれば、こちらの正統性を主張しつつ追放できるのですが、どうなる事でしょうね。
「その件に関しては、日を改めて、別の特使がお話させていただくと思います。
ただ私も皇帝陛下に仕える家臣ですから、陛下を悪し様に言われて黙っているわけにはいきません、詫びていただきましょう」
「あら、それはおかしいのではありませんか、ダグラス卿。
私が大陸の情勢に疎いからなのかもしれませんが、皇帝が迷惑をかけた国の国王や民に詫びたとは聞いておりませんよ。
自分の愚かな命令で民を虐げ、婦女子が凌辱されるような事になっていながら謝らず、その事を責められたからと言って、詫びを要求するような者を特使に任命する。
そのような愚かで傲慢な者に特にの大役を任せ、真っ当な政治的判断も下せないのなら、早々に引退すべきではありませんか。
そのような諫言をしてくれる家臣もいないとは、よほど人望がないのでしょうね」
「オードリー嬢は皇国にケンカを売っておられるのかな。
それならば正式に宣戦布告をなされるべきでしょう」
「そのような事は、五万の軍勢を送り込んできた皇国が先にすべき事です。
私は無残に凌辱され殺される民を救うために戦っただけです。
皇国の力を背景に、他国を威すしか能のない特使に言われたくはないですね」
「オードリー嬢、貴女は本当に七歳なのですか」
「あら、皇国は情報を収集する力もないのですか。
わたくし、先日八歳になったのですよ」
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