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悪役令嬢戦記:死ぬしかない悪役令嬢に転生したので、無双を目指す事にしました。

克全

第64話:嵌め手

 私は王国内に情報網を築く事に力を注ぎました。
 情報を統制して管理社会を作り出す気などありませんが、敵の放った密偵の流言飛語に踊らされる事も嫌ですし、刺客に殺されるのはもっと嫌ですから。
 国土や領地を豊かにするための魔力は、私と聖女カチュアが注ぎますから、戦闘部隊に回せる魔力持ちはたくさんいます。
 名声も権力も財力も手に入れましたから、敵を寝返らす事もできます。

「お嬢様、メイシン教団が動きました」

 私が重点的に密偵を放った場所の一つに教会があります。
 魔力的にはそれほど怖くはないのですが、大陸中に力を持つ教会の財力と情報網は、正しく機能すれば侮れない物があります。
 もっとも今は、国ごと教区ごとに利権争いをしていますから、その力を十分に発揮できていませんけどね。

 ですが、ロジーナを矢面に立たせた以上、十分な支援をしなければいけない責任がありますから、多くの密偵を送り込んでいました。
 金で寝返るようなクズを利用するのは嫌なのですが、そんな事を言っていてロジーナが殺されでもしたら、何にもなりませんからね。
 自分の好き嫌いを抑えた成果が早速現れたようです。

「誰が動いたのですか」

「暗殺役を与えられた勇者候補です」

「捕らえて誰が指示したか証言させる事は可能ですか」

「お嬢様のお手を煩わす事になるかもしれませんが、可能です」

「私に自供させる魔術を使えと言う事ですか」

「はい、拷問で自白させられればいいのですが、耐える可能性もあります」

「しかしクローディア、勇者候補が失敗したと分かれば、教団が指示役を殺して、下っ端が勝手にやった事にしませんか」

「その可能性は高いと思われますが、今教団に手を出せば、信徒がお嬢様に歯向かう可能性がございます」

「狂信者は手が付けられないですが、狂信者が多いのですか。
 狂信者に引きずられて、本当に神を信じている信徒まで歯向かうのですか。
 教団の信徒の中に、死んでは困る者が数多くいるのですか」

「そうでございますね、商人や職人の中にも多くの信者がおりますが、大半は教団と手を組んで不当な利益を得ていたものでございます。
 ロジーナ大司教の恩師を信じていた者達は、聖女教団の立ち上げとともにメイシン教団から離れております。
 寝返った腐れ外道の神官達は受け入れませんでしたが」

「だとしたら、多少は強く出ても大丈夫ですね。
 実際にロジーナ暗殺を指示した者、黒幕が誰か分かりますか。
 たどれる範囲で構いませんから、今分かっている者を勇者候補の襲撃と同時に捕らえましょう」

「承りました、今分かっているのは直接指示をだしているデイビッド司祭と、勇者候補達を統括しているギルバート司教です。
 ギルバート司教に自白魔術を使っていただければ、アウグスト枢機卿が黒幕だと暴く事も不可能ではありません」

 さて、教団がどこまで危機感を持っているかですね。
 何かあった時にデイビッド司祭さえ殺せばいいと考えているのか、それともギルバート司教まで殺す覚悟でいるのか。
 この辺で教団の覚悟を確認してくのも悪くないですね。

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