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悪役令嬢戦記:死ぬしかない悪役令嬢に転生したので、無双を目指す事にしました。

克全

第63話:閑話・メイシン教団

 腹立たしい事に、王家が逃亡してから、著しく寄付が減ってしまった。
 あの子娘のせいだが、直接文句も言えなければ殺す事もできない。
 我ら神の御使いにたいして、全く遜る態度を示さない不遜極まりない奴だが、その戦闘力を侮るわけにはいかない。
 下手に動けば、教団ごと潰されるのは明らかだ。
 やるとすれば暗殺しかないのだが、その方法が難しい。

「デイビッド司祭様、何か御用でございますか」

 勇者ごときが、不遜な態度を取りやがって。
 お前など、教団が寄付を集めるための単なる道具でしかないのに、最近狩りの成果が多いからか、思い上がってやがる。
 
「よく来たな、勇者候補バーン、他の者達もご苦労だな。
 早速だが、お前達にやってもらいたい大切な役目がある」

 ふっふっふっ、目に見えて緊張しやがったな。
 そうだ、その通りだ、今回も教団のために暗殺をしてもらうのだ。
 メイシン教団に不利益になる者を殺す事、それも勇者候補の役目だ。
 断っても失敗しても、他の勇者候補に殺される事になる。
 断る事も逃げる事も許されない、教団の命令通りにやるしかないのだ。

「ふん、今度はどこのどいつを殺せと言うのだ、デイビッド司祭様よ」

 勇者候補の分際で居直りやがったな。

「言葉遣いに気をつけろ、勇者候補の分際で、身の程知らずな態度を取ったら、教団の裏切り者として処断するぞ」

「へん、神の名を騙って金と女にうつつを抜かす腐れ神官が偉そうに言うな。
 清廉潔白で孤児達を救おうとした司教様を殺させた裏切者が」

「おのれ、おのれ、おのれ、もうゆるさん、教団を破門して殺してやる」

「へん、お前にそんな権限があるのかよ、デイビッド司祭様。
 暗殺に失敗した時に、欲深な司祭が勝手にやった事にするために、何時でも切り捨てられるデイビッド司祭様が指示役に選ばれているんだろうが。
 今の俺達の実力なら、デイビッド司祭様よりの立場は上だぜ」

 くっ、腹立たしいがバーンの言う通りだ。
 司教様を裏切って命永らえたが、与えられた役目は汚れ仕事だ。
 失敗したら確実に殺されるだろうし、成功しても捜査の手が伸びてきたら殺されるに違いない。

「俺が使い捨ての人間だと言うが、それはバーンも同じだろう。
 暗殺を成功させない限りは、闇から闇に処分されるのは同じだ。
 俺にケンカを売ってもどうにもならんぞ」

「へん、そんな事は分かっているよ。
 だからこそ、アンタに下に見られるのは我慢ならない。
 しっかりと協力して準備してくれないと、上に直談判して処分してもらうぞ」

「分かった、分かった、分かった。
 俺様にやれる準備はしてやる、その代わり暗殺は成功させろよ。
 俺はお前達と一緒に処分されるのはご免だからな」

「それは俺達も一緒だ。
 アンタの手抜きのせいで死ぬのは嫌だからな。
 それで、俺達は誰を殺せばいいんだ」

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