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悪役令嬢戦記:死ぬしかない悪役令嬢に転生したので、無双を目指す事にしました。

克全

第54話:勝利

「うわああああ、たすけてくれぇええええ」

 ついに耐え切れずに皇国軍が逃げだしました。
 算を乱して逃げるというのは、目の前の状況を言うのでしょう。
 本来ならば追撃して戦果を拡大すべきところです。
 ですが皇国軍が罠をしかけていないとは言い切れません。
 釣り野伏という高等な戦術もあるのです。
 ここは三万の皇国軍を戦闘不能にした事で満足しておくべきかもしれません。

「お嬢様、このまま逃がしては無辜の民が殺される事になります。
 舌戦で連中が悪逆非道なのが分かりました。
 もっと叩いておかないと、逃げる途中で村々を襲って食糧を奪いますよ」

 確かにクローディアの言う通りです。
 皇国軍の名誉と威信がかかった行軍中でさえ、民を苦しめた連中です。
 敗戦逃亡中なら、行軍中など比べものにならない非道を行うでしょう。
 本当ならば追撃させるべきなのでしょうが、大きな問題があります。

「お嬢様は傭兵達が民を害する事を恐れておられるのでしょう。
 ですが大丈夫です、私にお任せください。
 傭兵達が絶対に罪を犯さない方法があります、お任せください」

「分かりました、クローディアに任せましょう」

 私がそう言うと、クローディアが拡声魔術をかけてくれと言いました。
 私の代わりに傭兵達に訓示してくれるようです。
 私のような幼女よりも、歴戦のクローディアの方が威厳がありますから、クローディアが厳しく言ってくれれば、傭兵達も悪さをしなくなるかもしれません。
 ですが旅の恥はかき捨てとも言います。
 私の目が届かないと悪さをするかもしれないので、やはり心配です。

「いいですか、よく聞きなさい。
 お嬢様が索敵魔術で貴男達の行動を逐一監視します。
 もし、民に悪さをしそうになったら、お嬢様が遠隔魔術で天罰がくだされます。
 お嬢様のお力は大魔境で嫌というほど見知ったでしょう。
 お嬢様にかかったら、暴竜や腕龍も赤子の手をひねるように殺せるのです。
 お嬢様に恥をかかせるような言動をしたら、産まれてきた事を後悔するほどの苦痛を永劫に味わう事になりますよ。
 その事をよく理解して、皇国軍を追撃しなさい。
 いけ、お嬢様の強者ども、皇国軍を皆殺しにするのです」

「「「「「おう」」」」」

 これ、これ、これ、これ、私を化物のように言うのではありません。
 確かに魔力は膨大で、魔術も極めていますが、これでも女性なのですよ。
 もう少し言葉を選んで欲しいですが、今回は仕方ないのでしょうか。
 確かに、大魔境での行動は自重を忘れた行動だったかもしれません。
 最悪の状況を想定して急いでしまったのが悪かったのかもしれません。
 でも、後でもうこんな事は言わないで下さいと強くお願いしておきましょう。

 傭兵達が急いで皇国軍を追撃しています。
 私の決断が遅れたせいで、決定的な瞬間に追撃できませんでした。
 ですがその分、全傭兵に回復薬の補給ができました。
 短時間の睡眠で心身を回復させる快復薬も渡し終えました。
 タイミングが合えば、敵が休んでいる所を急襲できるかもしれません。
 どうせやるなら、徹底的にやってもらいたいものです。

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