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悪役令嬢戦記:死ぬしかない悪役令嬢に転生したので、無双を目指す事にしました。

克全

第41話:亜竜・鉤竜

 私は急いで声のした方に駆けました。
 相手はとても強力な亜竜種なのです。
 最小の鉤竜であっても、その牙と爪は軍隊蟻素材の鎧を易々と貫きます。
 腕の一振りや脚の一撃を受ければ、鎧内部の人間はグチャグチャになります。
 私でなければ狩る事のできない強敵なのです。

「手を出してはいけません、防御を整えて撤退しなさい」

 私は声を拡大する魔術を使って傭兵団に命じました。
 さすがは一番狩りの現場に慣れた第一傭兵団です。
 余計な言葉を発する事なく撤退準備を整えてくれています。
 これなら最前線の傭兵以外は死傷せずにすむでしょう。
 問題は亜竜を発見した部隊です。
 彼らは味方を逃げすために遅滞戦闘をしなければいけないのです。

「無理に攻撃するな、防御に徹しろ。
 我々が生き延びた時間だけ味方が逃げられるのだ」

 私が最前線に駆けつけた時、百人隊長が配下を指揮して遅滞戦闘を繰り返し、味方が逃げる時間を稼いでくれていました。
 襲ってきた亜竜が最小の鉤竜だったことも幸いしました。
 体重が百キロ程度の亜竜種なので、上手く躱せば多少攻撃を受けても即死することはなく、交代しながら回復薬を飲むことで戦線を維持してくれていました。

「よくやってくれました、後は任せなさい」

 私はそう言い放つと、火属性の範囲攻撃魔術を放ちました。
 最小最弱の亜竜種鉤竜とはいえ、竜は竜です。
 狩れば大金になりますし、なにより素材として優秀です。
 丁寧に調合して魔術で仕上げれば、白金級の回復薬を作る事ができます。
 牙や爪を加工すれば、亜竜を傷つけられる武器になります。
 皮と鱗を丁寧加工すれば、魔獣種の牙や爪では傷つけられない防具になります。

「いえ、仲間達が安全に逃げ切るまではここに残ります。
 なにより総長を残して逃げられません」

 百人隊長がうれしい事を言ってくれます。
 あまりに急いできたので、クローディア達を置いてけぼりにしたのです。
 だから今の私には護衛騎士がいません。
 その事に気が付いてくれたのでしょうが、今はそんな心配は不要です。
 むしろ彼らを護るために集中できなくなってしまいます」

「貴男達がいては、大規模範囲魔術が使えません。
 私の事を心配してくれるのなら、遠く離れてください。
 そして他の傭兵達に命令変更を伝えてください。
 撤退ではなく現状確保してもらいます。
 鉤竜なら狩りつくせるので、私が守り切れる範囲に留まってもらいます。
 さあ、直ぐに行きなさい」

「はい、命令に従わせていただきます」

 さて、鉤竜の群れが集まって来てくれました。
 私と親友が作った設定では、百頭くらいの群れをつくるはずです。
 変更された設定では何頭の群れになっているのでしょうか。
 五千頭を超えてくれていたら、第一傭兵団全員を鉤竜素材の装備に変えられます。
 そうなればエストリア帝国など恐れるに足りません。

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