悪役令嬢戦記:死ぬしかない悪役令嬢に転生したので、無双を目指す事にしました。
第38話:大魔境へ
「オードリー、本当に行くのか。
そのような危険な事をしなくても、他に方法があるのではないのか。
どうしても行かなければならないと言うのなら、私が代わりに行こう。
オードリーほどではないにしても、私も王級の魔力がある」
やれ、やれ、断罪ルートに入って性格が一変するまでは、優しく思いやりがある兄なので、こういう事を口にするだろうとは思っていました。
ですが、いつ断罪スイッチが分からないのに、大切な傭兵団を預けて、兄にも指揮権があると傭兵達に思われては何にもなりません。
「そうだぞ、オードリー。
とは言ってもアレックスに行かせるわけにもいかない。
こんな危険な方法で実力をアピールしなくても、大陸連合魔道学院の試験をうければいい、それだけでオードリーの実力は大陸中に知れ渡る。
そうなればエストリア帝国も介入を止めるであろう」
父は大陸連合魔道学院に私の卒業試験をして欲しいと交渉しているようです。
老害王テレンスといい、我が国は学院にとって面倒きわまりない相手になります。
学院の権威を守るために、両方とも断る可能性が高いでしょう。
ただ問題は、エストリア帝国が学院にまで圧力をかける事です。
学院がエストリア帝国の力に屈するようだと、ザンデフ王子とスザンナ王女に王級の魔力があると偽る可能性があります。
「父上、兄上、私は自分の実力を正確に知っています。
その事は今日までの行動を考えていただければわかる事です。
その私が、安全だと判断して行くのですから、心配はご無用です。
兄上、兄上が行くと言われるのなら、自分で戦力を整えてください。
私が日々努力して集め育てた傭兵団を横取りするような事は止めてください」
「いや、私は、オードリーの兵を横取りする気ではなく……」
私の厳しい言葉に兄上が恥じ入っています。
これでもう兄上も余計な事は言わないでしょう。
「父上、父上の策が必ず成功すると言い切れるのですか。
大陸連合魔道学院が、成人していない人間の卒業試験を行うと本気で思っているのでしたら、父上は甘すぎます。
これまでの王家への対応といい、父上は甘すぎるのです。
私は父上の甘すぎる考えに巻き込まれて死ぬ気はありません。
自分の生きる道は自分で確保します、邪魔しないでください」
「よく言いました、オードリー。
ザカライア様の甘すぎる性格には私も困っていました。
私が許可します、オードリー。
この日のために狩りをして資金を溜め、兵力を蓄えていたのでしょう。
思う存分やって、自分こそが王に相応しいと証明してらっしゃい」
母上が私の応援をしてくれました。
父上よりも母上の方が性格的に強いようです。
私と親友が作ったゲームですから、端々に女性優位になっています。
そんな母上が父上の肩に扇子を置いて、怖い目で微笑んでいます。
蛇に睨まれた蛙と言うのは、今の父上の状態ですね。
「はい、今直ぐ大魔境に行きます、母上」
そのような危険な事をしなくても、他に方法があるのではないのか。
どうしても行かなければならないと言うのなら、私が代わりに行こう。
オードリーほどではないにしても、私も王級の魔力がある」
やれ、やれ、断罪ルートに入って性格が一変するまでは、優しく思いやりがある兄なので、こういう事を口にするだろうとは思っていました。
ですが、いつ断罪スイッチが分からないのに、大切な傭兵団を預けて、兄にも指揮権があると傭兵達に思われては何にもなりません。
「そうだぞ、オードリー。
とは言ってもアレックスに行かせるわけにもいかない。
こんな危険な方法で実力をアピールしなくても、大陸連合魔道学院の試験をうければいい、それだけでオードリーの実力は大陸中に知れ渡る。
そうなればエストリア帝国も介入を止めるであろう」
父は大陸連合魔道学院に私の卒業試験をして欲しいと交渉しているようです。
老害王テレンスといい、我が国は学院にとって面倒きわまりない相手になります。
学院の権威を守るために、両方とも断る可能性が高いでしょう。
ただ問題は、エストリア帝国が学院にまで圧力をかける事です。
学院がエストリア帝国の力に屈するようだと、ザンデフ王子とスザンナ王女に王級の魔力があると偽る可能性があります。
「父上、兄上、私は自分の実力を正確に知っています。
その事は今日までの行動を考えていただければわかる事です。
その私が、安全だと判断して行くのですから、心配はご無用です。
兄上、兄上が行くと言われるのなら、自分で戦力を整えてください。
私が日々努力して集め育てた傭兵団を横取りするような事は止めてください」
「いや、私は、オードリーの兵を横取りする気ではなく……」
私の厳しい言葉に兄上が恥じ入っています。
これでもう兄上も余計な事は言わないでしょう。
「父上、父上の策が必ず成功すると言い切れるのですか。
大陸連合魔道学院が、成人していない人間の卒業試験を行うと本気で思っているのでしたら、父上は甘すぎます。
これまでの王家への対応といい、父上は甘すぎるのです。
私は父上の甘すぎる考えに巻き込まれて死ぬ気はありません。
自分の生きる道は自分で確保します、邪魔しないでください」
「よく言いました、オードリー。
ザカライア様の甘すぎる性格には私も困っていました。
私が許可します、オードリー。
この日のために狩りをして資金を溜め、兵力を蓄えていたのでしょう。
思う存分やって、自分こそが王に相応しいと証明してらっしゃい」
母上が私の応援をしてくれました。
父上よりも母上の方が性格的に強いようです。
私と親友が作ったゲームですから、端々に女性優位になっています。
そんな母上が父上の肩に扇子を置いて、怖い目で微笑んでいます。
蛇に睨まれた蛙と言うのは、今の父上の状態ですね。
「はい、今直ぐ大魔境に行きます、母上」
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