悪役令嬢戦記:死ぬしかない悪役令嬢に転生したので、無双を目指す事にしました。
第34話:勝負手
「オードリーお嬢様、いかがいたしましょうか」
クローディアが珍しく自分の感情を表情に出しています。
よほど老害王テレンスがやった事が気に喰わないのでしょう。
ですがそれは私も同じです。
まさが悪役令嬢として断罪されるのを防ごうとしたら、仮想戦記物になるとは思ってもいませんでしたから、とても不本意です。
ですが、ここで負けたら殺されることに違いはありません。
私を殺す相手が、ゲームで用意されていたザンデフ王子や兄上や勇者ではなく、老害王テレンスに代わるだけです。
殺す相手が代わったからといって、殺されてやる気などありません。
全力を尽くして抵抗するまでです。
「父上と母上は派閥の引き締めを行っているのですね」
「はい、お嬢様。
このまま負けるような事があれば、我が公爵家に味方していた貴族も家を潰されるのは間違いありません。
想像していた利益が得られなかったとしても、そう簡単に裏切るとは思えません。
老害が渡せもしない口約束の利益を与えると言っても、誰も信じないでしょう」
「我がブルーデネル公爵家が持っている領地や利権を渡すと言ってもですか」
「ですがお嬢様、ブルーデネル公爵家の領地や利権を貴族に渡してしまったら、王家の力は低いままです」
「クローディア、動転しているのですか、いつもの判断力を失っていますよ。
もっと危地を経験して、どのような時にも冷静に判断できるようになりなさい。
口約束だけしておいて、我が家を潰してから他の貴族も潰せばいい事です。
我が家に味方する全ての貴族を切り崩す必要などないのです。
たった一家、愚かな一家を懐柔するだけで、味方は崩壊するのですよ」
偉そうなことを言っていますが、全部本から得た知識でしかありません。
それと、私は有り余る魔力と絶対的な破壊力のある魔術を知っています。
私だけは絶対に逃げられるという確信があるからこそ、冷静でいられるのです。
それと、私を殺すかもしれない兄上や、親としての実感がない父上と母上を見捨てて逃げる事に、何の罪悪感もわかないからこそ、冷静でいられるだけです。
「申し訳ありません、お嬢様。
自分達に都合のいいように考えてしまっていました」
ただ、それでも、段々情が湧いてきてしまっています。
兄上に対してはそれほどでもないですが、父上と母上には情が湧いてきています。
ずっと私の側にいて、命懸けで護衛ををしてくれているクローディア達に対しては、父上と母上以上に愛情を持っています。
保護したシスターと孤児達には保護欲が湧いています。
「まずは傭兵団を動かして威圧しましょう。
個々の戦闘力は王家の騎士や徒士には及びませんが、装備は王家を凌駕していますし、モンスターが相手ですが実戦経験も王家以上です。
彼らの力を見せつければ、味方の貴族も裏切り難いでしょう」
「承りました、直ぐに準備します」
クローディアが珍しく自分の感情を表情に出しています。
よほど老害王テレンスがやった事が気に喰わないのでしょう。
ですがそれは私も同じです。
まさが悪役令嬢として断罪されるのを防ごうとしたら、仮想戦記物になるとは思ってもいませんでしたから、とても不本意です。
ですが、ここで負けたら殺されることに違いはありません。
私を殺す相手が、ゲームで用意されていたザンデフ王子や兄上や勇者ではなく、老害王テレンスに代わるだけです。
殺す相手が代わったからといって、殺されてやる気などありません。
全力を尽くして抵抗するまでです。
「父上と母上は派閥の引き締めを行っているのですね」
「はい、お嬢様。
このまま負けるような事があれば、我が公爵家に味方していた貴族も家を潰されるのは間違いありません。
想像していた利益が得られなかったとしても、そう簡単に裏切るとは思えません。
老害が渡せもしない口約束の利益を与えると言っても、誰も信じないでしょう」
「我がブルーデネル公爵家が持っている領地や利権を渡すと言ってもですか」
「ですがお嬢様、ブルーデネル公爵家の領地や利権を貴族に渡してしまったら、王家の力は低いままです」
「クローディア、動転しているのですか、いつもの判断力を失っていますよ。
もっと危地を経験して、どのような時にも冷静に判断できるようになりなさい。
口約束だけしておいて、我が家を潰してから他の貴族も潰せばいい事です。
我が家に味方する全ての貴族を切り崩す必要などないのです。
たった一家、愚かな一家を懐柔するだけで、味方は崩壊するのですよ」
偉そうなことを言っていますが、全部本から得た知識でしかありません。
それと、私は有り余る魔力と絶対的な破壊力のある魔術を知っています。
私だけは絶対に逃げられるという確信があるからこそ、冷静でいられるのです。
それと、私を殺すかもしれない兄上や、親としての実感がない父上と母上を見捨てて逃げる事に、何の罪悪感もわかないからこそ、冷静でいられるだけです。
「申し訳ありません、お嬢様。
自分達に都合のいいように考えてしまっていました」
ただ、それでも、段々情が湧いてきてしまっています。
兄上に対してはそれほどでもないですが、父上と母上には情が湧いてきています。
ずっと私の側にいて、命懸けで護衛ををしてくれているクローディア達に対しては、父上と母上以上に愛情を持っています。
保護したシスターと孤児達には保護欲が湧いています。
「まずは傭兵団を動かして威圧しましょう。
個々の戦闘力は王家の騎士や徒士には及びませんが、装備は王家を凌駕していますし、モンスターが相手ですが実戦経験も王家以上です。
彼らの力を見せつければ、味方の貴族も裏切り難いでしょう」
「承りました、直ぐに準備します」
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